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ジョン・コルトレーン(19)
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![]() Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, May 23, June 7, 1961 Freddie Hubbard, Booker Little (tp) John Coltrane (ss, ts) Eric Dolphy (as, bcl, fl, arr, cond) McCoy Tyner (p, arr) Reggie Workman (b) Art Davis (b -1) Elvin Jones (d) etc A1.Africa B1.Greensleeves 2.Blues Minor 2011年11月のレコード・コレクターズの「ジョン・コルトレーンとインパルス」の特集は、拙者にとって新しく興味深い知識を与えてくれた。特に面白かったのが、ルディ・バン・ゲルダーのインタヴューと菊池成孔のインタヴュー。 前者ではステレオ再生を意識せずに2トラック録音を行った結果、左にトレーンが、右にエルヴィンが配置されるという初期ステレオ配置になってしまったという事実が明らかにされた。拙者はこの対決的ステレオ配置が結構好きなので、だからモノラルでなきゃ、とは思わない。ただし、モノラルも買わなきゃな、とは思った。これは財布には痛手である。 後者ではトレーンのインパルス盤に見過ごされてきた「アフリカ的要素」について指摘があった。トレーンのシーツ・オブ・サウンズがポリリズムだという指摘には目から鱗だった。アフリカの楽器を使ってないのに何故「AFRICA/BRASS」はアフリカなのか。それは、ブラスのリズムが多層的だから、ということなのだろう。エルヴィンのドラムも今までは「手数の多い迫力のあるドラマー」くらいにしか思ってなかったけど、一人ポリリズムの変幻自在さにこそ彼の凄さがあるのだと気づかされた。彼が叩き、そして多層的にブラスが響けば、後はアフリカ的パーカッションはこの盤には不要なのだ、ということだろう。 さて、ということで、前からCDは持っていたけど、モノラル盤を入手(ラベルがツヤなしだから3rdかな)。実は拙者、ドルフィが参加しているにも関わらずソロがない本盤をあまり好きではなかった。でも、やっぱり知識というのは大事。バックボーンの知識を持って聴けば、聞き所満載というか、どっぷりと浸ることができる。ドルフィ、凄いぜ、このブラス・アレンジ!お見それしました! あと、RVGオリジナル盤の凄さはやっぱりベースの音にあると思う。日本盤やCDとかで聴くと、やっぱりベースの音が細い。トレーンのインパルス・カルテットの初期に採用されているレジー・ワークマンは何時聴いても下手だなあ、と思ってきた訳だけど、B2のウォーキングなんか聴くと、ぶっとい良い音でバッキングしています。すみません!お見それしました! やっぱりインパルスのコルトレーンは凄いわ〜。まだまだ勉強しんといかんなあ。 しかし、ステレオのオリジナルも欲しいなあ。 Africa Brass Vol 1 & 2 Sessions ▲
by jazzamurai
| 2012-12-19 16:14
| 無節操 ジャズ三昧
![]() John Coltrane (ts) McCoy Tyner (p) Jimmy Garrison (b) Elvin Jones (d) A1.Pt. 1: Acknowledgement 2.Pt. 2: Resolution B1.Pt. 3: Pursuance 2.Pt. 4: Psalm 暑いですね~。皆様、体調は如何ですか。拙者、寒いのが大嫌いなので、夏は大丈夫です。なんせうち、クーラー一機も無いもん。というか、使えないの。 いや引越し当初は2機とも使えたんですよ。でも、昔の人が残していったもので、どうも、フロンが抜けてしまったようなのよね。管理不行き届きとはいえ、大変環境に悪いことをしてしまいました。 しかし、寝苦しくて困るということは、年に3回あるかどうか。今年は、まだ無い。高野川沿いの我が家の夜は、まだ涼しいでござるよ。 ということで、本盤ですが、きっと、今後、何回も取り上げることになるだろうから、最初は簡単に行きます。 ちゃんとしたImpulse盤が欲しくて、手頃なのを探していたのですが、ステレオのオレンジ盤艶なしラベルを2,200円で得ました。ただし、ビニ焼け部分あり+ブート音入り。ジャケットも汚れてる。よく考えりゃ、裏面撮りゃ良かった。一緒の写真なんだから。 何回か、書いていることですが、高校二年生の時、初めて買ったコルトレーンがこれだった。ビクターの2,000円シリーズだったかな。買った帰りに当時大好きだった女の子と帰り道が一緒になって、大人ぶって話していたような感じだけを覚えている。これを安くで手放してしまって、ちょっと後悔しています。 正直、拙者の中でコルトレーンは、「至上の愛」前と以降でバッツリ分かれていて、前には殆ど興味がなかった。聴いてても、お勉強している感じ。・・・・殆どのコルトレーン・ファンと全く逆の聴き方ね。 しかし、本盤も、最初、全く良さが分からなかったし、コルトレーン好きとして、ファーストチョイスの盤ではなかった。なんか、まずコンセプトがあって、スタジオでおとなしく録った感じがしていたのね。 でも、年取って、耳が肥えてきたせいか、この落ち着いた中に秘めた、魂の熱さを、ゾクゾクするほど感じるようになってきたわけね。 特にそれが、このImpulseのVAN GELDER刻印盤を聴くと、とても身近に感じるわけです。 特に、今まで拙者の耳に全く聴こえていなかったジミー・ギャリソンのベース。とてもぶっとく、無骨に響いてきます。エルヴィンのスネアの跳ねた音も。今まで聴いてた邦盤やCDとは全く違うものです、これは。このレコードのエルヴィンはよく聴くとホンマに凄い。こんなにフレーズに絡み、否応なく鼓舞されてしまうドラムを聴いて、熱くならない方がおかしいっつーの。特にA2、B1。そのうち、B1の、コルトレーンのソロになってからの、破綻すれすれのドライブ。まるで高速カーチェイス。これが邦盤を聴いていた時は、凄く神経質な印象を持っていたの。けど、実は、もっと血沸き肉踊るスリルだったのね。 A2のテーマの所で、1、2、3、4パン、って感じのピアノとドラムのキメが大好きなのですが、その躍動感も全然違った印象を受けます。A1の、みんなで「A Love Supreme」と歌っている箇所も、なんか、恥ずかしげにぼそぼそと歌っている印象だったのが、誠実さをとても感じたりしてね。 耳が肥えて、聴こえていなかった部分に思いを至らせることが出来るようになったのかもしれませんが、でも、やっぱりImpulseのVAN GELDER刻印盤の情報量は、邦盤の廉価盤とは全然違うと思います。 今まで何回聴いてきたか分からないコルトレーンを改めて聴いて感動し直せる幸せよ。 でも、やっぱり聴かないにせよ、邦盤は手元に置いておくんだったなあ・・・・。 ▲
by jazzamurai
| 2010-07-29 00:33
| 無節操 ジャズ三昧
![]() John Coltrane (ss, ts) McCoy Tyner (p) Jimmy Garrison (b) Elvin Jones (d) A1.Love 2.Compassion - B1.Joy - 2.Consequences 3.Serenity 実質的には、4人のセッションでまとまった録音としては、最後のもの、と言って良いのではないでしょうか。この月、9月30日には、ファラオ・サンダースが加入しているので。 ジャケットのデザインって大事ですよね。発売は1977年。フュージョン華やかなりし時代とは言え、このジャケットのデザインは無いでしょうよ。その昔、インパルスは印象的なカラー写真とシンプルかつ大胆な色使いのジャケット・デザインで魅了した訳ですが、・・・・ですから、ありえへんよねえ、これは。 だから、録音時期のこともあって、聴くのを避けてきたのですが、安かったので、意を決して買ってみました。 ・・・・めちゃ良いですね。拙者としては、同曲を再録している「メディテーション」より良いかも。 勿論、「メディテーション」も良いのですが、あの強烈な混沌と、時折垣間見える美しいメロディの交錯は、ちときつく感じる時もあってですね。 ところが、これは四人で、結果的には聴き易く演奏しています。確かに、コルトレーンは飛んで行きたい感じもあるし、ジミーが中途半端に感じる時もあるのですが。 A1、その昔、「メディテーション」のB1に収められた同曲をリクエストする人が結構いたらしいですが、誰が聴いても良いなあ、と思えるバージョンなら、この盤のA1だと思う。スネアのばねを外した、エルヴィンのドラムが良い。この人、フリーな演奏が嫌いなくせに、こういう頭から最後までエンディング、みたいな時のタム中心のフリーはすんごい良いんですよね。この曲はベースが凄く良いのだけれど、なんかチャーリー・ヘイデンみたいに聴こえるんよね。気のせいかなあ。 ミディアムテンポのA2も良い。ドラムが重くってね。テーマが示唆するリフが緩やかに流れていて、和む、って訳じゃないけれど、破綻が無い演奏でね。このA面は文句なしに良いですね。 B1、同月22日にこの曲だけ録り直しているんですよね。後でアリスがオケを重ねるヴァージョンを。確かそのヴァージョンはベースソロが長かったと思うけど、本ヴァージョンは何時もの様にピアノソロ先行で、後からコルトレーンが吹き荒れる順番。結構吹き荒れているのですが、エルヴィンはみっちりドシャドシャにお付き合いしていて良いです。 ちょっとはまってないのがB2。テーマがフリージャズっぽい演奏を導くのですが、エルヴィン、無理してる。 シームレスでB3へ。B3がね、またちょっと、なんとも言えない雰囲気があります。「Serenity」って、どう訳すのかな。yahoo翻訳にかけたら「落ち着き」って出たのですが。コルトレーン・カルテットらしからぬ、諦念、というか、お葬式、みたいなね。テーマからピアノ・ソロへ、そしてコルトレーンが大プロー、なのですが、拭き散らかすのではなく、なんかどうしようもなく溢れた、という感じになってね。一瞬の慟哭の後、静かに静かに終わっていくの・・・・。何だろ、キース・ジャレットの「生と死の幻想」のB面みたいな感じ?(ワカラヘンっちゅーねん) B2だけはうーん、って思いますけれど、何だか、何かを諦めようとしてもがいている人の切なさ、みたいなものを感じます。みんな、もうこのカルテットは終わりかな、みたいな気持ちを持っていたのかな・・・・。 傑作とは言いませんが、拙者は結構、繰り返し聞いています。それが出来る盤です。 First Meditations ↑ 92年のCDです。90年前後のCDは、良い音してる、と思ったことが無いので、拙者はお勧めしません。ちゃんとしたCDを出して欲しいですね。出来れば、ジャケ写も変えて。SHM-CD盤とかで。 ところで、SHM-CD盤って、やっぱり音、良いんですか? ▲
by jazzamurai
| 2009-10-13 00:47
| 無節操 ジャズ三昧
![]() John Coltrane (ts) McCoy Tyner (p) Jimmy Garrison (b) Elvin Jones (d) except A2: Roy Haynes (d) RVG Studio, NJ, May 26, 1965 A1. Transition 2. Dear Lord B1. Suite Pt.1 Prayer And Meditation:Day Pt.2 Peace And After Pt.3 Prayer And Meditation:Evening Pt.4 Affirmation Pt.5 Prayer And Meditation:4 A.M. 密かにコルトレーンのレコード輸入盤への買い換え計画進行中。1480円でした。ジャケットがラミネートコートしてなかったし、RVG Studio録音ながらRVG刻印がないから、これはオリジナルじゃないのかしらん。研究しておこう。 時期的には「Quartet Plays (Impulse A85)」と「Ascension(Impulse AS95)」の間、AS95の18日前の録音になります。発売は1969年頃、と言われています。ラベルのデザインを見ると、68年から71年の間位なのかなあ、と素人的にも思います。問題は何故この傑作を生前出さなかったのか、ということです。 この盤は傑作中の傑作です。勿論、CDも持っています。プラケース盤が出た時もすぐ買ったし、24bit紙ジャケが出た時もすぐ買った。何度聴いたか分かりません。ちなみにLPの方が生々しい音がします。 特にA面を聴きます。まあ、A面を聴くだけで相当体力を使います。A1タイトルナンバーは15分半に及ぶ長尺ですが、あっと言う間に聴けてしまいます。というか、途中で止めることは許されない。トレーンのソロは前半4分までと、後半7分半から。前半4分のソロを聴くだけでただ事でない雰囲気が漂います。後半7分半からは強烈。何が強烈かというと、トレーンとエルヴィンの間に漂う緊張感が強烈です。トレーンが徐々にフリージャズ化していく過程って、コードのフリーというよりはビートのフリーだと思うんですよね。トレーンがメチャメチャ複雑なフレーズを高速で展開する時や、独特なひしゃげた音を読めない長さで吹き続ける時のエルヴィンの戸惑いというか、それでもプッシュしなければ、という義務感から繰り出す激しいドラム。けれども一方のトレーンの吹きっぷりは、煽られて高揚している感じじゃなくて、見つめているのは己が限界だけ、のように思えるんですよ。何処までならLP片面分の時間の中で、演奏の枠を拡張できるか。だから、トレーンは熱くならない。なっているように見えても、それはコントロールされていて、エルヴィンの思いは、熱は一方通行なんだと思います。それで、13分過ぎ位からは、エルヴィンが時々陥る、形だけシンバルを叩いてるけど彼らしいポリリズムが抜けて音場がポッカリと空いてしまう一瞬が生じてしまいます。 この演奏聴いていると、A2が録音された日、つまり"Transition Session"の15日前にドラムをロイ・ヘインズに変えて行われていたSessionの事が非常に気になるわけです。別の盤になりますが、「The Mastery Of John Coltrane, Vol. 2 - To The Beat Of A Different Drum (Impulse IZ9346-2)」で日の目を見た強烈な2曲、"After The Crescent"と"One Down, One Up"は、"Transition"のように長尺の曲なのですが、ロイ・ヘインズは徹頭徹尾、叩きまくってるんですよね。時にはトレーンを食ってる、と思える瞬間もあるくらい。「Quartet Plays」と「Ascension」に挟まれた、この二つのセッションのことを思う時、トレーンとエルヴィンの軋轢は、確かに「Ascension」の時に顕在化したのかもしれないけれど、この二つのセッションの時に生まれたのだ、と思えるのです。 その軋轢が生まれた瞬間が、まさにこの"Transition"の後半のソロの時だ、と思えてなりません。 そして、あまりにも美しいA2。"After The Rain"や"Welcome"と同じ位、素晴らしい曲。スタンダードを演じた「Ballads」は確かに良いけれど、トレーンのオリジナルバラッドはみな名曲。ヘインズの優しいスネア使いも聴きもの。 B面組曲はあまり聴いたことないですが、A1を引きずったかのような激しい曲調からベースソロ、ピアノソロ、ドラムソロを経て次第に落ち着いてくる様が良いですね。特にドラムソロから引き続いてドラム乱打の前で落ち着いてエンディングテーマを吹奏するトレーンの美しさよ。 「Ascension」という盤は、フリージャズの集団即興演奏だと言われていますが、インパルス・レコードや後輩思いのトレーンにとって、次世代のミュージシャンを披露するためのイベントだった、と拙者は思っています。ので、トレーンを聴くための盤としては、正直いうておもろない、と思います。あまり聴く気にならないと。だって、やる気のないエルヴィンの前でファニーなソロをとるマリオンとかジョン・チカイとか、なんか聴いててもつまんないし~。 一方、トレーンの演奏スタイルは、63年以降、急激に変化していくのですが、もしも「Ascension」ではなくて、ちゃんと「Transition」が出されていれば、この盤の公の評価はもっと違ったものになっていたかもしれません。 Transition ▲
by jazzamurai
| 2009-06-20 15:33
| 無節操 ジャズ三昧
![]() John Coltrane — ts,ss McCoy Tyner — p Jimmy Garrison — b Elvin Jones — dr A1.Out of This World (Arlen, Mercer) — 14:04 2.Soul Eyes (Waldron) — 5:25 B1.The Inch Worm (Loesser) — 6:14 2.Tunji (Coltrane) — 6:32 3.Miles' Mode (Coltrane) — 7:31 オリジナルと同じコーティングジャケが手に入ると思って再発赤黒ラベル盤を買ったのですが、VAN GELDER刻印が無くてショックだった・・・・。まあ良いか、2,860円ならば・・・・。音も良いように感じるし。 菊地成孔氏+大谷能生氏の「東京大学のアルバート・アイラー(キーワード編)」に、トレーンを評して「アドリヴによる音楽推進の可能性を、自分の生涯をかけて、個人の履歴がそのままモダン・ジャズの歴史になってしまうような神話的なパワーで体現してしまった」と書いていますが、上手いこと書くなあ、と思った。 表舞台に出て10年間走り続け、大きな影響力を持つに至ったまま去った怪物的存在の、その10年間の真ん中の年にちょこちょこと録られた盤。マウスピ-スが不調になる前年の盤。 正直、インパルスのレコードの中では、「バラード」、「&エリントン」、「&ハートマン」を除いて一番聴きやすいでしょ。収録曲のバランスも良いし。インパルス時代が嫌いな方も多いと思いますが、この盤はお奨めです。 落ち着いた雰囲気の中にもトレーンとエルヴィンの熱い掛け合いが行われるA1。エルヴィンのポリリズムがめちゃ格好いい。こねくり回した応答の中に、時々トレーンの長い咆吼とバックのスネアの連打がまざると一気に血の気が増す感じがします。 殆どシームレスに流れ出す絶品バラードA2。1981年2月7日にNHK-FM「セッション81」で、山下洋輔、小山彰太、国仲勝男、武田和命による同曲を聴いたことがあった。そのテープは今でも拙者の宝物で、武田和命の演奏がめちゃ良いんですわ。カデンツァも付いていてね。その演奏の雰囲気は本家テイクのまんまです。まあ、武田コルトレーンと言われた人ですからね・・・・。どちらかというとロリンズに近かったという人もいますが。話が横に逸れましたが、この本家の演奏はやっぱり良いですよ。エルヴィンのブラシで出されるリズムが、少々高揚感をもたらす部分もありますが、なかなか落ち着いた良い演奏です。 ファニー&キュートなテーマのB1。土曜日に聴いてたら、息子さん、憶えてしまったようで、今日、飯食ってる時に鼻歌したはりましたわ。 ピアノのリフが印象的なB2。コルトレーンのアドリヴは淡々とした中に強い説得力を持った良い演奏なんですが、マッコイのソロの途中でブルースが入ってきちゃう所が拙者にはダメ。緩くなってしまうのよねん。 名曲B3はスタンダードとしてもっと取り上げられても良いのになあと思う。格好いいテーマやし、曲名が良いじゃないですか。その名の通りの曲なので、演じるのが難しい曲なのですかねえ。テナーとピアノのユニゾンによるテーマ吹奏は合って無くて冷や冷や。でもトレーンはめちゃ格好いい。よくこんだけ次から次ぎへとフレーズが浮かんでくるものだ。そして、そのフレーズをよく聴いて対応しているエルヴィンの左手の細やかさ。バンドとして、ちょっとまだ弾き切れてないのかな。 しかし、聴いているうちに、やっぱり刻印入りの盤が欲しくなるな。インパルスって、ジャケのセンスが良いし、音が太くて迫力あるから、他の人のも聴いてみたくなりますね。 お奨めのインパルス盤がありましたら、ご紹介下さいませませ。 Coltrane ▲
by jazzamurai
| 2009-04-22 04:07
| 無節操 ジャズ三昧
![]() October 17,1959 Steve Lacy (ss) Mal Waldron (p) Buell Neidlinger (b) Elvin Jones (dr) 1.Four in One (6:06) 2.Reflections (4:08) 3.Hornin' In (5:17) 4.Bye-Ya (4:42) 5.Let's Call This (7:15) 6.Ask Me Now (4:54) 7.Skippy (4:21) 水面に映る丸い波紋。季節は分からないが、ジャケットの色から春を思わせる。そのジャケットの印象そのもののような演奏だ。 モンクがレイシーの心に広げた波紋なのか、それとも、レイシーが世界に対して投じた一石なのか。 レイシー24歳、マル33歳、ビュエル22歳、エルヴィン31歳。生涯を通じて取り組むことになるモンク作品集であり、2作目のリーダー作。レイシーの演奏は何時も瑞々しいが、この盤の演奏の瑞々しさは世界中のレイシー・ファンにとって特別のものだと思う。 この共演の時から既に、レイシーとマルの相性は抜群。上手くレイシーのフレーズに絡んでいると思う。そして、不思議なことにレイシーとエルヴィンの相性がとても良い。エルヴィンはこの時期、まだコルトレーン・カルテットに参加していない。目立った録音といえば、1957年のロリンズの「ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード」だろうか。だが、エルヴィンはエルヴィンでしかなく、手数の多い4ビートを叩いている。これがとてもレイシーに合う。 そういえば、レイシーはメチャメチャ手数の多いオリヴァー・ジョンソンとレギュラー・グループを組んでいたのだった。煽るドラムの前で、冷静にフレーズを紡ぐレイシー。こんな若いうちから、レイシーもレイシーでしかない。だが、若く、瑞々しい。そして、上手い。 後のフリージャズの萌芽がある、という人もいるが、拙者は、それは分からない。とても聴きやすいと思う。レイシーという名の前に立ちすくんで、この盤を拒絶する人がいるならば、拙者、話が合わないだろうなあ・・・・。 慎ましいドラムから始まるミディアムテンポの「1」。優しい響きの「2」。ミディアムテンポだが、テーマのフレーズの早い「3」、ファニーな「4」、切れのある「5」。どの演奏も素晴らしい。 「6」のピアノソロの後で、優しくフッと入り込むレイシー。包み込むエルヴィンの優しいブラシ。これは本当に癒してくれる、良い演奏です。 そして、高速の「7」が始まる。マルが少々付いていけないが、そんなことは構わない。レイシーに寄り添い、絶妙にアドリヴをサポートする。2回の4小節交換。シンプルだが、上手いドラム・ソロ。やはりこの盤は若いエルヴィンを聴く盤でもある。 悲しいかな、拙者の持っている1990年のマスターのCDは音が悪い。今、版権はユニヴァーサルにあるのかな。ちゃんとリマスターして欲しい盤だ。 Reflections: Steve Lacy Plays Thelonious Monk ▲
by jazzamurai
| 2008-07-30 23:52
| 無節操 ジャズ三昧
![]() John Coltrane — ts & ss McCoy Tyner — p Jimmy Garrison — b Elvin Jones — dr 1. Afro Blue – 10:50 2. I Want to Talk About You – 8:11 3. The Promise – 8:10 4. Alabama – 5:09 5. Your Lady – 6:39 しかし、この2か月間、何回東京に行ったかなあ。殆ど土日が潰れて、まともな休み無し。正直疲れたけれど、まあ、一段落付いたかなあ。 ところで、音楽は何処からやってくるのでしょう。帰りの新幹線で、突然、トレーンの「アフロブルー」の旋律が沸き上がって、頭から離れなくなりました。 この盤は、1~3が10月8日のバードランドのライブ、4、5が11月18日のスタジオ録音です。どうしてライブ音源が3曲しか収録されていないのか、ということが問題ですが、残りの演奏は実は「マイ・フェイバリット・シングス」で、収めきれない程、長尺だったのかもしれませんね。 「1」はソプラノ。6/8拍子のアフロとも、ラーガともつかないFドリアンのモードの曲。ドラムの録音がシンバルばかり捉えていて、タムやスネアが軽いのが難点ですが、エルヴィンが凄い。強烈なポリリズムです。トレーンにぴったりと寄り添って、煽る煽る。6/8拍子というのは、この人に合っているんですかね。 「2」はテナー。同年のニューポートでも演奏された曲。内容はあっちの方が良いけれど、このテイクも捨てたもんじゃない。最後、長いカデンツァで吹きまくるトレーンは本当に凄い。これって、採譜可能なのかしらん。まあ、こういうリラックスした雰囲気の曲は、エルヴィンより、ニューポートで演奏しているロイ・ヘインズの方が合っているかもですね。 「3」はソプラノ。「1」を4/4拍子にして少し静かにしたような曲。 「4」はテナー。同年9月15日、アラバマ州バーミンガムの黒人協会が白人の主義者どもに爆破され、日曜学校に出席していた4人の少女が犠牲になったことを偲んだオリジナルナンバー。沈鬱としか言えないテーマが、ベースとピアノの通奏低音の上で奏でられ、短い4/4拍子のソロを挟んで、また奏でられる。そして祈りが終わろうとする瞬間、エルヴィンの静かな怒りが爆発して、トレーンの一瞬の叫びに呼応する。 「5」はソプラノ。打って変わって明るい4/4拍子の曲だけど、ベースが同じ音で前進的なビートを出し、それに乗ってエルヴィンのドラムが強烈なポリリズムを叩き出す。ピートルズの「トゥモロー・ネバー・ノウズ」のようだ。トレーンは口数少なく音を選ぶが、ソロの部分はピアノが引っ込んでいて、殆どドラムとのデュオ。耳を澄ませば如何にエルヴィンがコルトレーンの音を聴き、プッシュしているか、素晴らしいドラマーかよく分かる。 このカルテットは翌年、名盤「至上の愛」を録音することになるけれど、あの盤はシリアス過ぎ、また、行き過ぎた緊張感や軋轢を感じる部分があり、破綻すれすれの瞬間がある。それゆえの名盤だけれど、その前年の63年の録音には、お互いに対する信頼があって、安心して聴いてられる感じがある。この盤にしても内容が充実している。やはり、時折聴きたくなる盤だ。 ▲
by jazzamurai
| 2008-04-21 05:24
| 無節操 ジャズ三昧
![]() John Coltrane (Tenor & soprane sax) McCoy Tyner (Piano) Elvin Jones (Drums) Steve Davis (Bass) 1.My Favorite Things (Rodgers and Hammerstein) – 13:47 2.Everytime We Say Goodbye (Cole Porter) – 5:54 3.Summertime (George Gershwin/DuBose Heyward) – 11:37 4.But Not for Me (Gershwin) – 9:35 当たりました当たりました、アトランティック紙ジャケシリーズの特典、「マイ・フェバリット・シングス」のモノラルミックス。 聴き比べていますが、もともと、この盤のステレオミックスは音が悪いと言われているみたいですね。モノラルの方が、断然良いですよ。なんか、ステレオミックスの方は音が揺れてる感じがしますし、ピアノの音が割れていますが、モノラルミックスの方は、その辺りがかなり改善されています。ソプラノも、チャルメラ度が減退してサックスの音に聞こえるし。こっちのミックスを正規盤にした方が良いんではないでせうか。 拙者は、この曲に関しては、「セルフレスネス」に入っている63年のニューポート・ヴァージョンか、「ビレッジヴァンガード・アゲイン」に入っているヴァージョンの方が圧倒的に好きなのですが、なんかやっとしっくり来ました。 やっぱりインド風ですよね、この演奏は。「サウンド・オブ・ミュージック」でジュリー・アンドリュースが歌うこの歌を、コルトレーンがこんなモード・ジャズの長尺曲に仕上げたのを聴いた時、当時の人たちはやっぱり面食らったでしょうね。 おとなしく、変化が無い様に見えて、その実、複雑で微妙に変化するポリリズムを叩き出しているエルビンのスネア捌きは結構凄いですよね。 中間部のかったるいピアノソロも、よくよく聴くと5分過ぎからの変奏がキュート。 ポーターの名曲2も、ロリンズの演奏がベストという意見もありますが、拙者にとっては、この盤の演奏の方が曲の本質をよくとらえている気がします。 甘くない硬派な3、楽しく、明るく、それでいてシーツ・オブ・サウンド炸裂で吹きまくりの4。オリジナルにこだわった「ジャイアント・ステップス」とは真逆のアプローチで、名曲の本質をとらえ且つ己の表現を拡大するために手中のものとした意欲作であり、駄曲無しの名盤と言えましょう。 今出ている紙ジャケ24bitリマスターも割と良いとは思いますが、このモノラルミックスは、市場に出すべきと思われます。 ジョン・コルトレーン : マイ・フェイヴァリット・シングス(+2)(紙ジャケット仕様) ▲
by jazzamurai
| 2007-04-03 00:38
| 無節操 ジャズ三昧
![]() John Coltrane (TS) McCoy Tyner (Piano) Jimmy Garrison (Bass) Elvin Jones (Drums) 1. Say It (Over And Over Again) 2. You Don't Know What Love Is 3. Too Young To Go Steady 4. All Or Nothing At All 5. I Wish I Knew 6. What's New 7. It's Easy To Remember (But So Hard To Forget) 8. Nancy (With The Laughing Face) これも名盤と呼ばれとるからねえ、ちいと恥ずかしいわい。 これって、ビレッジ・バンガードのライブより後なんやね。 拙者、80年発売の1500円シリーズで持っていたのだが、ホントに最近になるまで、 殆ど聴かんかった。だって、おもんないんやもん、たるいんやもん。 帯に「これを聴かずしてモダン・ジャズは語れない」ってあるけど、ナニ言うてんねん。 やっぱりバリバリ吹いているコルトレーンが一番やで。って思っていた。 殆どテーマを歌わせることに終始していて、アドリブはハンパな感じなんですよね。 拙者が知っている話では、この時期、マウスピースが合わなくて、早吹きが出来なかった、 それじゃあバラードでも録音したら、といわれて録ったら当たった、という俗説がある。 確かにちょっと丸い音がしてるんですよね。まあ、どうかな。わかんねえ。 でも、最近はよく聴きます。特にユニバーサルの24bitマスターは音が良いですね。 コルトレーンの「音」を聴くには良い盤かもしれません。 それと、あまり聴く機会のない、エルヴィンのブラシね。 拙者のベストテイクはやはり2曲目、「恋とは何かご存じ無いのね」。 やっぱり、曲が良いと、名演も多い。途中からアップテンポになる所も良い。 後は、あまりに硬派な7曲目「ホワッツ・ニュー」。 選曲が良いのかなあ。仕事で疲れた時、一人で聴いていると良いですね(もちろん酒が必要)。 まあ、男臭いので、女の子口説く時に聴くバラード集ではありません。 なお、4、7以外は一発で録り終えており、アウトテイクは無いそうだ。 ジョン・コルトレーン : バラード(紙) ▲
by jazzamurai
| 2007-03-03 02:06
| 無節操 ジャズ三昧
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