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![]() 12月19日、京都市左京区のJAZZ CAFE MURRAで、レコード・コンサートをやりました。 ライブのドタキャンが出たらしく、代わりにさせていただきました。 最初は、『ジャズ批評』の2013年5月号の幻の企画「フリージャズの50年」をやらせてくれないか、と提案してみたのですが、やっぱりそのテーマは店主の趣味に合わないらしく……。 オリジとか、セカンドとかのあるドルフィーならできるかなと思い、やってみました。 一応、冒頭のチラシもパワポで作ってみました。 お客さんは少なかったですが、最後まで熱心に聴いて頂きました。 また、ライブのドタキャンが出たら(店の売り上げとしては困るでしょうが)、スティーヴ・レイシー・ナイトをさせてほしいですね〜。フリーじゃないやつ選びますからぜひ。 以下は、その時のレジュメです。 ジャズ・カフェ む〜ら presents ERIC DOLPHY NIGHT エリック・ドルフィーは、フリー・ジャズではありません。オーネット・コールマンの問題作「フリー・ジャズ」(1960年12月21日)に参加していても、彼は調性から逸脱することはありません。 ただし、滑らかなフレーズを奏でてうっとりとさせてもくれません。高低を行ったり来たり跳躍し、ゴリゴリ吹いたり、大きな音で嘶いたりします。ホントに独特なアドリブフレーズです。 きっと、何時いかなる時も、即興の限界まで行きたかったのでしょう。でも、初期においては、慣用句を避けるあまりの複雑なフレーズが、逆に固定化してしまい、どれを聴いても一緒に聴こえる時もあります。 一皮むけるのは、ファィブ・スポット後、だと思っています。その後の盤ではアドリブに余裕を感じる時があります。でも、そこから先の残された録音の少ないこと。「アウト・トゥ・ランチ」や「ラスト・デイト」を聴く時、彼がもっと長生きしてくれていたら、と思わざるをえません。 略 歴 1928年6月20日、LAで生まれる。音楽好きの子どもとして育った。小学生のころ、クラリネットを与えられる。 1941年地元のバンド・オーケストラ祭でクラリネットを演奏し、賞を獲得。その後、ジュニア・ハイスクール時代にアルト・サックスをマスター。 1946年、ロサンゼルス市立大学に進み、音楽を学ぶ。チャーリー・パーカーの音楽に接し、衝撃と多大な影響を受ける。 1948年、ロイ・ポーター率いるビッグバンドに参加。 1950年、軍隊に入隊。51年海軍音楽学校に入学。 1953年、除隊。ジェラルド・ウイルソン楽団に加わり、LA周辺で演奏活動。 1954年、コルトレーンや、オーネット・コールマンと知り合う。 1958年、チコ・ハミルトン・クインテットに参加。 1959年、チコ・ハミルトン・クインテットを辞め、本拠をNYに定める。 1960年、チャールズ・ミンガスのジャズ・ワークショップに加入。プレスティッジ・ニュージャズから「アウトワード・バウンド」でデビュー。続いて、「アウト・ゼア」、「ファー・クライ」というリーダー・アルバムを立て続けに録音。 1961年、ドルフィーの輝ける年。数々の歴史的名盤のセッションに参加。ブッカー・リトルとの双頭コンボを結成、ファイヴ・スポットで歴史的ライブを録音する(しかし、ブッカーが尿毒症で23歳という若さで急逝)。ドルフィーは、コペンハーゲンに飛び、数ヶ月の演奏契約を履行する。 1962年、フリーランスの年。謎の空白の一年。公式にリリースされたリーダー・アルバムが一枚も無い。小規模のセッションに参加するのみ。 1963年、この年もフリーランスの活動が中心。7月にやっとアラン・ダグラスによるリーダー・アルバム(2枚分)を録音。 1964年、ブルーノートにその時点での集大成である「アウト・トゥ・ランチ」を録音。ミンガス・グループに復帰。ヨーロッパ・ツアーに参加。6月2日、オランダにて「ラスト・デイト」を録音。その後、糖尿病の悪化により体調悪化、ベルリンにて入院するも29日に死亡。享年36歳。お金がなく、手っ取り早く糖分(蜂蜜)だけを取る生活が続いたため、糖尿病を患ったと言われている。 今日の選曲 1. Out There (6:54) Leader Album「Out There」より。1960年8月15日録音。Monoのオリジナル盤から。じわじわきます。 2. 'Round Midnight (6:29) George Russell「Ezz-Thetics」より。1961年5月8日録音。Stereo黒銀溝あり盤から。 3. We Speak (12:25) Booker Little「Out Front」より。1961年4月4日録音。Monoのオリジナル盤から。音の良い盤です。 4. Fire Waltz (13:25) 5. Bee Vanp (12:25) Leader Album「At The Five Spot, Vol. 1」よりA面通しで。1961年6月16日録音。Monoのオリジナル盤から。この録音は音が良いです。ピアノのチューニングさえ合っていれば。 ○休憩 (10:00) 6. Les (Miss Ann) (5:55) 7. Laura (13:12) Leader Album「In Europe, Vol. 2」より。1961年9月8日録音。紺ベタ、右トライデント。ジャケットにはStereoの表示がありますが、盤はおそらくMonoです。録音の良い盤です。 8. Mr. P.C. (11:05) ドルフィーのソロの終わりまで John Coltrane「The Inner Man」より。1962年2月9日録音。いわゆるエアチェク録音のブートレグで、日本盤。音は悪いですが演奏は超熱いです。 9. Refuge (12:12) Andrew Hill 「Point Of Departure」より。1964年3月21日録音。MonoのNEW YORK USA盤から。「Out To Lunch!」からではなく、こちらを選びました。4167はLbl上部の住所が "NEW YORK, USA"でオリジナルです。 10. Miss Ann (5:25) Leader Album「Last Date」より。1964年6月2日録音(死の27日前)。Monoのライムライト盤溝ありから。まさしく到達点。 11. Love Me (3:25) Leader Album「Conversations」より。1963年6月1日録音。86年のStereoのセルロイド盤から。 代表作 ○ Leader (1) Outward Bound (New Jazz NJLP 8236) Freddie Hubbard (trumpet) Eric Dolphy (alto saxophone, bass clarinet, flute) Jaki Byard (piano) George Tucker (bass) Roy Haynes (drums) Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, April 1, 1960 (2) Out There (New Jazz NJLP 8252) Eric Dolphy (alto saxophone, bass clarinet, flute, clarinet) Ron Carter (cello) George Duvivier (bass) Roy Haynes (drums) Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, August 15, 1960 (3) Far Cry (New Jazz NJLP 8270) Booker Little (trumpet ) Eric Dolphy (alto saxophone, bass clarinet, flute) Jaki Byard (piano) Ron Carter (bass) Roy Haynes (drums) Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, December 21, 1960 (4) At The Five Spot, Vol. 1 (New Jazz NJLP 8260), Vol. 2 (Prestige PRLP 7294) , Memorial Album (Prestige PR 7334) Booker Little (trumpet) Eric Dolphy (alto saxophone, bass clarinet, flute) Mal Waldron (piano) Richard Davis (bass) Ed Blackwell (drums) "Five Spot Cafe", NYC, July 16, 1961 (5) In Europe, Vol. 1 (Prestige PRLP 7304) , Vol. 2 (PR 7350), Vol. 3 (PR 7366) Eric Dolphy (alto saxophone, bass clarinet, flute) Bent Axen (piano) Erik Moseholm (bass) Jorn Elniff (drums) Copenhagen, Denmark, September 6, 8, 1961 (6) Iron Man (Douglas SD 755) , Conversations (Fred Miles FM 308) Woody Shaw (trumpet) Prince Lasha (flute) Clifford Jordan (soprano saxophone) Sonny Simmons (alto saxophone) Eric Dolphy (alto saxophone, bass clarinet, flute) Bobby Hutcherson (vibraphone) Richard Davis, Eddie Khan (bass) J.C. Moses (drums) NYC, July 1, 3, 1963 (7) Out To Lunch! (Blue Note BLP 4163) Freddie Hubbard (trumpet) Eric Dolphy (alto saxophone, bass clarinet, flute) Bobby Hutcherson (vibraphone) Richard Davis (bass) Tony Williams (drums) Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, February 25, 1964 (8) Last Date (Fontana (Du) 681 008 ZL) Eric Dolphy (alto saxophone, bass clarinet, flute) Misja Mengelberg (piano) Jacques Schols (bass) Han Bennink (drums) Hilversum, Holland, June 2, 1964 ○ Guest (1) Oliver Nelson - Screamin' The Blues (New Jazz NJLP 8243) Richard Williams (trumpet) Eric Dolphy (alto saxophone, bass clarinet, flute) Oliver Nelson (alto, tenor saxophone) Richard Wyands (piano) George Duvivier (bass) Roy Haynes (drums) Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, May 27, 1960 (2) Ken McIntyre/Eric Dolphy - Looking Ahead (New Jazz NJLP 8247) Ken McIntyre (alto saxophone, flute) Eric Dolphy (alto saxophone, bass clarinet, flute) Walter Bishop Jr. (piano) Sam Jones (bass) Art Taylor (drums) Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, June 28, 1960 (3) Charles Mingus Presents Charles Mingus (Candid CJM 8005) Ted Curson (trumpet) Eric Dolphy (alto saxophone, bass clarinet) Charles Mingus (bass, vocals) Dannie Ritchmond (drums, vocals) Nat Hentoff (supervisor) Nola's Penthouse Sound Studios, NYC, October 20, 1960 (4) Oliver Nelson - The Blues And The Abstract Truth (Impulse! A 5) Freddie Hubbard (trumpet) Eric Dolphy (alto saxophone, flute) Oliver Nelson (alto, tenor saxophone, arranger) George Barrow (baritone saxophone) Bill Evans (piano) Paul Chambers (bass) Roy Haynes (drums) Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, February 23, 1961 (5) Oliver Nelson/Eric Dolphy - Straight Ahead (New Jazz NJLP 8255) Eric Dolphy (alto saxophone, bass clarinet, flute) Oliver Nelson (tenor, alto saxophone, clarinet) Richard Wyands (piano) George Duvivier (bass) Roy Haynes (drums) Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, March 1, 1961 (6) Booker Little - Out Front (Candid CJM 8027) Booker Little (trumpet) Julian Priester (trombone) Eric Dolphy (alto saxophone, bass clarinet, flute) Don Friedman (piano) Art Davis (bass) Max Roach (drums, timpani, vibraphone) Nat Hentoff (supervisor) Nola's Penthouse Sound Studios, NYC, March 17, 1961 (7) George Russell Sextet - Ezz-Thetics (Riverside RLP 375) Don Ellis (trumpet) Dave Baker (trombone) Eric Dolphy (alto saxophone, bass clarinet) George Russell (piano) Stephen Swallow (bass) Joe Hunt (drums) Plaza Sound Studios, NYC, May 8, 1961 (8) Ron Carter - Where (New Jazz NJLP 8265) Eric Dolphy (alto saxophone, bass clarinet, flute) Mal Waldron (piano) George Duvivier (bass) Ron Carter (bass, cello) Charlie Persip (drums) Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, June 20, 1961 (9) Mal Waldron - The Quest (New Jazz NJLP 8269) Eric Dolphy (alto saxophone, bass clarinet) Booker Ervin (tenor saxophone) Mal Waldron (piano) Ron Carter (cello) Joe Benjamin (bass) Charlie Persip (drums) Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, June 27, 1961 (10) Andrew Hill - Point Of Departure (Blue Note BLP 4167) Kenny Dorham (trumpet) Eric Dolphy (alto saxophone, bass clarinet, flute) Joe Henderson (tenor saxophone) Andrew Hill (piano) Richard Davis (bass) Tony Williams (drums) Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, March 21, 1964 ○ 眠れない、お暇な夜は、ホストのKが、細々と下手な小説を綴っている「ジャズ侍のブログ小説~青い光」(http://jazzamuray.exblog.jp/)を覗いてみて下さい。黒猫のエリックも時々出ます。 ○ ありがとうございました。
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by jazzamurai
| 2013-12-31 17:06
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, May 23, June 7, 1961 Freddie Hubbard, Booker Little (tp) John Coltrane (ss, ts) Eric Dolphy (as, bcl, fl, arr, cond) McCoy Tyner (p, arr) Reggie Workman (b) Art Davis (b -1) Elvin Jones (d) etc A1.Africa B1.Greensleeves 2.Blues Minor 2011年11月のレコード・コレクターズの「ジョン・コルトレーンとインパルス」の特集は、拙者にとって新しく興味深い知識を与えてくれた。特に面白かったのが、ルディ・バン・ゲルダーのインタヴューと菊池成孔のインタヴュー。 前者ではステレオ再生を意識せずに2トラック録音を行った結果、左にトレーンが、右にエルヴィンが配置されるという初期ステレオ配置になってしまったという事実が明らかにされた。拙者はこの対決的ステレオ配置が結構好きなので、だからモノラルでなきゃ、とは思わない。ただし、モノラルも買わなきゃな、とは思った。これは財布には痛手である。 後者ではトレーンのインパルス盤に見過ごされてきた「アフリカ的要素」について指摘があった。トレーンのシーツ・オブ・サウンズがポリリズムだという指摘には目から鱗だった。アフリカの楽器を使ってないのに何故「AFRICA/BRASS」はアフリカなのか。それは、ブラスのリズムが多層的だから、ということなのだろう。エルヴィンのドラムも今までは「手数の多い迫力のあるドラマー」くらいにしか思ってなかったけど、一人ポリリズムの変幻自在さにこそ彼の凄さがあるのだと気づかされた。彼が叩き、そして多層的にブラスが響けば、後はアフリカ的パーカッションはこの盤には不要なのだ、ということだろう。 さて、ということで、前からCDは持っていたけど、モノラル盤を入手(ラベルがツヤなしだから3rdかな)。実は拙者、ドルフィが参加しているにも関わらずソロがない本盤をあまり好きではなかった。でも、やっぱり知識というのは大事。バックボーンの知識を持って聴けば、聞き所満載というか、どっぷりと浸ることができる。ドルフィ、凄いぜ、このブラス・アレンジ!お見それしました! あと、RVGオリジナル盤の凄さはやっぱりベースの音にあると思う。日本盤やCDとかで聴くと、やっぱりベースの音が細い。トレーンのインパルス・カルテットの初期に採用されているレジー・ワークマンは何時聴いても下手だなあ、と思ってきた訳だけど、B2のウォーキングなんか聴くと、ぶっとい良い音でバッキングしています。すみません!お見それしました! やっぱりインパルスのコルトレーンは凄いわ〜。まだまだ勉強しんといかんなあ。 しかし、ステレオのオリジナルも欲しいなあ。 Africa Brass Vol 1 & 2 Sessions ▲
by jazzamurai
| 2012-12-19 16:14
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Eric Dolphy — flute, bass clarinet, as Ron Carter — bass, cello George Duvivier — bass Roy Haynes — drums A1.Out There (Dolphy, Mingus) – 6:55 2.Serene (Dolphy) – 7:01 3.The Baron (Dolphy) – 2:57 B1.Eclipse (Mingus) – 2:45 2.17 West (Dolphy) – 4:50 3.Sketch of Melba (Randy Weston) – 4:40 4.Feathers (Hale Smith) – 5:00 いやあ・・・・、金欠です。 「貧すれば鈍する」と言いますが、この言葉は真実ですよ。有りすぎてもいけないが、無くても困るのが金。「住んでも恩恵がなく、税金ばかり高く、住むのは唯の趣味」と言われる京都市民にとって、やはり金は大事。それも、趣味を続けるにおいては。 って、要するにLP買い過ぎでお小遣いが無いわけです。そこで、手持ちの盤のうち、ちょっといらんかな~、っていう盤を数枚ヤフオクに出しました。 その中に、本盤を混ぜようとしたのですが、トラブルチェックのため聴いてみたら、あまりに内容が良いので出品を止めました。 「良いに決まってるやろ!なんで売んねん!あほ」と仰いますな。冒頭に掲げているジャケ写は確かに「Out There」prestige再発のものですが、これはネット上から借りてきました。 実は拙者が持っている盤はRudy Van Gelderさんがカッティングを誤って、「Outward Bound」だと思って「Out There」をカットし、番号を掘ったもので、ジャケットもラベルも「Outward Bound」prestige再発のものという超~奇盤なんです(紫のジャケで、アルトをくわえるドルフィの右側の横顔が写っているもの)。 god-zi-lla師匠は「わはは。「Out There」ジャケの「Outward Bound」を探しましょう」と仰って下さいましたが、そんな奇盤が他に存在するとも思えず、また、トライデントマークが丸の中に入っていたことから、疑似ステレオだとばっかり思っていたわけです。 しか~し、聴いてみると、ドルフィが左から、ロン・カーターが右から聞こえてきます。ドラム、ベースは中央です。デュビビエさんの野太いベースもしっかり鳴っています。ひょっとして、この盤は元からマルチトラックで録音されていたのでしょうか? とても音が良いです。フレッシュだし、びっくり。 実は「Out There」って、好きじゃなかったんですよ。ドルフィにはピアノがあった方が拙者は好きなのです。それに、調子っ外れのロン・カーターのチェロがやっぱり好きになれないし。 B面の4曲も印象が散漫だと思っていました。 でも、やっぱり良いですね。A1のロン・カーターのソロが終わった後に出て来るドルフィの長尺のソロ。どんどん熱気を帯びてくる、あの感じ。聴いている拙者も興奮してきます。 今日聴いて初めて良いと思ったのは、ランディ・ウエストン作のB3。フルートの音がふくよかでとても良い。60年でも、こんなに管を鳴らしていたのだ、と改めて知りました。 A4のアルトによるバラードも良いです。・・・・共演がモンクかマル・ウォルドロンならもっと良いに違いないでしょうが。 デュビビエ、ロイ・ヘインズのコンビは強力で、今聞くと、コード楽器の不在は、全く気になりません。相棒が何故ロン・カーターか、という問題はよく分かりませんが(引き立て役としては良い)、やっぱりこの盤は良いですね。 とにかく危ない危ない。「鈍する」ところでした。出品は急遽取り止めです。さあ、しっかりシマシマしとこう。そして、RVGあー勘違いの「Out There」ジャケ+ラベルの「Outward Bound」があると信じて探し続けることにしよう。オリジナルのNEWJAZZ盤は高すぎるので、手を出す気はないです。Wizardのイラストもそんなに好きじゃないし・・・・。フン!っだ。 ▲
by jazzamurai
| 2011-09-26 23:10
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Richard Williams (tp) Eric Dolphy (as, bcl, fl) Oliver Nelson (as, ts) Richard Wyands (p) George Duvivier (b) Roy Haynes (d) A1.Screamin' The Blues 2.March On, March On 3.The Drive B1.The Meetin' 2.Three Seconds 3.Alto-Itis てっきり輝かしい61年の録音だと思ってたら、60年5月じゃん。そっかオリジナルは8243で、「straight ahead (New Jazz NJLP 8255)」より前か。時期的には「Outward Bound (New Jazz NJLP 8236)」セッション、ミンガスの「Pre-Bird (Mercury MG 20627)」セッションの後で、ケン・マッキンタイアーの「Looking Ahead (New Jazz NJLP 8247)」セッションの前です。 盤は、NEW JAZZオリジナルじゃなくて、紺ラベルです。盤はきれいだけれど、ジャケット全面に後からコーティングシールが貼られていて、なんか変。ここんとこ、探していたから、とりあえず押さえておきました。 タイトル通り、ブルースっぽい曲ばっかり。A2以外はネルソンのオリジナル。 明るい、元気の出るセッションです。ネルソンによる3菅のアレンジも粋でございます。ドルフィも、なんだかちょっと気楽に吹いている感じがします。リチャード・ウィリアムスって人も、音が明るくて良いですね~。リチャード・ワイアンスは上手いし、ジョージ・デュヴィヴィエは堅実だし、ロイ・ヘインズはやんちゃだし、なんだかレギュラーコンボみたいで良いです。 しかし、どんくさい印象を持っていたネルソンのサックスが、だんだん好きになってきてしまいましたね。最近、仕事帰りにふらっと立ち寄るジャズ・バーのマスターが、その人はあんまり前衛的なのは聴かない人なんですが、ドルフィーは聴かないけれど、ネルソンは聴く、というので、そこのマッキントッシュ+タンノイで、「straight ahead」を聴かしてもらったんですが、ネルソンの音の良さが結構心地よかったです。 さて、全曲言及は止めて、今日はB3だけ。曲名通り、alto saxophone バトルですね。最初はドルフィ。長尺のソロが聴けます。まだ、恐ろしい切れ味で緊張感高く圧倒的に繰り広げる、という感じではないですが、明るい、充実した演奏です。続いて出るネルソンの落ち着いたアルトが対照的でまた良い。tpはソロ、テーマ吹奏もなし。やっぱりピアノ・ソロが小粋な良い味出しています。 ようやく、こういうのが聴ける感じになってきました。しかし、子どもの頃は、このネルソンの和んだ感じの曲が、感覚的に合わなかったのですが、年を取ると聴けるようになるんですね~。 Screamin the Blues: Rudy Van Gelder Remasters
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by jazzamurai
| 2011-06-04 16:06
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Oliver Nelson (ts, as, cl) Eric Dolphy (as, bcl, fl) Richard Wyands (p) George Duvivier (b) Roy Haynes (d) A1.Images 2.Six And Four 3.Mama Lou B1.Ralph's New Blues 2.Straight Ahead 3.111-44 これも「輝かしいドルフィの61年」の一枚。拙者のは紺ベタのモノラルです。一週間前がオリヴァー・ネルソンの「 The Blues And The Abstract Truth」セッション、16日後がブッカー・リトル「Out Front」セッション。どちらも大名盤、その間に挟まれた若干目立たない盤だが、やっぱりこれは良い盤だろう。 ネルソンの作る曲って、なんか全部ちょっとファニー、で、ブルースフィーリング。リフが基本で、泥臭い感じがする。 A1、ゆったりとミステリアス。ネルソンのアルトはアーシー。ドルフィのバスクラも色っぽいけど、やっぱり上下を激しく行ったり来たり。よーそんなフレーズを思いつくな、と感心する。 A2、リフから作られたブルース。ネルソンのアルトはゆったりと黒い。ドルフィのアルトは、ブルースだろうがなんだろうが、やっぱりドルフィ。この突拍子の無い違和感が素晴らしい。 A3、最初はフルートでゆっくりと。途中からちょいとファンキーな、かつ入り組んだテーマを軽快に演奏。ネルソンのアルトも良いけど、やっぱりドルフィのぶっ飛んだアルトのソロが最高。 B1、簡単なリフがテーマ。ミディアムテンポの中をドルフィのバスクラが高速でかっ飛ばす。ネルソンのテナーは豪快にホンカーな雰囲気ですけど。まったくちがうよね、この二人のプレイは。 B2、この盤最大の聴き物のタイトルナンバー。込み入った高速フレーズのテーマをユニゾンで吹く二管を聴くだけでウキウキする。最初はネルソンのアルト。結構、軽やかでテナーとは違った印象。続いてドルフィの切れ味の鋭いこと。なおかつまー、短い時間内にぎゅうぎゅうに押し込んで、きりっと終わるところがまたカッコいいんよ。ピアノソロの後のフォーバースがめちゃカッコいい。短いドラムソロも。 B3、ミディアムテンポの曲で、ドルフィはバスクラ。これは比較的にリラックスして吹いてるかな。 ドルフィって、彼自身も常にホットですが、共演者に火を付ける天才なんだと思う。ドルフィのいる場所には必ず独特の良い感じの緊張感が漂い、演奏は熱くなっていく。その雰囲気自体がドルフィ参加盤全てに共通する良いことだと思う。 あと、この盤はピアノ、ベース、ドラムが良いです。ヘインズが良いのは何時ものことだけど、この全然知らない、リチャード・ワイアンズのピアノが良い。 ジャケのデザインが、オリジナルのくせに再発っぽい雰囲気を漂わせているのが、名盤と呼ばれない理由なんですかね。でも、かなり良いと思います。 Straight Ahead
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by jazzamurai
| 2010-05-31 21:58
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Ron Carter (b, cello) Eric Dolphy (as, bcl, fl) Mal Waldron (p) George Duvivier (b) Charlie Persip (d) A1.Rally 2.Bass Duet 3.Softly, As In A Morning Sunrise B1.Where? 2.Yes, Indeed 3.Saucer Eyes ドルフィの1961年は本当に輝かしい年だ。このセッションの二週間前がコルトレーンの「The Africa/Brass Sessions」、一週間後がマル・ウォルドロンの「The Quest Sessions」ですよ。その全てが一生傾聴する価値のある、素晴らしい音。そして、全く、1961年という年は、ドルフィだけでなく、ジャズが本当に面白かった時期なんだと思う。多くのジャズメンが、音楽を主体的に変えよう、変わっていく流れに乗っていこう、とする、ぎらぎらとした貪欲さ、発想の転換、真摯な努力、くそ真面目な取り組み、若く漲るパワー、そして、一方で笑っちゃいたくなる無鉄砲さに満ち溢れている。 しかし、このレコード。ジャケ写から既に笑えるし、ロン・カーターのセロがやっぱり調子っぱずれで時々笑える。しや、当人はいたって真面目だと思うんだけどね。 そのことは置いといても、やっぱりドルフィのプレイは良い。 バスクラとベースの弓弾き対決のA1。初っ端のロンさん、めちゃファニー。バスクラはよく録れている感じがして、聴き応えがあります。素晴らしいVan Gelder。ピアノもノリノリ。そりゃそうだよな。だって約1か月後には、Five Spotに出るんだもん。この二人は。 A2はドルフィ出番なし。ベースのソロ合戦だけど、結構、味わい深い。小粋な感じ。 A3はベースの弓引きで例のテーマが奏でられる。変。変です。Bメロをアルトで吹くドルフィが普通にキレイに聴こえる。続けてソロに入るドルフィ。とても良いソロです。これだけストレートにこの曲を吹けるなら、「Live at Village Vanguard」のA2でも吹かせてくれたらよかったのに、トレーン&ボブ・シールさま。ロンさんのソロはちょいと耳障りかな。ドラムとの四小節交換はアルトだけ。ここも切れ味鋭くやってます。 ランディ・ウェストン作のB1は良い曲。この曲のセロは良いですよ、ロンさん。ちょっとおフランスな感じもするくらい。ドルフィ出番なし。 のんびりとした良い曲のB2。指引きのセロのソロで、一定の音を執拗に繰り返すロンさん。変。変です。 ドルフィのフルートがカワイイ。 ふたたびランディ・ウェストン作のB3も良い曲。ちょいおしゃれ。ここでもドルフィのフルートが良いです。小洒落た感じでね。デュヴィヴィエ、パーシップのリズム隊って良いですね。特にデュヴィヴィエが良いです。めちゃ安定。音程不安定な誰かさんとはちょっと違う・・・・。 それにしてもPrestigeのVan Gelderさんは良い仕事してますね。つい最近までそんなこと意識したこともなかったけど、凄いなあ、と思います。 まあ、拙者は紫ラベ、青ラベ、オレンジラベで良いです。黄色+黒とか、手書きRVG、とかまでは望みません。 枚数も聴きたいしね・・・・。 ▲
by jazzamurai
| 2010-04-20 00:16
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Riverside RLP 375 Eric Dolphy (as, fl, b-cl) George Russell (p) Don Ellis (tp) Dave Baker (tb) Steve Swallow (b) Joe Hunt (dr) A1.Ezz-thetic 2.Nardis 3.Lydiot B1.Thoughts 2.Honesty 3.Round Midnight 先週の新宿ステイは長かった・・・・。かなり疲れたっす。 まあ、志を同じくする人々との共同作業だったので、仕事はしんどかったけど、面白かったし、勉強になった。ちょっとの間を見つけて酒も少し飲み、熱く語り・・・・。人生は面白いなあ、再確認した次第です。 他にもちょっとの間を見つけてウニオンに行ったりしてね。うしし。 あ、今回の盤はウニオンゲットではありません。前から、RiversideのStereo盤というの聴いてみたかったので、ヤフオクで黒ラベルを得ました。微少にビビってる感があり、プチプチもそこそこですが、やっぱ、良い音ですね。 菊池成孔の「東京大学のアルバート・アイラー」を読んでも、さっぱり、The Lydian Chromatic Conceptについては分からんかったけど、このレコードを残してくれたジョージ・ラッセルには感謝してもしきれない。 ついでに言うと、この15日後がコルトレーンの「Africa/Brass (Impulse A6)」の録音日。ドルフィ・ファンにとって、1961年という年は、お金を使わせる年だわ。 しかし、ドルフィが参加した盤の全てが必聴だと思うね。なんせ、聴ける期間が少ないんだから。 でも、その短い期間に残した演奏の全てが、圧倒的な存在感。超高速、切れの鋭いタンギング、迸るパワー、管の鳴りの輝かしさ、意表をついたメロ。やっぱり凄いわ、ドルフィは。 「A1」の三番目に登場、独壇場と言える高速ソロ。まーホンマ、ようこんだけ吹くわな。 「A2」は、ドン・エリスのソロが良いです。輝かしい音。 「A3」はのアルト・ソロもかっ飛ばすねえ~。短い時間の中にこれでもか、と言わんばかりに音を詰め込む。「B1」は変な曲。バスクラソロも快調。 「B2」のドルフィもかっ飛ばす。ドン・エリスのユーモラスなソロも良い。唸り声つきのスティーヴ・スワローのソロもカッコ良い。 ということで、やっぱ最大の聞きものは「B3」でしょう。マイルス+コルトレーンの名演の霧に煙る、湿った、落ち着いた雰囲気のドルフィ版を期待すると、全く裏切られる。拙者も昔、初めて聴いた時は、あまりにも露悪的、ファニーすぎると思ったけれど、今聴くと、そうかもしれないけれど、言いたいことが一杯ありすぎて押さえられない、というような、ドルフィの圧倒的な口数の多さ、その若い情熱の迸りに心打たれてしまう。わざと湿っぽくさせず、アルトらしい明るい音でテーマを吹き上げて、夜中の喧騒の残る路を突っ走る感じが出てる。凄く言いたいことを一杯抱えてね。ラストのちょっとした混乱も良い感じ。昔は嫌だったんだけどね。 やっぱり一度、モンクと一緒にやって欲しかったなあ。きっと、相性ばっちりだったと思うんだけど。 これは、一家の一枚の名盤だな、やっぱり。 George Russell - Ezz-Thetics Ezz-Thetics ▲
by jazzamurai
| 2010-04-16 00:47
| 無節操 ジャズ三昧
ここ数年でレコードをよく聴くようになりました。
特に、US盤を買うようになりました。拙者、若い頃は日本語解説や日本語訳詩が読みたいので、日本盤を買っていたのですが、最近はもっぱら、US盤のオリジナルかそれに近い盤が欲しいです。 そのように考え方が変わったのは、やはり、Miles Davisの「Relaxin'」や、Dolphyの「in Europe vol.2」の擬似ステ青ラベル盤を聴いて、「こんなに迫力のある音がするとは!!」という衝撃を受けたからなのです。 というか、この歳になるまでRVGとかVAN GELDERなんて手書き刻印がどうたら、機械刻印がなんたら、なんて、全然意識したこと無かったですもん。 これを意識しだした途端、中途半端な日本盤しか持ってなかった己のレコード棚が恥ずかしくなったのですが、今は落ち着いています。 US盤中古には、プレス時のエクボやホコリ、紙スリーヴによるスレ等、それはそれで気になる問題点がままあります。外国の方にとっては、無塵環境の中でミス無くプレスされる日本盤が大好き、という方もいらっしゃるようで、確かに、傷さえ付けなければ、ノイズ無く、比較的落ち着いた音のする日本盤はそれはそれで良い物だと思えるようになり・・・・、段々バランスがついてきました。 それに、ブルーノートなんかRVG刻印を買おうと思うと、ホンマ高いんですよ。オリジナルなんて高嶺の花、Liberty盤、UN盤でも結構します(刻印がなけりゃ、3,000円が限界高値かな)。一方、日本盤でも音質が良いと言われているKing盤は2,500円位からが相場です。そのため、ちょっと聴いてみたいナア、位の盤はどうしても評価の宜しくない東芝盤になります。あれって、どういうのかな、ちょっと高音に偏っていて、音がかさついている感じがするんですけどね。皆様、どう思われますか? さて、こんな拙者ですが、6~7月は数枚、清水の舞台から飛び降りた感じの買い物をしました。 それが我等がドルフィの「ラスト・デイト」です。US・Limelight盤のStereoとMonoを両方買いました。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() もちろん、直には入れませんが、雰囲気出てると思われません?こんなんは自己満足が大事ですよね。 ![]() 以下、US・Limelight盤の内ジャケットです。変形のブックレットになっています。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 実はユニバーサルの「24bitマスタリング~ルビジウム・クロック・カッティングによるハイ・クオリティ・サウンド」紙ジャケCDを持っているのですが、それと比較してどうかと言われると、CDはノイズも無いし(当たり前か・・・・)、音もきれいなんです。 一方、LPはやっぱり音が太いんですよね、アナログのStereo盤もmono盤も。このググッとくる臨場感は凄いものがあります。特にStereo盤は。 じゃあ、以前から持っていた70年代の日本盤はどうだったか、と言われると、これらを聞いた後では、霧の中、遠くで鳴っている感じだった、それがまた、哀愁というか、悲しい感じがした、と思います。本当に、悲惨な最後の録音だなあ、恵まれていなかったんだなあ、という雰囲気がします。確かにギャラも全然でなかったらしいですし、悲惨は悲惨ですが、でも演奏内容は絶対にそうじゃない。 この演奏は、メンゲルベルク、ベニンクという新しいメンバーと一緒にヨーロッパでやっていこうという、可能性に溢れた、キラキラした演奏だと思います。 それで、どっちが本当のドルフィに近いのだろうか、と聴かれると、アナログ盤については、拙者が以前持っていた日本盤は、長年連れ添ったとはいえ、もう聴けません・・・・。 こういうのに出会うと、ちゃんとしたUS盤はやっぱり凄いなあ、と思わざるを得ません。 上記CDは、結構リアルで良い音していると思うんですけど、ね。 さて、以下はおまけです。 ![]() ![]() US中古盤購入については、色々と言いたい事があるのですが、今日は此処までにします。 ウンチクは言えないですね・・・・。まあ、色々失敗談がありますので、次回以降にお話します。
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by jazzamurai
| 2009-08-07 01:31
| 無節操 ジャズ三昧
![]() "Studenterforeningen", Copenhagen, Denmark, September 8, 1961→A2,B1,2 Eric Dolphy (as, fl) Bent Axen (p) Erik Moseholm (b) Jorn Elniff (d) A1.Don't Blame Me 2.The Way You Look Tonight B1.Les (Miss Ann) 2.Laura ドルフィ33歳、二度目のヨーロッパ学旅での録音。 拙者、この時の録音を軽視していました。しかし、リズム隊は当時のデンマークを代表する奏者達だったんですね。特に8日の演奏を捉えたA2、B1、B2が良いです。行ってますね。完全に飛びまくってます。手が付けられないという感じのイマジネーションの放出です。素晴らしいです。ワンホーンで即興しまくっていて、かつ音が良いときたら、何も言うことはありません。これを今まで真剣に聴いてこなかった拙者は、人生において損をしていたと言って過言ではありません。 A1はフルート。よく歌ってますねえ~。管も良く鳴ってる雰囲気がばっちり録音されていてグ~。途中でスティックが落ちたような音がするのもご愛嬌。ピアノ・ソロも、ベース・ソロも良いし、無名のミュージシャン位にしか思っていなかった己の軽率さを呪っております。 A2は拙者の好きな曲。凄いスピード。粒立ちのはっきりしたデカイ音でかっ飛ばすドルフィとよく着いていくトリオ。煽るドラムの爽快さ。ピアノが抜けて破綻すれすれのスリルを見せてくれた後は、ドルフィのソロの最後でドラムがしゃきっと止まって、ピアノ・ソロの冒頭からベースとデュオに。格好いい。最後はフォー・バースだけど、ドラムがぶっ飛んでいてここも破綻すれすれ。メチャ良い。カデンツァのソロも素晴らしい。客も嬉しそう。 B1はクレジット誤り。快調ですね。これも素晴らしい。 B2はサックスのソロから入って、バラードです。スローテンポだからこそ、ソロの速さを自在に変えられる。しっとりと行く訳ない。思い切り管を鳴らしてます。素晴らしい想像力。カデンツァの長いソロも聞き応え十分。幸せなくらいドルフィのアルトが聴けます。ああ、良い盤だ。 さて、拙者が聴いている盤は、最近入手した青ラベルです。800円でした。何故、こんなに安かったのか? それは、ど派手な塩ビ焼けを起こしているからです。塩ビ焼けとは、「高温多湿状態で長時間、軟質ビニールの内袋に入れたまま放置すると、その軟質ビニールに添加されている添加剤(主に可塑剤)がマイグレーションと言う現象を起こしレコードに付着し固まった状態。またはレコード自体に含まれた可塑剤が浮き出て(フォギングという状態)を起こし、白く(褐色)変色した状態。その部分を再生するとノイズが出る」というものです(中古レコードを買いたい人の「レコード用語辞典」)。 最初から「塩ビ焼け」ですというアナウンスがあって、それでも一度勉強のつもりで買ったのです。最初取り出して見た時は正直びっくりしました。絞り染めのような模様が両面に広がって、一瞬、溝があるのかどうかさえ分かりませんでした。 ですが、800円なのだからと気を直してかけてみたところ、ノイズは多いものの傷はなく、結構聴けたんです。そして、またびっくりしました。音のデカさにです。拙者のRotel RA-1070は100Wです。深夜はヴォリュームを1目盛、8時までを限界にしていますが、このレコードは半目盛、7時半が限界です。それ以上上げたら、近所から馬がいなないている、と苦情を受けることでしょう。こんなに音のデカい盤に会ったのは初めてです。 それに、確かに始終シャラシャラシャラシャラと背後にノイズがあるのですが、音楽の存在感は何かとても凄いんですよね。特にB1冒頭の床を踏んでとったカウントの靴音の臨場感にびっくりしました。ドルフィのサックスは飛んでくるし・・・・。何か、みんなが必死に状態の良いオリジナルを探す理由が分かる気がします。あまり疑似ステ盤の評価は良くありませんが、ジャケの状態も良いし、拙者にとっては買いでした。
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by jazzamurai
| 2008-12-30 03:13
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Andrew Hill (piano) Kenny Dorham (trumpet) Eric Dolphy (saxophone, bass clarinet, flute) Joe Henderson (saxophone) Richard Davis (bass) Tony Williams (drums) 1.Refuge (12:12) 2.New Monastery (7:00) 3.Spectrum (9:42) 4.Flight 19 (4:10) 5.Dedication (6:40) 6.New Monastery (alternate take) (6:08) 7.Flight 19 (alternate take) (3:45) 8.Dedication (alternate take) (6:59) 「出発点」と題されたこのアルバムは、エリック・ドルフィの傑作「アウト・トゥ・ランチ」の録音1か月後、エリックの死の3か月前に録音されたものだ。エリック、リチャード、トニーはメンバーが重なっている。 一聴して、複雑な曲と、ヴァン・ゲルターに録音されたトニーのドラムの独特の音が耳に飛び込んでくる。曲はすべてアンドリューのオリジナルで、非常に個性的だ。アンサンブルが込み合っていて、幻想的だ。 一方、演奏自体は、姉妹盤と言える「アウト・トゥ・ランチ」と比べて、硬い印象を持つ。ちょっと構造が勝ちすぎて、自由が無いように感じるし、トニーに奔放さが足りないと思える。その分、リチャードががっちりと支えて、ピートを前に出すので、弱さは感じない。 それは置いといても、アンドリュー以外の演奏には心奪われる。アンドリューの演奏は何か捕らえ所が無く、何が歌いたいのか分からない。 最も拙者を感動させるのはエリックだ。「1」において、テーマ、ピアノの後に飛び出す超高速で、アブストラクトな、ゴツゴツしたアルトのソロはどうだ。凄い密度ですっ飛んでいく、このアルトと対抗できるのは、絶頂時のアンソニー・ブラクストンだけだろう。 続くケニーの輝かしいプレイ、良く歌い、ビートを逃さないリチャードのソロ(エリックのアンサンブル部分のフライングがあって聴く度に笑える)を経て、最後に思慮がちに始まるジョーのソロも素晴らしい。ジョーにつられて、徐々にトニーが熱くなる所がスリリング。最後にドラムソロがあるが、リチャードがビートを出しているので、途切れた印象がなくテーマに戻る。 「2」はスローテンポ。初っぱなのケニーのソロは何か消化不良。その後に出る、エリックの高速ソロが素晴らしい。ピアノの後のジョーのソロが短いけれどまた良い。 「3」は複雑な構造を持った曲。中に不思議な5/4拍子の変な部分があって、ピアノ・ソロの後に出てくるのだけれど、流して聴いていると、別の曲のよう。エリックのバスクラのソロが格好いいが、その時に淡々とバッキングするケニーが素敵。その後のジョーのソロでまた締まる。ベース・ソロが終わった所で元のテンポに戻り、エリックのアルトが飛び出す。その時の感動。何故、こんなにも圧倒的なのか。 「4」はテーマに基づいた集団即興演奏のよう。速い4小節、遅い2小節、速い8小節、遅い2小節で、ソロをとるアンドリューの回りにホーン陣が、主に遅い小節部分で絡んでいく、真ん中リチャードが中心になる部分と、最後はケニーの明るいソロの回りを皆が飛ぶ。短いが、これは面白い曲。 「5」は暗い曲。ケニーが落ち着いてテーマを歌う。最初に出るのはエリックのバスクラ。短いが、言いたいことは全て言い切ったような充実したソロだ。続くアンドリューのソロは、珍しくリリカルだが、どうしてもフレーズの最後の部分がうやむやな気がする。続くジョーの懐の深いソロで救われる。そして、エンディング・テーマを朗々と吹くケニーに感動する。 頻繁に聴く盤ではないが、拙者がアンドリューの演奏に抱く難点があっても、傑作であることは間違いない。それに、最晩年のエリックの圧倒的なプレイを良い音で収めており、拙者の様なエリックのファンには必携である。 追記:別テイク入りの紙ジャケを購入。「6」は、ケニー、エリック、ジョーのアドリブが本テイクより素晴らしい。何故こっちを、と思ったがエンディングが乱れている。テオ・マセロのように切って貼ったら良かったのに、という意見は邪道か。「7」はアンドリューがすべらか過ぎるし、エリックのプレイが不気味すぎ。コレクティブ・インプロヴィゼーションの妙味に欠けるかな。「8」はエリックのバスクラが炸裂。素晴らしい。アンドリューのソロが尻切れトンボ、ジョーの入りが素っ頓狂、だが、やっぱり堂々とした良い演奏する。テーマの前奏、後奏に淡々とした雰囲気が欠けるのかな? ▲
by jazzamurai
| 2008-04-29 02:18
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