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![]() A.Rhapsody in Blue (16:19) B.An American in Paris (18:13) 中古レコード屋で200円だったので買っちゃった。傷だらけだけど、溝は磨り減っていない不思議な盤……。バーンスタインはノリノリで、ピアノ弾きながらの指揮です。 拙者、はっきり言って、アメリカにはクラシックはないものだと思っておりました。ジャズとシンフォニーの融合、シンフォニック・ジャズ? なんじゃそりゃ。そんなもん聴きたいとは全く思っておりませなんだ。 今回、200円であろうと拙者が購入した理由は、最近、またもや拙者の一家に再ブーム到来のドラマ「のだめカンタービレ」のエンディング・テーマだからと、Luigishio師匠に薦められたため。 深夜、師匠と二人、また酒を飲みながら聴きました。こういうレコードのノイズは、またこれも味なもの。まあ、200円ですから、状態に期待する方がおかしいというもの。 でも、これは名演ですね。バーンスタインのピアノが良い。弦がきれいに録れてる。オーケストラの規模も大き過ぎず、小さ過ぎず。超然ともせず、媚もせず。この時代の「アメリカの音楽」(それは白人の視点に偏っているとはしても)として、この曲が持つ意味を十分捉え、表現している。 そして、3分の2過ぎに出てくる、例の、あの美しいテーマが現れた時、Luigishio師匠が「ああ、アメリカの夜や。スケートリンクから見たアメリカの夜や」と言わはりました。その時、拙者の脳裏には、新婚旅行で行ったニューヨークのロックフェラー・センターのあのスケート・リンク横で見上げた夜の空、高層ビルが突き刺さる夜の空がバァーっと思い起こされました。そして拙者は、ちょっとメランコリックな気分に包まれました。 あれから何年経ったのでしょうか。そして、小さな子どもだったLuigishio師匠が恐らく見上げた空からは何年経ったのでしょうか。その間、何が変わり、何が変わらないのでしょうか。……そんなことを色々考えながら聴いて、師匠と他愛もなく喋っていると、とても暖かい気持ちで酔いが回りました。 Luigishio師匠には感謝です。 B面の「パリのアメリカ人」は、パリ旅行でドビュッシーとストラヴィンスキーから管弦楽法を学ぼうとして面会を拒絶されたガーシュインが、カフェに佇み、街の雑踏とホーム・シックからくるノスタルジーを曲にしたものだそうです。確かにそんな感じのする、良い曲です。 CDで買おうと思った場合、どの盤に該当するのか、全く分かりませんが、この演奏はベストです。師匠がそう評され、拙者もそう思いましたので、間違いはないでしょう。 ▲
by jazzamurai
| 2007-10-23 01:28
| 無定見 クラシック三昧
![]() Grachan Moncur III(tb) Lee Morgan (tp) Jackie McLean (as) Bobby Hutcherson (vib) Bob Cranshaw (b) Tony Williams (ds) A1.Air Raid 2.Evolution B1.The Coaster 2.Monk In Wonderland いわゆるブルーノート「新主流派」の名盤。トニー目当てで買った。この時、トニーは後1月で19歳。一方、リーダーのグレしゃんは26歳、ジャッキーは32歳、モーガンは25歳、ハッチャん22歳、ボブは31歳と、メンバーはみんな若い。 殆ど同メンバーで同年4月に録音したジャッキー・マクリーンの「ワン・ステップ・ビヨンド」の方が有名だけれど、拙者はこっちの方が好きかな。 全部グレしゃんのオリジナルで面白い曲。A面2曲は暗く、内向的な演奏。B面は明るくて、活動的な感じ。B2をモンクにちなんでいるように、即興の素材として、もっとスタンダードとして演奏されて良いと思う。 アップテンポの曲での、剃刀のようなトニーのプッシュが凄い。中途半端なバップ系ミュージシャンは、このドラムを嫌がっただろうなあ。よく聴いてみると、この人、ハイハットでオフビートを出さないんですね。左足が完全に解放されている。ハットを使ったカウンターが、まあ恐らくそれまで誰もやったことがないだろう、恐ろしい切り込み方ですね。 ホーン陣は、モーガンが快調。解説に自分のベストプレイと語ったという記述があるが、タンギングの切れ味が素晴らしい。ジャッキーはちょっとオーネット病から抜けていない感じで、惚けた音がしている。マル・ウォルドロンの「レフト・アローン」で聴かれるアーシーな音色を期待するとずっこける。グレしゃんはB面のプレイが快活で良い。トロンボーンでありながら、これまたくっきりはっきりメロディを刻む。A面はシリアスになり過ぎている? やっぱりブルーノートのトニー関連盤は、ドルフィーの「アウト・トゥ・ランチ」を筆頭に、刺激的で良いなあ。原盤で集めると家が破産するから、ちょこちょこ日本盤で集めよう。 ▲
by jazzamurai
| 2007-10-21 12:12
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Joe Zawinul — key,synthesizer Wayne Shorter — ss,ts Jaco Pastorius — eb,dr,steel dr Alex Acuna — dr,per Manolo Badrena — per 1.Birdland (Zawinul) — 5:57 2.A Remark You Made (Zawinul) — 6:51 3.Teen Town (Pastorius) — 2:51 4.Harlequin (Shorter) — 3:59 5.Rumba Mamá (Badrena) — 2:11 6.Palladíum (Shorter) — 4:46 7.The Juggler (Zawinul) — 5:03 8.Havona (Pastorius) — 6:01 (9月11日没のザヴィヌル追悼、というわけではありません。)フュージョン大嫌いと言いながら、何枚か持っているうちの1枚。ザヴィヌルの奥さんによるジャケが秀逸。 発売時点でザヴィヌル45歳、ショーター44歳、ジャコ26歳。えらく年の差のあるオリジナルメンバーを押さえて、ジャコがもの凄く目立っている。 勿論、この盤の一番の売りは1曲目。その冒頭のパッポパポパッポ~とフレーズを弾いているのが、よもやエレキ・ベースだとは最近まで気付いてなかった。ギター弾きがいないんだから、そりゃそーだろうなあ。 旧A面4曲はどれも良い曲で、2曲目「お前のしるし」もザヴィヌルの名曲。ショーターの良いソロがあるのだが、拙者にはテーマを弾くジャコが印象的。アコースティックな曲なのに、ザヴィヌルのオーバーハイムによるソロが良い。 3曲目では、テーマ、ソロでベースが炸裂。ジャコはおまけにドラムまで叩いている。 4曲目はピアノのリフが印象的。 8曲目がジャコの曲とは意外。シンセで入りながら、実はアコースティックで、3人のソロ回しがある。各人のソロの最後は、ピアノとベースのユニゾン?で格好良くキメをやってくれる。 この後加入するピーター・アースキンと比べてドラムが雑なのが気になるが、荒っぽいグルーブを出すのに一役買っているのかな? けれど、サウンドに常にうねりを与えているのは、ジャコの歌うベースであり、ザヴィヌルとショーターを刺激し、全体を活き活きとさせる。ベーシストとして裏でサウンドを支えるだけでなく、表でフレーズを歌わせるジャコは素晴らしい。 一方で、かっちりとしたサウンドを構築したそうなザヴィヌルとの対比がもの凄い。この後、どんどんザヴィヌルの巻き返しがあって、機械的サウンドになっていった様だ。82年の同名アルバムなんか、ただのシンセミュージックで、拙者はヘドが出る。ジャコはそれを最後に脱退する。 やっぱりこのアルバムが良いのは、3人の良い所が一番良い形で“フュージョン”されているからだろうなあ。こんな奇跡はなかなか無い。 ちなみに拙者2007年版の最新DSDマスタリングとか言うので買いましたが、正直、音は良くないですので、その点はあまり期待しない方が良いでしょう。 Heavy Weather ▲
by jazzamurai
| 2007-10-19 04:56
| 無節操 ジャズ三昧
![]() 田村夏樹 (tp) 登敬三 (ts) 藤井郷子 (p) 船戸博史 (b) 光田臣 (ds) (この写真、ヘタだな。少し右に移れば全員写るのに・・・・。) 10月11日、沖至さんがパリから来日ツアー中で、日本でのレギュラー・ユニットが拾得でライブをするので、夕方行ってきました。 このユニットは世界の港にオーケストラを持つ女、藤井郷子氏や、拙者の大好きな登敬三さんが属していて、とても良いです。一昨年の12月にも観ています。 前半4曲、後半4曲、アンコール1曲の演奏でした。 沖氏はテーマの演奏は主に田村氏、登さんにまかせて、副旋律を吹き、アドリブも控えめ。生で聴いてもやっぱり音は丸っこかったです。田村氏はカーンと鳴ってますねえ。 藤井氏の切れっぷりが凄かった。フリーの曲でも、前半最後のタンゴでも、ソロでは炸裂。ゴンゴンと重い不協和音をぶち込んで、めちゃめちゃカッコイイ。アレックス・シュリッペンバッハみたい。 登さんはホンマに良い。これだけ吹ける人が京都にいて、精力的に活動しているというのはありがたいことです。後半最後の曲の最後に吹いた、長いソロの圧倒的な説得力には感動しました。音もデカイしねえ。 船戸さんは音が太くて明るく良く歌うベース。意表を付いたバッキングの妙はさすが。オリジナルの「カモン・マンデー」という曲を後半2曲目にやったけど、暗くて面白い曲でした。 光田さんは以前聴いた時より明らかに上手くなってると思いました(失敬)。ソロなんかエルヴィン・ジョーンズかと思いました。こんなドラマーにプッシュされたら燃えるでしょうねえ。 最後アンコールで、セロニアス・モンクの名曲「ルビー・マイ・ディア」を、沖さんがワン・ホーンで吹きました。フリューゲル・ホーンの柔らかい音で、優しい、素晴らしいソロを聴かせてくれて、拙者、非常に感動しました。丁度沖さんの斜め前に座っていたのですが、ラッパがマイクの方向を直接向かずに、拙者の方を向いていたので、身を乗り出して優しい音を直接聴くことができて、幸運でした。 お客さんが少ないのが勿体なかったです。 沖氏には、CDにサインをしてもらいました。気さくな方で、ちょっとだけ喋らしてもらいました。 何時までも元気で、刺激的かつメロディアスな演奏を続けて欲しいと思います。 沖至 UNIT のCDはこちらで購入を! ▲
by jazzamurai
| 2007-10-12 04:33
| 無節操 ジャズ三昧
![]() 椎名林檎 (vo) 伊澤一葉 (key) 浮雲 (g) 亀田誠治 (b) 刃田綴色 (dr) 1.ランプ 2.ミラーボール 3.金魚の箱 4.私生活 5.OSCA 6.黒猫道 7.復讐 8.某都民 9.SSAW 10.月極姫 11.酒と下戸 12.キラーチューン 13.メトロ とても音の良いCD。音圧が高い。曲は短くシームレスで一気呵成(そういうのは好き)。ライブでの再生を意識したアレンジで、余計なオーバーダビングは無い。それは、メンバーの、現在に対する自信の現れか、決意か。 椎名林檎+個性派ミュージシャンで無く、「バンド」としての運営が本物になった初めての作品なのだろう。しかし過渡的な感じがする。 気にくわないのは、相変わらず、椎名林檎の声が小さく、細く録られていること。ヘッドホンで聴くことしか前提にしてないのだろうか? 1は地味。2は何処かで聴いたことあるメロディ。3はサビがキャッチー。4は良い曲。椎名歌詞、。亀田氏の曲だが、曲は椎名っぽい。例えば2ndの「月に負け犬」とか、「依存症」の様な。5は感心しない。6は洒落。7はグランジの良曲。8は意識したバンド紹介。サビを歌う男の声が良いが、曲は駄曲。9は楽屋落ち。10は古きブリティッシュ風、終わりはドアーズだけど。11は泥臭い曲。意味深な歌詞。12はメロウな曲。スウィート・ソウルの様なギター・カッティング。左右にパンするエレピ。 手練れなのは分かる。プログレな感じも好き。ちょっとアダルトな層に訴えかける音使いでもあるし、ビートルズ、プログレ、パンク、グランジも聴いてきた耳の肥えた人に訴えかける内容かもしれない。 ・・・・でも、内輪受けじゃない?これ。 拙者はやっぱり椎名の声が思い切り聴きたい。触れれば、ざらざらに切られて、失血死しそうな、そんな、椎名の声にスピーカーの間から飛びかかられたいのだ。それが無い。そう思っているヘンコなファンは多いに違いないだろう。 それでも常に変化することを志向する椎名はやっぱりそうとう凄いと思う。そのことを尊敬し、拙者は椎名を肯定する。 事務所社長として、gの浮雲、keyの一葉を強くプロモートした様な盤にも思える。 しかし、表現者としての椎名は圧倒的で両者の作品とは雲泥の差がある。彼らの作は、椎名の才能の一部を借りるだけで足りたようになってないか。超えて対峙し、共闘するまで行ってないように、思えるのだが。 かなり教育的な感じがするので、過渡的な作品と思った。 娯楽(バラエティ) ▲
by jazzamurai
| 2007-10-09 02:08
| 無抵抗 女性歌手三昧
![]() 富樫雅彦 (ds) Steve Lacy (ss) Don Cherry (pkt-tp,p,vo) Dave Holland (b) ![]() 1.The Crast(SS)11:07 2.Contrast(TM)11:35 3.I Speak To The Star Last Night(TM) 11:44 4.Flakes(SS)12:40 5.Luna Turk 5:06 Disk2 1.BURA-BURA(TM)12:16 2.Wickets(SS)12:16 3.Mopti(DC)5:32 4.Quakes(SS)11:15 5.Spiritual Nature(TM)17:57 拙者、午後のうちに寝ると必ず深夜2時頃起きてしまって、いけない。 ドン・チェリー、富樫雅彦について考えていると、無性に聴きたくなって、聴きだしてしまった。 富樫雅彦音楽生活30周年記念コンサートの完全収録盤で、ドン・チェリー、スティーヴ・レイシー、デイヴ・ホランド、拙者の大好きな演奏者の共演盤。 ホランドは、チャーリー・ヘイデンの代役だったらしいが、しっかりとビートを刻む所が多く、これが良かった様だ。この時の経験が、後のJ・J・Spirits結成につながる。録音はgood。 曲は富樫とレイシーのオリジナルが中心。演奏は良い意味、リラックス。 名曲1-1から始まるが、ここで既に4ビートをやったことが後々の流れを導いた様に感じる。野太いベースに乗っかって、富樫が気持ちよくスウィングする。やっぱりこのシンパル捌きは良い。 1-2は富樫のスタンダード。富樫の曲をレイシーが吹くと、しっくり聴ける。リズムはfreeだが、曲調が明るいので、開放感がある。レイシーの番の時の、富樫、ホランド三人の絡みが凄い。 1-3は東洋的な雰囲気のある静かな変な曲。レイシーに絡むアルコのホランドが良い。 1-4はレイシーのスタンダードで名曲。テーマに付随するベースのリズムが基調になる。雰囲気を崩さずに、かつ伸びやかに演奏するホランドが良い。富樫は細かく刻む。 2-1は富樫らしい、可愛い簡単な曲。富樫の右手はテンポに乗ってシンバルを刻み、左手はレイシーのフレーズを追う。レイシーは富樫の曲を自らのものにして、その世界を広げる。後を受けたドンは少しやりにくそう。 2-2もレイシーのスタンダードで名曲。しかしながら、途中からブルースになってしまう。そんな中でもレイシーのソロはカッコ良い。ドンはアドリブで歌い出す。富樫が珍しくタメたリズムを叩く。 2-3はドンの曲で彼はピアノを弾く。印象的なキメを持つ名曲。 2-4は、この盤の中で最もシリアスなフリー。こういう曲の時、レイシーの鋭さはやはり凄い。 2-5は富樫の名曲。レイシー、チェリー、ホランドとソロを回して、最後に長い富樫のソロがあるが、そのソロがとても良い。沈黙と対話する感じ。説得力が凄い。 どれくらいリハをやったのか分からないけれど、我の張り合い、というのではなく、お互いを立てた感じがする。厳しさをレイシーが、開放感をドンが、躍動感をホランドが醸し、そして、富樫のリズムが歌っている。あえていうならレイシーがまとめている感じがするが、4者対等で演奏しており、伸びやかにやっている。 見ていた人のレポートでは、レイシーとドンが合っていなかった、という声もあるし、ドン・チェリーはあまり吹けていない様にも思えるけれど、富樫の盤に時々ある、Freeなのに肩のこらない、暖かい感じの好演で、拙者は好きです。 ブラ・ブラ(完全復刻盤)
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by jazzamurai
| 2007-10-03 04:09
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Don Cherry (tp) Carlos Ward (as) Frank Lowe (ts) Dewey Redman (ts) Carla Bley (p) Charlie Haden (b) Ed Blackwell (ds) Paul Motian (Per) Moki Cherry (Sitar) Selene Fung (ching) Leroy Jenkins (violin) and others A1.Tantra 2.Mali Doussn' Gouni 3.Desireless B1.The Queen Of Tung-Ting Lake 2.Trans-Love Airways 3.Infinite Gentleness 4.March Of Hobbits JCOA企画の3つめ、らしい。ドン・チェリー36歳の作品。「RELATIVITY SUITE」とは、アインシュタインにちなんでか、「相対性組曲」と訳されているが、「関連性」とか、「相互依存性」とか、様々な文化のゴッチャマゼを意味しているのかもしれない(これは、ネットの受け売り・・・・)。 A面は1曲目、表題通りの真言から始まって、チリリンと鈴の音が鳴らされる。暫くすると、ピアノとベースのユニゾンにより美しいリフが繰り返されるが、その上をフランク・ロウのフリーブローがのたうち回る。2曲目もシームレスでピアノとベースの別のリフが奏でられ、ドンが訳の分からないアジテーションの様な叫びの様な声を上げ、ホーン陣は地声で相槌を入れる。そして、またフランク・ロウのフリーブローが現れ、どんどん混乱していく。 それが終わったかと思うと、3曲目、シームレスにハープの様にピアノが鳴らされ、その美しい世界をカーロス・ワードの良く鳴っているアルトサックスが、ドン作曲のメチャメチャ美しい印象的なテーマを1度だけ吹き、終わっていく。 B面は1曲目、中国(?)のchingという楽器が長く奏でられ、ドンのペットで一度主旋律が奏でられて終わり。 2曲目、シタールとチェロの伴奏を得たドンがインドっぽいテーマを歌った後、チャーリー・ヘイデンのベースソロが明るく歌う。テーマに戻って終わるが、チャーリーの躍動感あるベースは鳴っている。 3曲目、何故か、カーラの沈鬱なピアノと、リロイ・ジェンキンス率いる弦楽器隊が対決。何のこっちゃ、さっぱり掴めません。 4曲目、奇妙なマーチに乗ってみんな合奏。エド・ブラックウェルのドラムソロが上手い。 はっきり言って、とりとめのない、おもちゃ箱をひっくり返した様な作品だが、A面のオリエンタルな雰囲気は聴かせるし、それまでの展開と全く関係が無いのですが、1分と短いA3はバラードの名曲で、拙者は聴く度に涙出そうです。曲が良すぎて、アドリブができなかったのだろうか・・・・。 5日間をかけたワークショップの集大成の録音にしては、短すぎて意図が伝わりにくくなったのだろうか。それとも、別の日に録音したのが悪かったのか。まとめようとして、全然まとまっていない所が、まーFree Jazzの良い所というか悪い所というか・・・・。 でも、片意地張らず、自由です。こういう曲は、ドン・チェリーにしか演奏できなかっただろう。 ドンの演奏した組曲風のジャズ・オケとしては「永遠のリズム」の方が良くできているかな・・・・。
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by jazzamurai
| 2007-10-02 00:05
| 無節操 ジャズ三昧
![]() January 6th 2006 - Peniiche Balle au Bond-Paris(6.) 仲野麻紀 (alto and soprano sax) 後藤理子 (piano) Rene Wolf (contrabass on track 4,5) 1.Ypérité (5'07) 2.Gary's Waltz (4'19) 3.Changement Inopiné (3'15) 4.Lumi (5'32) 5.Halo De Manteau (5'48) 6.Crubird (6'31) 7.War Orphans (6'02) 8.Inférence (2'54) ロシニョールとは小夜鳴鳥のことで、「夜に鳴く、そして2度と同じ鳴き方をしない鳥」とある。同じ演奏はしない、という意味か? 二人ともはパリ在住。仲野は林栄一に師事後、2002年からパリのコンセルパトワールで学んだとのこと。後藤は1997年からヘルシンキのコンセルパトワールで学んでいる。 まず、2曲を除いてオリジナルという点を評価したい。残り2曲は、ビル・エヴァンスが「You Must~」で取り上げていた「2」とオーネット・コールマン作の「7」。 仲野麻紀のサックスは、(現時点での印象として)ジョン・チカイを思い出す。パッと開放的に管が鳴った音じゃなく、落ち着いた湿りのある、内証的な音と演奏。 後藤理子のピアノは音数が少ない。が、自作の「4」の切れっぷりが良い。 14ページにわたる、とってもきれいなカラーのジャケット・スリーブに、解説として、沖至×佐藤真の対談が載っている。拙者としては「ああ、そうかな」と思ったので、紹介したい。つまり男と女の法悦の違いにありと。 沖「彼女たちの演奏は、しなやかで自然な音の満ち干に身を任せているような感じがあって、そこが聴いていて気持ちいい」 佐藤「男たちの音楽が、遠心力にまかせて外に向かう渦だとすると、女の音楽は絶えず内へ向かっていく渦。その渦の中で冷たい炎が燃えている」(佐藤さん、ホンマに上手く言うなあ) 派手に盛り上げたりする箇所は無く、今誰がソロでとか、あまり分からない。決して途切れない緊張感の中で、表裏は柔軟に入れ替わる。内証的に、淡々と進められるけれど、取っ付きにくい所はない。やっぱりパリな開放感があって、仕事帰りの一杯の時に聴いても、疲れは癒されるだろう。ヘタをすると、日本のお洒落カフェでかけられても違和感は無い。 でも、きっと引っかかる奴には引っかかるだろう。 良い盤だと思います。 おおらいレコード 仲野麻紀&後藤理子 / ロシニョール ▲
by jazzamurai
| 2007-10-01 04:13
| 無節操 ジャズ三昧
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