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September 6 & 27 and October 10, 1957
Recorded at RVG Studio, New Jersey ![]() Steve Lacy (soprano saxophone) Lee Konitz (alto saxophone) Paul Chambers (bass) & Others 1. Remember 2. Ella Speed 3. Big Stuff 4. Nobody's Heart 5. Just One Of Those Things 6. If You Could See Me Now 7. Jambangle 拙者がこのCDを聞く理由は、若きSteve Lacyが吹いているからに他なりません。 ソフトなアレンジのホーン・オケの上を瑞々しくアドリブする23歳のLacy。 素晴らしい。この盤はLacyのためにあると言って過言ではありません。 別に日和って演奏している訳でないのに、和みます。 ソロがあるのは1、3、5、7曲目。 1ではGil Evansのちょっと可愛いピアノに導かれて朗々と吹かれます。 3では雲の切れ間から光りさすような登場にしびれます。 5では冒頭より全快でスウィング。Gil Evansのヘロヘロ・ソロを経て後半も行きます。 7ではまたもやGil Evansのソロの後に登場。短いですが充実した演奏を聴かせます。 Lacyは、この歳からこれだけ抑制の利いた即興をしていたのだなと感心することしきり。 Gil Evansのアレンジも聴くには難しいところはなくて、とても良くできた作品です。 なお、Lee Konitzのソロはありません。 ギル・エヴァンス&テン(紙ジャケット仕様)
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by jazzamurai
| 2007-01-31 01:43
| 無節操 ジャズ三昧
![]() 1.The Great Deceiver – 4:02 2.Lament – 4:00 3.We'll Let You Know – 3:46 4.The Night Watch – 4:37 5.Trio – 5:41 6.The Mincer – 4:10 7.Starless and Bible Black – 9:11 8.Fracture – 11:14 David Cross – Violin, Viola, Keyboards Robert Fripp – Guitar, Mellotron, Devices John Wetton – Bass and Vocals Bill Bruford – Drums 邦題「暗黒の世界」。この邦題のせいで、プログレには「暗黒」のイメージがつきまとうのかも。 Tom Phillipsのcover designが秀逸。 傑作「太陽と戦慄」と「レッド」の間に挟まれて目立たないと言われる。 1、2と4のイントロ以外は1973年11月23日のアムステルダム・コンセルトヘヴォでの ライブ音源をスタジオで処理したもの。3、5、6、7は完全な即興演奏。 拙者には、やっぱりこの時期のこの布陣のKing Crimsonが最高。 Fripp先生のディストーション・ギターの高速カッティングが凄まじい、 1「偉大なる詐欺師」でまず度肝を抜かれる。 次々と変わっていく2「人々の嘆き」で、強烈にドライブする。 4「夜を支配する人」でJohn Wettonの声に酔う。 5「Trio」ではDavid CrossのViolinを聴きましょう。 6は捨て曲だが、エンディングでテープがもつれて切れた様な処理が秀逸。 レコードB面の7、8が凄い。 7「暗黒の世界」はギターを中心に静かな掛け合いから始まって、次第に激しくなる。 盛り上がってからのFripp先生独特のフレーズ回しが鮮烈。 Derek Baileyの影響を受けた、という人もいるが、この人のフレーズはホンマに特異。 この曲を最初聴いた高校生の頃は、何が何だかさっぱり理解できず、 表題の「暗黒の世界」のイメージに浸された。エンディングの処理も神秘的。 さて、続けて8「突破口」があるから救われる訳です。 最初は、Fripp先生高速変態アルペジオに導かれて暗い道を少しずつ走り続け、出口を探す。 そこには時折、難関が降りかかり、道に迷う。 途方にくれて暗闇に佇む。そこで、思いがけない大きな突破口を見つける。 光の方向へ、懸命に走る。ついには、明るい光の中に駆け込んでいくイメージ。 稚拙ですんませんが、拙者は何時もこんなイメージで聴いてます。 結構、癒されますよ(え゛、King Crimsonで癒される奴はおらん?)。 プログレ聴きの人でも落としている人がいると思いますが、これはやっぱり凄いです。 拙者は「Red」より好きだな。まあ、King Crimsonは全部好きなんだけどね。 暗黒の世界(紙ジャケット仕様)
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by jazzamurai
| 2007-01-30 06:39
| 無秩序 プログレ三昧
![]() 1.Sensor 2.Hypnotique 3.Tea 4.They Are Beautiful 5.Quits Reine Fiske (g) Stefan Dimle (b) Petronella Nettermalm (Vo) Ricard Nettermalm (dr) Johan Wallen (key) Paatosはスウェーデンのプログレ・バンド。 これも一時期ハマっていたユーロ・プログレのうち、拙者にとって最大の収穫の一つ。 単純に言うと、70年代King Crimson + The Cardigansと言えましょう。 スウェーデンと言えばAnekdotenが有名ですが(え、知らん?)、拙者はPaatosにハマったな。 畳みかけるマイナー調の曲、うなるメロトロン、エコーの利いたアルペジオ・ギター、 Tony Williamsの様な破天荒なドラム、ファズの利いたベース。 その上に流れるハスキーな女性ボーカル。 リアルな音場と、幻想的な音場の切り替えの巧さ。 一曲目、クラブ系ジャズが始まったかと思えば、激しいギターカッティングが入って、 激情の嵐に突入。 最後の曲では、Drum’n Bass風のエレクトリックポップから始まって、 次第に生ドラムに変わって行き、管楽器が吹き荒れて終わる。 ドラマーが中心的に曲を書いているみたいだけれど、凄いわー。 とにかく、King Crimsonみたいな非シンフォ系プログレが好きな人は一度聴いてみて下さい。 ホンマに傑作です。 Timeloss
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by jazzamurai
| 2007-01-28 23:52
| 無秩序 プログレ三昧
![]() 1.第1楽章:ウン・ポコ・ソステヌート-アレグロ 2.第2楽章:アンダンテ・ソステヌート 3.第3楽章:ウン・ポコ・アレグレット・エ・グラツィオーソ 4.第4楽章:アダージョ-ピウ・アンダンテ-アレグロ・ノン・トロッポ・マ・コン・ブリオ こんな名曲中の名曲の名演中の名演をレビューすんのは、メチャ恥ずかしい。 1876年、ウィーン。発端から完成まで実に15年を要した作品。 ベートーベンの第9交響曲に続く「第10交響曲」と呼ばれる。 全曲の音楽的内容が集約された第1楽章や、 劇的緊張感に満ちた終楽章は特に優れている。 (「音楽の友」第40巻第3号付録より)と、まあ、固いことは置いといて。 現在、My Boom継続中のClassic。 その理由は、Harbeth HL5 と「のだめカンタービレ」。 あ、ばれた? 実は拙者、ミーハーなのよん。 HL5に変更してからというもの、手持ちの数少ないClassicが素晴らしくてねえ。 拙者、Classicとブラジルもんには、手を出さんとこうと思っていたのですが、 HL5を入手するちょこっと手前に、「のだめカンタービレ」を漫画喫茶で読みまして。 かつ、9月からのフジの月9ドラマを見て、通して聴きたくなりましてな。 Amazonで最も名演と称されるこの盤を買いました。 「苦しみを経て勝利へ」という、Beethoven様風の考え方で作られ、 「第9」の第1楽章の様な不協和音の第1楽章からの劇的な展開。 第4楽章の6分過ぎから現れる希望に満ちた旋律。酔いしれますな。 カーステレオに積んでおいたら、相方が繰り返し聴いて「飽きひんなあ」と言ってはった。 曲も凄いが、指揮したCharles Munchが凄い。「最後の輝き」とも称されるが、本当に良い。 76歳で、その年創設のパリ管の音楽監督に就任。 このブラ1は、77歳の時の録音で、彼は同じ年の11月、アメリカ・ツアー中、 心臓発作で亡くなっている。 拙者、本来は「円熟」の演奏よりも、「若気の至り」の演奏を好む。 しかし、この演奏を聴くと、年齢は関係ないなあ、と心底思う。 熱い。熱すぎる。 同時に、パリのオケなのに、厳格で極めてドイツ的な演奏にも感心する。 あのう、こういうの恥ずかしいけど、傑作です。 ブラームス:交響曲第1番
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by jazzamurai
| 2007-01-28 01:24
| 無定見 クラシック三昧
![]() 昨年、長年使用してきたMarantzのPM-80の片チャンネルから、ノイズしか聞こえない、 という事態に至り、一念発起してシステムを入れ替えました。 それに関係して、当初、予定は無かったのですが、11月中頃、SPを代えました。 以前は、飲み友達にもらったJBL J2I6Proという小さいモニターを使っていて、 買い換えの第一候補はJBL 4312Dだったのだが、 それとは真逆のSPを選んでしまいました。 BBCモニタ開発で知られるダッドリー・ハーウッドが作ったイギリスの会社、Harbeth。 彼が作ったMonitor HLの改良型、HL5です。 低域はTPXコーンを採用した20cmコーン型ウーハー。 高域には2.5cm口径のアルミハードドーム型ツイーター。 箱は、板を厚くして強度を上げる、ではなくて、薄い板を使用して箱を鳴らせるタイプ。 元値18万円(1台、1988年頃)。スタンド、1台1万9000円らしいが、 拙者は全体で73500円でオークション落札。 このSPは生楽器を良く鳴らします(それで、買う盤に変化が・・・・。後述)。 女性voも、色っポイ。そして、英国の少し陰鬱な、湿った感じの音を聴かせてくれます。 まさに、ブリティッシュ・プログレ男の拙者にはぴったりですな。 カリフォルニアの青い空=JBLは、無理があったのだ(と言っては4312Dへの未練を断ち切る)。 ただし、金管楽器は不得手。最初はJohn Coltraneがあまりにも鳴らないので、 頭を抱えました。SPケーブルを細いのに代えたら、少ししっくり来ました。 問題は、箱鳴りがするので、十分背後、横の壁から離さねばならないのですが、 写真の通り、4.5畳の拙者の部屋ではままならず、低音が鳴り過ぎるのです。 MingusやPaul Chambersの太い音が、時々全体を隠してしまう程です。 また、口径の割に箱がでかいので、入り口の両側に、狛犬の様に設置しなければ、 設置場所が無ーい。 あとは、ウーハーのエッジがアメリカ・デュポン社のポリなんですが、これが裂けやすい。 前の持ち主がはっきり言及してくれなくて、このHL5も左右とも少し裂けていました。 ゴム用ポンドで補修しており、音には全く影響ないのですが、少々不安です。 Harbeth社の音は大好きなのですが、ひょっとするともう少し小さい、 HL Compactに代えるかもしれません。 ただ・・・・、先立つものがね・・・・。あはは。あはははは。あはははははは。 ▲
by jazzamurai
| 2007-01-27 00:54
| 無見識 オーディオ三昧
![]() Bud Powell (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (d) 1. Cleopatra's Dream 2. Duid Deed 3. Down With It 4. Danceland 5. Borderick 6. Crossin' the Channel 7. Comin' Up 8. Gettin' There 9. Scene Changes こんな有名盤をレビューするのは何か恥ずかしい。 よくよく考えると、毎日やってたら、拙者の所有音源1000枚程度なので、すぐネタ切れですな。 紹介するのが恥ずかしい盤もあるし、困ったね。 しかし、この盤もMal Waldron / Left Aloneと同じで、人気があるのは日本だけでは? 拙者も大好きですがね。 Budの最盛期は1947年から1951年と言われているようで、 まあ、その当時は神懸かった速弾きだった。 これは、薬物、アルコール等でダメになっていった頃のもので、決して傑作では無いです。 何故、日本で人気があるかというと、マイナー調の曲が多いということ。 その代表が1曲目で、超有名ですな。しかし、全部自作であることは素晴らしい。 最盛期には、非常に複雑な構造を持った曲を書いていましたが、この盤では、 コード、メロディの譜割りがシンプルな曲ばかりで、キャッチーです。 神速の指使いではないが、やはりBudはBudな訳で、即興の閃きは素晴らしい。 個人的に愛聴曲は「3. Down With It」。AABA32小節のシンプルなテーマ。 マイナー調の速い曲で、指が思うように動かないのか、所々冷や冷やする。 それでもBudは一生懸命弾いている。 右手と左手のユニゾンがメロディーを際だたせる。 最後にテーマを弾く時、Bから最後のAに上手く戻れず、一瞬フレーズが途切れてしまう。 何とか、次のとっかかりから帰っていく。 決して、格好良い訳ではないが、誠実さを感じます。 みなさん、どの様にお聴きか分かりませんが、拙者はBGMには向きません。 それと、Budの場合、殆どの作品に呻き声が入っていますので、 そういうのが嫌いな人には向きません。 (Glenn Gouldでも言われるけど、どうしてそんなことが気になるのかなあ? 耳触りが良いだけの音楽を聴く人の感覚は、ようワカラン) バド・パウエル : The Scene Changes
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by jazzamurai
| 2007-01-26 07:07
| 無節操 ジャズ三昧
![]() 発売日:2005年7月26日。TZADIK。 Derek Bailey (guitar) 1. Explanation & Thanks 2. After 3 Weeks 3. After 5 Weeks 4. After 7 Weeks 5. After 9 Weeks 6. After 12 Weeks Derekは、2005年12月25日、ロンドンの自宅で、 運動ニューロン疾患による衰弱のため死亡した。享年75才とのこと。 この人は、Jazzというよりも、完全な即興演奏しかしない、即興演奏家です。 既存の音楽、「音楽的」常套句から全くかけ離れた演奏をする人です。 だから、この人の作品には始まりもなければ終わりもないし、 傑作もなければ駄作もない。 それはひょっとすると作品でもなく、あるのは完全な即興演奏の記録だけ。 ただ、記録として、共演者に恵まれたり、充実している内容があるだけです。 この盤は、亡くなった年に録音されたもので、遺作。 英語が分からないので、色々な日本語のホームページで得られた情報によると、 「手根管症候群」と診断されてから何日目、という形で完全即興演奏を録音。 しかし、実は急速に進行する運動ニューロン疾患だった、ということなのか。 ある人のホームページで詳しく解説してくれている(これ、良いページです)ことを紹介すると、 オープニング曲では、「友達に宛てた手紙の朗読(弾き語り)の形をとり、 自分の現在の病状についてあれこれ「説明」しつつ友人に謝辞を述べ」、 「手根管症候群を宣告されて医者に右手の手術を勧められちまったが、 ピックも持てないような手で即興をやるのも新しい表現方法ではないか、 などと凄いことを言ってます」とのこと(「」内、引用)。 圧倒的なテンションの「New Sights, Old Sounds」(1978年)や、 間章に捧げた「AIDA」(1980年)に比べれば、全くスピード感の欠如した演奏で、 「なんじゃこりゃ」という内容であり、Baileyを始めて聴く人には奨められん。 ゴミだ、音楽じゃない、という人がいても仕方ないかもしれん。 しかし、「次第に動かなくなる手」による即興を生の中で見つめ、 今回は、それを即興の相手として対話し、完全即興演奏した、潔い態度には感動する。 この音楽は、・・・・いや、音楽と呼ばれなくても良い。 この音は、この時のBailey以外には出せない。 この音が、病を患った一人の演奏家の、この時点での個性の光そのものである。 そして拙者は、その光が相変わらず日和らずに曇り無く光っていることを確認する。 遺作だというのに悲壮感は無い。リリースしたTZADIKにも、そんなつもりは無さそうだ。 何か、「あー、またこんなん録音してみましたけど」と言って、 ひょっこり新作が出されるような気にもなるが、もう聴けないんだな。 こんな風に淡々と、しかし粘り強く、生きてみたいものだ。 Derek Bailey : Carpal Tunnel
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by jazzamurai
| 2007-01-24 00:02
| 無節操 ジャズ三昧
![]() 富樫雅彦 (percussions) 佐藤允彦 (piano,arrange) 高水健司 (bass) 1. メモリーズ・オブ・ユー 2. イット・ネバー・エンタード・マイ・マインド 3. シェナンドー 4. バークレー・スクエアのナイチンゲール 5. ネイチャー・ボーイ 6. トゥー・ヤング 7. マイ・シップ 8. ホワット・カインド・オブ・フール・アム・アイ 「障害は個性だ」という考え方があるが、拙者はそうは思わない。 「何が障害なのか」の議論が絶対に必要であることは、理解しているが、 やはり障害は障害だし、個性では無いと思う。 拙者が思うに、障害を個性と思うためには、障害を持つ人が、その障害を持たない人と、 同じ所作で、同じ感覚で暮らせなければならない、と思う。 障害を持つ人ががんばってはならない。持たない人が無理してもいけない。 だが、その世界の実現は、なかなか難しい。 一方、目の見えない人が絵を描くこと、耳の聞こえない人が音楽をやること、等、 固定概念として「不可能」と思われるケースがある。 しかし、「障害を抱えながら」という条件付きでなく、不可能と思われる障害を 芸術的に乗り越え、客観的な評価として、リベラルに評価される人もいる。 それは、やっぱり素晴らしいことですよね。 「乗り越えた」ということよりも、純粋に「芸術」が素晴らしいということは。 アイデンティティに呪縛されない自己の個性が、障害に制限されずに表現されるということは。 芸術には「固定概念」をうち破る力があることも、素晴らしいですよね。 さて、昨日の「Charles Mingus / Live at Carnegie Hall」で、拙者が持ち上げた Roland Kirk様は盲目である。だが、彼に「盲目の」という形容詞を付ける必要は無いだろう。 では、下半身不随のJazz Drumer、富樫雅彦に対する、「車椅子の」という形容詞はどうか。 この問題は、拙者にとって難しい。 ドラムをちびっと囓ったことある拙者としては、フィルしてキメのシンバルに、 バスドラが伴わないことは、少し馴染まないことだった。 正直、拙者の中で富樫雅彦は「車椅子のDrumer」だった。 しかし、この盤を何回も聴くうち、そして、92年のJ.J.SpiritsのLive等を聴くうち、 富樫雅彦のスネア裁きとシンバル裁きの「軽快な芯の強さ」は、 ちょっと真似できない個性だなあ、と酔いしれる様になってきた。 70年に事故で下半身不随にならなければ、「西のTony Williamsか東の富樫雅彦か」 という位、世界的に見ても革新的なJazz Drumerになったろう。 でも、事故で下半身不随になっても、Steve Lacy程の自他に厳しい男が、度々共演し、 心から信頼する程、評価されている。 この盤だが、Drumerがリーダーのバラード集って、他に聴いたことありますか? でも、この盤の富樫雅彦のブラシ裁きによるスネアの音は、録音の良さもありますが、 素晴らしい。そして、シンバル裁きも。正直、ウットリする。 この音楽を聴く時、富樫雅彦に「車椅子の」という形容詞は全く不要である。 スナッピーのついたスネア一個を、ここまで歌わせるDrumerは恐らくいない。 そして、この音楽には、乱暴なバスドラも、時を刻むハイハットも全く不要。あったら無粋。 さて、こうなると拙者、「そもそもドラムセットとは?」とか、「Jazzとは?」とか、 色々考えてしまって、ぐるぐるぐるぐるするのだが、 この盤は、「夜更けにサ、好い女と酒飲みながらしんみり聴くような音楽って、無いよね」 という富樫雅彦の何気なく言った一言が発端だそうで、 拙者の様な「固定概念」に振り回された悩みは不要。 リラックスして、しかし、適度な緊張感を持ちながら聴ける傑作です。 ザ・バラード ▲
by jazzamurai
| 2007-01-22 23:51
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Charles Mingus Group Charles Mingus(b) George Adams(ts) Hamiet Bluiett(bs) Don Pullen(p) Dannie Richmond(ds) Guest Jon Faddis(tp) John Handy(as,ts) Rahsaan Roland Kirk(ts) Charles McPherson(as) 1.C Jam Blues (Duke Ellington) 2.Perdido (J.Tizol/H.Lengsfelder/E.Drake) これ程暑苦しい演奏はなかなか無い。名演であり、怪演。 当時の Groupに旧友を招いてのJamだが、「ガチンコ、サックス対決」なんです。 吹く小節は好き勝手、順番も決まってない。 で、後にロフト・ジャズのシーンで活躍する、George Adams、Hamiet Bluiettが 霞むくらい凄まじいsoloをとるのが、Roland Kirk様。 「C Jam Blues」では、4番目に出てくるのですが、なんと24chorus吹きまくる。 音は一番でかいわ、お得意の循環呼吸奏法で圧倒。 吹きまくるだけじゃなくて、これでもか、と過去の手練れの有名フレーズを引用。 Coltraneの「至上の愛」が出てきた時には正直笑いましたね。 流石に客受けも凄くて、拍手の量、観客の歓声、めちゃ暑い。 後を受けたJon Faddisもやりにくかったのか、素っ頓狂なフレーズから入って笑える。 「Perdido」では9chorus。真正面から高速バップフレーズを連発の後、 循環呼吸奏法でフリーブロー。もう、笑うしかない強烈さ。 さて、Mingusオヤジはというと、ぶっといウォーキングで全体をがっちり支えております。 この人は、作曲、アレンジも凄いけれど、最高のBassistです。言わずもがな、かな? 笑えて、そして感心する、希有な傑作です。 ミンガス・アット・カーネギー・ホール(紙ジャケット仕様) ▲
by jazzamurai
| 2007-01-22 06:12
| 無節操 ジャズ三昧
![]() 1954年の6月か7月 6,7 - ED's or Clifford Brown's home,LA。 1954年 1. Deception 2. Fine and Dandy 3. Unknown Original Tune 4. Crazeology 5. Old Folks 6. There'll Never Be Another You 7. Our Love Is Here to Stay Clifford Brown - Trumpet(1,2,6), piano(3,4,5) 当時23歳 Eric Dolphy - Alto saxophone(1,2,3,5)当時25歳 Max Roach - Drums (1,2)当時30歳 Harold Land - Tenor saxophone(1,2,3,4,5) George Morrow - bass(1,2) Richie Powell - piano(1,2) & Unknown 最近、次から次へと歴史的発掘音源をリリースしているRLR盤。 まさか、この二人が親友だとは知らなかった。 「音が悪くて、どうせ持ってるだけのCDになるかな」とも思って買いました。 所々、欠落、ヨレもあるし、ベースは全然聞こえない。しかし、これは宝物になる。 拙い英語力で英文解説を読んでみるが(間違ってたらゴメン)、 1954年、Clifford Brown-Max Roach QuintetのTenerのオーディションを Eric Dolphyの家でやった時のからみで録ったテープと読める。 何故、当時仕事の無かったDolphyを入れなかったのか、の問いに対して、 Brown婦人は「彼らはTenerを探していてAltoじゃなかった。 Dolphyは考慮されなかった」と答えている。 この時、Brown-Roach Quintetでデビューしていれば良かったのに。 1958年にChico Hamilton's quintetで録音するより以前のDolphyの音は貴重だ。 上手いです。スムースで、歌心もある。この頃、Charlie Parker風のスタイルを、 既に一度、完成していたようですな。びっくりです。 特徴であるゴツゴツとした音の跳躍、コードギリギリの即興では無いが、閃きは感じます。 Clifford BrownのTpは流石ですが、流麗なpianoに、これもびっくり。 多少、危なっかしく感じるところもあるけれど、流石の即興です。左手のコード弾きも達者。 拙者が選んだ、このCDのベスト・トラックは、3曲目。 誰が作ったんでしょう。マイナー調のメチャ良い曲です。 2:15からのDolphy、4:30からのBrownのpiano soloを繰り返し聴いてしまった。 全体的にリラックスしているようで、実は緊張感は高い。 傑作とは言わないが、二人のファンなら一聴の価値有りです。 Together: Recorded Live at Dolphy's Home, Los Angeles 1954 ▲
by jazzamurai
| 2007-01-21 03:17
| 無節操 ジャズ三昧
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