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![]() 新世紀エヴァンゲリオン劇場版「Air/まごころを、君に」を再度観た。今回が5回目位だと思うけど、一番感動したかもしれない。 「新劇場版:Q」を2回観た拙者は、「序」「破」を改めて観ただけでなく、TVシリーズを改めて通して観た訳です。 今回は、基礎知識(エヴァンゲリオンがさらに分かる動画:旧やエヴァンゲリオンが分かる動画【前編】)により、話がかなり分かるようになっており、また、改めて楽しめました。 最初に観た時は、アスカの最後の言葉、「気持ち悪い」が本当に気持ち悪くて、嫌な気になりましたが、数回観るうち、「気持ち悪いんだけど、世界でただ二人だけの存在になって、受け入れていることを前提にしたら、愛していると同義かもしれない」とただぼんやりハッピーエンドなのかも、と思うようになり、この解説にあるようなことを説明してくれる人がいっぱいいるので、何となくですが、受け入れられるようになりました。 あと、碇ゲンドウはアダムの肉体を自分に移植して、そこにリリスの魂を宿らせ、サードインパクトの最中に神となり、碇ユイを再び生き返らそうとしていたということもやっと理解できました(遅過ぎ?)。勝手な男ですね〜。ある意味、シンジの本当の敵は碇ゲンドウですね。 さて、そこでヱヴァンゲリヲン新劇場版についてですが、「序破Q」と観てきて、改めてTVシリーズを見直して思うのですが、ひょっとして、このシリーズ、パラレルワールドだと思っていましたが、実は、前のシリーズの続編ではないでしょうか。その証拠に、海は赤く、使徒の血も赤く、月にはリリスの血飛沫の後があり、崩れたリリス(巨大化した碇ユイ)の残骸が登場します。これは、地上にアスカと二人残されたシンジ(彼は生命の樹の実を食べ、この世の神と等しい存在になっています)が作り出している、過去に似た世界、つまりループした世界なのではないか、と思う訳です。復活している人々も全てシンジの思うがままに復活しているように思う訳です。彼は神に等しい存在なので、生命の復活は可能な訳です。 過去ではあるのですが、時間が進むにつれ、同じ結末に向かう訳には行かない訳です。前回は他者としてはっきりとらえることのできなかった綾波レイの魂を救う行動に出てしまう。そうすると、旧作の「まごころを、君に」で生じた設定そのまま、巨大な「インパクト」が生じてしまう訳です。だって、シンジは既に「生命の樹の実」を食べているので、行程は省略される訳です。 だが、どうも、既に主要な登場人物は、この世界が、シンジのやり直している世界であることを知っているので(渚カヲルの発言に顕著に出ている)、彼がどこに向かおうとするのかについて、綱引きをしている訳です。ところが、彼にあまりその世界の真実を告げてしまうと、彼のセンシティブな心が過剰反応を示して、単独で世界を破壊・再生してしまいかねないので、真実を告げずになんやかんややってる訳です(涼宮ハルヒみたいですな)。んで、観ている我々もシンジと同じようになんのこっちゃ分からんままに「Q」を観ていると。 しかし、次回の新作の題名が「シン・エヴァンゲリオン劇場版:‖」(ヱ→エ、ヲ→オに戻されている)とされていることから想像するとですね。シンジの夢の世界である、今の劇場版シリーズが、次は前回の続きであることが「シンに」(真、新、神?)明らかになるような気がしてならんのです。ここで大事になってくるのが、全くの新キャラである、真希波・マリ・イラストリアス。彼女の役所は、「マグダラのマリア」ではないかという説が流布されている。神として死に、復活するところをマリだけが見届けるというのは、お話上、まあ良いんだけど、そうなると、レイ(霊)と(絶対的他者である)アスカは、ラストにおいてどうなるの?というのが、分からない。神だからハーレム作れた、じゃシャレになんないし、みんな物理的にはいなくなって、崇高な魂をもったシンジ(神児)と一体になったでもおもんないし。どうなるんでしょうねえ。 やっぱり、自我の固まり、女の子中の女の子、アスカがどうなるのかが一番気になります。アスカ、大好きです。 まあ、次回、最終回が楽しみです。 ところで、拙者はエヴァンゲリオンのマニアではありませんので、そこんとこ四六四九。
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by jazzamurai
| 2012-12-24 01:25
| 無脈絡 漫画三昧
![]() 音楽マンガで一番成功したと思われる「のだめカンタービレ」は曲がオリジナルじゃなかった。有名なクラシックだったから、雰囲気をイメージはしやすかった。 だが、ロックをマンガにするのは難しい。オリジナルを扱わざるを得ないからだ。ほぼカバーだけで成立させることのできたロックマンガはかわぐちかいじの「僕はビートルズ」だろうが、主人公たちが最後に聴いた、聴いたことのないビートルズのオリジナルは、やっぱり沈黙の画面の中にあった。 上條淳士の「To-y」も、ハロルド作石の「BECK」も、浅田有皆の「ウッドストック」も、サウンドは沈黙の中にあり、歌詞さえも歌われなかった。 だって、そこで表現された歌詞や五線譜がカリスマ性を伴わなければ、物語はすぐ瓦解してしまうんだもの。そりゃ、難しいよね。 しかし、榎谷克優の「日々ロック」は、どうしようもない青春をどうしようもなく歌詞にして掻き鳴らしている勢いがガンガンに伝わる。きっと、こういう音だろうな。単純なコード回しだろうな、と思う。 これはホンマにオモロイです。読んだらパンツ脱ぎたくなりますよ! 日々ロック 1 (ヤングジャンプコミックス) 日々ロック 2 (ヤングジャンプコミックス) 日々ロック 3 (ヤングジャンプコミックス) ▲
by jazzamurai
| 2012-11-19 23:11
| 無脈絡 漫画三昧
![]() 最近、ちょっと不調。目的と手段の逆転、実態を省みない解釈の押しつけ、意見の共有ではなく言葉尻を捉えて否定にかかる攻撃などに、うんざりする日々を送ってます。 しっかしまあ、元から賛否両論を恐れない人なんだと思うけれど、撮る毎に否の方が増えてないか心配になる押井守監督作品。同時期放映の「崖の上のポニョ」と比べられたら、そりやキツイわなあ・・・・。 しかし、なんでこんなに後味の苦い作品ばかり撮るのかなあ。よっぽど精神力が強くないと、こんだけキツイ映像群をこんだけのクォリティで次々と送り出すのは難しいと思うけど・・・・。 ここで描かれているのは、植え付けられた戦闘テクニック、あやふやな記憶、戦争はビジネスだという価値観だけを朧気なアイデンティティとして戦う若きクローン?達の現実感の無い日々の記録。だから、クサナギ・スイトだろうが、カンナミ・ユーイチだろうが、クリタ・ジンロウだろうが、過去の押井作品の登場人物のパロディのような人名に意味はない(と、思う)。きっと、あまりに意味がないから、そういうところから持ってきたんだろうなあ・・・・。そうでもしないと、名前が覚えられないので、ストーリー展開する時に気遣いが必要になるもんなあ・・・・。 「人間に戦争の無い歴史はない。だから平和の維持のため、我々がビジネスとして戦争をしている」という考え方は、きっと登場人物達のクローン体に記憶を刷り込む時に流し込まれたものなのだろう。その考え方自体を思想として提示したものだと捉えると、思想信条の相違等の問題から、見えにくくなると思う。その思想が描きたいのではなくて、まあ、情け容赦ない観察として提示されているのだろうと思う。 押井監督は「攻殻機動隊」を撮っている時から一貫して、アイデンティティを形成している「ゴースト」(ソウル、かな?)の危うさを撮っている。草薙素子は言う。「囁くのよ。私のゴーストが」と。しかし、一方で、全身を機械化し、常に電脳をネットにつなぐ己のアイデンティティを信じられないでいる。しかし、実態から離れネットの中を漂う存在でしかなくなった草薙素子は、2作目「イノセンス」では、大量生産された愛玩用ロボットの中に降りてきて、「バトー、私は何時も貴方の傍にいる」と言う。その在り方は、「スカイ・クロラ」で描かれた登場人物達と真逆だ。 肉体を介さないところにある意志と、意志のない肉体。 ラスト、カンナミ・ユーイチは「Kill My Father」と言って、単機で無敗の敵機に戦いを挑む。その敵機に乗る人物は"ティーチャー"と呼ばれているが、全く人物像が描かれていない。だが、この世界で只一人意志を持っている生臭い人間は、その"ティーチャー"だけなのだ。まあ、拙者が想像するに、自分の精子か遺伝子をパラ巻いて"キルドレ"と呼ばれる戦うだけの存在の若者を作り出し、そして殺すという、まあ、普通には理解しがたい「大人」。それが理解しがたい存在として、この世界に圧倒的な存在感を示している。でも、「大人」の理屈とは、大体がそういう理解しがたい意志なのだ。 死んでもまた、同一の遺伝子を有したものが現場に帰ってくる、代理戦争を続ける世界。この世界の設定は、クローンには人権は保障されていないのかな?「私が死ぬか、貴方が死ぬかするまで、この世界は終わらない」とクサナギ・スイトはカンナミ・ユーイチにいう。カンナミ・ユーイチはラスト近く、クサナギ・スイトに言う。「何かが変わるまで、君は生きろ」と。この世界の不条理な設定や、謎を探っているとこの作品が持つ意図は絶対に理解できない。 だって、今だって同じじゃん。戦争の中で無くったって、みんなの人権は保障されているのかな?私は私であるという意志を有しているのかな?私の脳内に、ゴースト(ソウル)は存在しているのかな?訳の分かんないルールのもとで、単にゲームに参加しているだけじゃないの?そして、時には冗談のように、命を落としたりしてるじゃん? そういう、絶望というよりは諦念が支配する世界の中で、じゃあ何が希望として残るのか? 押井監督は作品ホームページに「何者かになるということは、世の中に対して確固としたリアクションを起こす人間になるということ」と書いている。まさに、この作品の意図はそれで、「何者でもない存在が、虚無の中から、絶望の中から、何物かになろうとする」、その意志の萌芽が砕かれる様と、実は(特に女達の中で)静かな炎が消えていない様を、淡々と描いている、ということになると思う。 ラストのラスト、「君を待っていた」と言う台詞には、ちょっと感動した。 まあ、後、余計なことを言うと、「ポニョ」がセル画オンリーで描いたことの真逆で、アニメとポリゴンの先端を上手くミックスした手法に拘っているところは凄いと思う。 繰り返し見るとは言わないが、良く撮った、と言いたい。 スカイ・クロラ [DVD]
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by jazzamurai
| 2009-04-18 03:25
| 無脈絡 漫画三昧
![]() 久しぶりにはまった・・・・。「ガンダムSEED」、「ガンダムSEED DESTINY 」、神山健治監督版「攻殻機動隊」以来のはまりっぷり。寝る間を惜しんで見てました。 前田真宏監督は、「当初はアルフレッド・ベスターのSF小説『虎よ、虎よ!』をアニメ化しようとしたが、著作権の関係で果たせず、『虎よ、虎よ!』の原作である『モンテ・クリスト伯』をアニメ化することにした」(Wikipedia)とのこと。ただし、設定は未来。 最初は、Boy’s Loveっぽい絵柄と、漫画のスクリーントーンを貼ったみたいな髪、服装、背景に違和感を感じますが、兎に角キレイ。CGを多用して、パターンを張り込んだだけの虚仮威し、と言えばそれまでかもしれませんが、それでもあれだけキレイで幻想的なら良いと思います。 この間、「Apple Seed」、「Apple Seed Genesis」、「ベクシル」と、CG技術の固まりみたいなアニメを見てみたのですが、やっぱりテレビゲームみたいな感じと、脚本のゲロゲロさに辟易していました。ところが、本作に関して、CGの使い方は、この真逆なアプローチです。つまり、表情や大事なところはちゃんと描いています。塗っているところがCGであり、そのCG部分のデザインをテクスチャを使って書き込んでいます。その他、「小道具」である宇宙船、モビルスーツ、戦闘シーンの兵器類等の未来的な部分も割り切ってCGを使っていますが、見ている側はストーリーを見ているし、その使い方を見ているので、何故そういう使い方なのか、理解ができるんですよね。もちろん、だからといって、ダサイ訳ではなくて、連続TVものとしては上等に造り込んでいます。 ストーリーはホント、面白いですね。日本人の好きな復讐物。それで原作は主人公、モンテ・クリスト伯の視点で書かれているらしいですが、本作は、もっとも憎むべき相手と最も愛していた女性との間に生まれた「少年」の視点で描かれています。それはもう、恥ずかしくなるくらい愚直に。そして、その世代の子ども達と、その親である大人達の見にくい姿を対比させながら、伯爵の復讐劇を描いていくのですが、そういう風に視点を複数にしたところが、良いと思うんです。 ちょっと関係ない話かもしれませんが、ちょっと前に「アルプスの少女ハイジ」を見直した時、子どもの頃はハイジやペーターに感情移入していたのに、今見たらおんじやペーターのおばあさん、果てはロッテンマイヤーさんに感情移入している自分に気付いて驚く訳です。 そういう風に、両方の視点から見れるんです。それが、何か良いかな、民放の連続アニメとして2クールやり遂げるための、とても賢い構成力だな、と思いました。 中身については、できれば見てみて下さい。まあ、原作を読まれた方には、物足りないものかもしれませんが。恥ずかしいことに、拙者はまだ未読ですので、原作も読んでみたいと思っていますが、全7巻ですもんね。手強そう・・・・。 本作は2004~05年に朝日放送の深夜枠で放映されましたが、現在、2008年6月よりNHK-BS2にて再放送されています。月曜日の夜だそうです。 では最後に伯爵の名言を。 「待て、しかして希望せよ」 巌窟王DVD-BOX
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by jazzamurai
| 2008-10-15 01:38
| 無脈絡 漫画三昧
![]() 2004年3月6日、全国東宝洋画系で公開。 Production I.G。 2004年、第25回日本SF大賞受賞。 第57回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。 2023年の近未来。少女型の愛玩用アンドロイドが原因不明の暴走を起こし、所有者を惨殺する事件が発生。政府直属の機関・公安九課の刑事バトーは、相棒のトグサとともに捜査に向かう。電脳ネットワークを駆使して、自分の「脳」を攻撃する“謎のハッカー”の妨害に苦しみながらも、事件の真相に近づいていく…。「人間は何故自分の似姿を造りたがるのか。」押井守監督が現代を生きるすべての人たちに問う衝撃の問題作。 とありまして、こういう作品について書くのは、正直、怖いのだが、好きなので書いてみます。 3年弱、20億円かけて撮った作品とのこと。 1995年11月公開の「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」の続編にあたる。 amazonで上手く解説している、ハラウェイさんという人がいて、その人の解説があるから多くは言わなくて良いのだけれど、多用されている古今東西の名言は、結局のところ、パズルのピースというよりは個々の登場人物が個人の心理を見透かされないために幻惑的に用いているだけに思えるのよね。 というのは、結局のところ、山場の最後で草薙素子が残す言葉、「バトー、忘れないで。あなたがネットにアクセスするとき、私は必ず貴方の傍にいる」で残される余韻、切なさがこの物語の柱だと思うから。その「何時も側にいるのに決して触れることのできない、電脳空間にある愛する人」を想い、「全く無抵抗に飼い主を愛して過ごす犬(バセット)」を想い、現実の世界に止まるバトーのやり切れない孤独を味わうことが、この物語の主題だと思うから。 後の話は、これも前の台詞の直前に離される素子の言葉、「人形達に声があれば、人間になりたいと叫んだでしょうね」の言葉に集約されると思う。拙者、人型のものや、顔の書いてある立体物を捨てたりするのが、超苦手。まして人工AIの発達した未来、愛玩用として造られたロボット達を、人間の欲望のままに欲し、弄び、捨てていくことは、想像すると怖い。そんなものを責任も感じず受け入れることはできないよ。でも、子供の頃、一緒に遊んでいたぬいぐるみ達は、拙者の知らない間に捨てられていたし、拙者もそれで、狂い泣きする訳でもないのだよね。そういうことが全て、人間の欲望であると、物語は言う。 そういうことについて、徹底的に切り込んで、そこで沸き上がる複雑な感情を、ラスト、絶対に生臭いことにならない、大人の男と女の間に持ってきて、心を持つ人間として己の存在の希薄さと孤独を描いて見せたこの作品は、良い作品だと思うのです。 後は武器マニアでも、SF全般に強い訳でもないので、何とも上手く言えません。しかし、当時の3D技術の粋と、ガラスに付いた水滴の向こうまで書き込んだセル画の融合された画像の情報量、美しさはなかなか凄いものがあります。同年公開の宮崎駿監督の「ハウルの動く城」と同じ位、凄いです。この二人は張り合っていますね。 望むのは、「攻殻機動隊2」という、電脳世界に散った素子の物語(原作はちょっとエロい)をアレンジして、何とかバトーの孤独を解消した作品を撮ってもらえまいか、と思っています。 イノセンス スタンダード版 ▲
by jazzamurai
| 2008-09-08 23:43
| 無脈絡 漫画三昧
![]() 2003年11月号から。最新刊は2007年12月21日発刊の第9巻。 いやー、しんどいっす。ほぼ1週間の東京出張から帰ってまいりました。 睡眠時間が欲しい。と言いながら、なかなか上手く眠れないんですよね。 段々、精神状態が不安定になってきて、隙が出てきます。素っ頓狂なことを口走ったりして、訳がワカランようになりつつある、今日この頃でまいります。 ところで拙者、野球は好きですが、高校野球は好きではありません。プロ野球と比べ、スピードが無い気がするんです。高校野球漫画も、「ドカベン」以外は読んだこと無かったんです。 そういう拙者が久々にはまったのが、本書『おおきく振りかぶって』です。 公立高校の新設野球部に集まった1年生部員たった10人の試合と成長を細かく描いています。それだけとれば高校野球漫画の王道ですが、監督はその高校に昔存在した軟式野球部のマネジャーだった女性。キツイ肉体労働をして貯めたお金を全部このチームに注いでいる謎の人物で、今まで9巻発行されている中で、未だにその謎の発端も語られていません。 2003年から足かけ4年連載して、未だ夏の初戦を1勝した所ですから、いったい何時まで続くことやらですが、マニアックな雑誌「アフタヌーン」で連載している割には、とても清々しく書かれています。作者のひぐちアサは、この漫画のモデルとなっている、埼玉県立浦和西高等学校を経て、法政大学文学部心理学科でスポーツ心理学を専攻していたとのことです。この漫画を書き出すまでは、とてもキツイ性格の主人公が織りなす心理劇を描いていたようで、結構ドロドロ系の漫画の様です。 一方、「おお振り」は、少女漫画的手法として心理的な描写が細かく、かつ、とても真面目で「かわいい」高校男子を描いています。自分のチームだけでなく、相手チームの心理描写も細かく書き込むため、どんどん登場人物が増えていきます。そんなに上手い絵ではないので、この人物は誰なのかと、読んでいてちょっと混乱する時もありますが、スポーツに正義も悪もないというか、一生懸命な人を一生懸命書き込んでいる誠実さは、拙者は大好きです。 しかし、自分が高校生だった頃、こんなに爽やかだったろうか、と自問すると、そうでは無かったようにも思います。このキレイに書きすぎている所が鼻に付く人は嫌かもしれませんが、拙者は、若い人たちの中に潜む残酷さとともに、誠実さの存在を信じたいし、そういうことをちゃんと描いている漫画は少ないように思うので、評価します。 まあ、漫画喫茶等で読んでみて下さい。 ところで、連載途中ではありますが、アニメ化も行われており、そのDVDを借りてきて、和太郎さんと見ていたところ、触発されたのか、以下のような野球漫画をお描きになりました。 ![]() ![]() 凄いなあ、ちゃんとピッチャーが投げて、打者が打って、野手が飛びついて捕球してます。特に捕球した野手の嬉しそうな顔と、アウトカウントの表示がダイナミック。 彼の誠実さが失われないままに、のびのびと青春を過ごして欲しいと願っています。
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by jazzamurai
| 2008-04-11 01:35
| 無脈絡 漫画三昧
![]() 1.フライト 2.砂漠の王さま 3.ピューグルムン 4.夢の枝えだ 5.夏の一日 画力、内容とも、申し分ない時期の作品集。 樹村みのり にとって大きな意味を持った、70年代からの脱出が明らかになった作品ではないか。 最も重要な作品「フライト」。 就職戦線から取り残され、今で言う「自分探し」をする主人公・井上 工。 彼は行きつけのライブハウスで髪の長い女性歌手を好きになる。 ライブが終わって一緒に終電で帰ったことをきっかけに、「清い」付き合いを始めた彼ら。 でも彼はある時、彼女の中にいるある男の姿を見つける。 「進むか 退くか 停まるか ちがうちがう 進むか 進まないか だ」 結局失恋するのだけれど、彼が孤独な部屋で折っていた紙飛行機は、 最後、風に向かって飛ばされる。「go Flight」と。 この短い話の中に、主要3人と、複数の脇役を上手く配して、脚本に一切無駄はない。 歌詞を定型化して描かずに、台詞的に扱ったところが上手いのかなあ。 それで、やっぱり主人公が好きになるマリエは拙者の好みなんですねえ。 - - - 「夢の枝えだ」をインタールードにして、最後の「夏の一日」。 失恋から立ち直れない主人公・原 加瑞子が、実家の建て替えで「荷物を片づけて」と 言われて帰省する。 そこで、両親から愛されている自分を緩やかに発見する。 荷物を片づけるうちに、とるに足らないモノやおもちゃを大切にとっておいた自分を再確認し、 「なんだかつくづく感じちゃうわ。わたしってこういう人間だったのね。 この性格ではもしも失恋なんかしたらきっと堪えちゃうわね」と口に出して言えるようになる。 その台詞の前の、風鈴がなり、外に向けられた窓に向かって、気持ちが解放される瞬間の 描き方が見事。 - - - さて、最近はまとまった作品集が出ないのが困りもの。 未収録作品も多いので、何とかまとめて出して欲しいというのが、希望。 内田善美のように筆を置いて再発も許さない、という訳ではなく、 年に数本は新作を描いているようなので、気長に期待しております。
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by jazzamurai
| 2007-02-11 07:23
| 無脈絡 漫画三昧
![]() 「The Twins-その空白時間帯」デシール85年11月25日号 「ブラインド」プチフラワー85年10月号 「あななたちの悩み」プチフラワー84年10月号 「追い求める季節」プチフラワー85年7月号 「理想のサングラス」プチフラワー86年4月号 いやあ、拙者もこの頃は多感な浪人生、大学1回生どした。 レコードを買うために金も無く、暗い青春どした。 妹が買っていた「プチフラワー」に時々掲載されていた内田美奈子の描く世界に憧れたなあ。 今から考えたら、あの頃の高校生や大学生がこんな軽妙な会話を出来る訳無いんだけどね。 バブルの絶頂期でデザイナーズブランドか合コンの話題しか無いバカばっかりだったしなあ。 内田美奈子の何が良いって、彼女の描く女の子がメチャ好みだった。 キツイ目をして、髪が長くて、キツイことをびしびし言う。 特に、表題作「ブラインド」に出てくる元橋はるこが好きだった。 ![]() 大学2回生のはるこは、友達以上恋人未満の拝島からアプローチをかけられるが、そのどっちでも構わないって顔して平然としている態度からあきれられる。そのはるこの元に死んだはずの福田から何度も手紙が届けられる。そのころ、最首という男が現れて、はること拝島のクールな関係にも微妙な変化が現れる。 「自分一人で学んだことはどれだけ全体像から遠いか?」から始まり、 「必要なものを外界から読みとるためにはまず見えなくてはならない つい数か月前まであたしはそんな簡単なことが見えていなかった」で終わる心象の変化。 その中でクールに演じることから本音をあらわにすることに変わる拝島。 コンプレックスをバネに自分を変えた最首、の二人の男の変化を描いて、 その要にいるはるこが緩やかに変わっていくことを上手く描く。 そのラストは、三人が改めて人間関係を作っていくスタート地点となっている。 クールで粋な台詞回しから突然現れる本音と誠実が良い。その時にぐいっと引き込まれる。 久しぶりに読んだら、以前は「見えなかった」部分も理解できて、良かったわ。 「理想のサングラス」は高校生の男の子が年上の女性を好きになるのがテーマだが、 告白の代わりに、ジャズ喫茶で水橋孝カルテットの「男が女を愛する時」をかけるのが格好いい。 Yahooオークションで買っちゃったよ、もう。 拙者もジャズ喫茶でバイトしてたことあるから、「You Don't know What Love Is」で 告白したかったな。え゛、それじゃふられる? 内田美奈子 : ブラインド
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by jazzamurai
| 2007-02-04 13:02
| 無脈絡 漫画三昧
![]() 士郎正宗氏原作を素材に、神山健治氏がオリジナルに脚本・絵コンテ・監督。 2006年11月24日に発売されたセルDVD作品をレンタルして鑑賞。 拙者は去年、「攻殻機動隊」を扱った押井守監督の映画2本、神山健治監督のSTAND ALONE COMPLEXの2シリーズDVDにはまって、レンタルで全部見た。 うち、押井監督作品2本はDVDで購入までした。 現代と地続きの未来、電脳化されたネット社会という設定である。 拙者はこの手のSFが好きである。 なにせ、ウィリアム・ギブソンの「ニュー・ロマンサー」が好きであるからして。 本作は、神山監督が2年ぶりに発表した長編アニメだが、3シリーズ目への布石、という雰囲気で、主人公がチームに戻ってきたという設定。 2シリーズ目「個別の11人」で描いた移民問題をベースに、民族主義、老人介護(「貴腐老人」という概念提示)、少子化と児童虐待、という素材で世界を展開している。 「前代未聞の哲学的漫画」「女性の裸ばかりで辟易する」と賛否両論の、士郎正宗氏原作の「攻殻機動隊2」で書かれていた思想世界への目配せもあったように思える。シリーズ3が出るのなら、楽しみである。 ・・・・え、ところでお主は、その女性の裸ばかりと言われている「攻殻機動隊2」をどう評価するのかって? 一度しか読んでないのでなんとも・・・・。実際、女性の裸ばかりで読むの気恥ずかしいし。 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society
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by jazzamurai
| 2007-01-04 04:38
| 無脈絡 漫画三昧
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