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![]() ちょっとした興味があって、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を聴き比べしていました。 左上アシュケナージ×ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ1986、右上グリモー×アシュケナージ/2000、左中ジルベルシュテイン×アバド/ベルリンフィル1991、右中ラフマニノフ×ストコフスキー/フィラデルフィア管1929、左下リシッチァ×フランシス/ロンドン響2012、右下ツィマーマン×小澤/ボストン響2000、です。 第2番を聴く場合、拙者にはちょっとした拘りがあります。 (1)第1楽章、冒頭の“始まりの鐘”の和音、10の鍵盤ですけど、これはゆっくり、そして同時に鳴らされていないと認められません。手の小さい人は、指が届かないので、アルペジオになるそうです。 (2)第2楽章のアルペジオはアクセントを付けてほしくないです。拍が変ったのが分かってしまうので。 (3)テンポがだらっと変る人は嫌です。 (4)最後に、ピアノの音の小さい、不明確な盤は避けたいです。 (1)の観点から言うと、アシュケナージ×ハイティンク版と、グリモー×アシュケナージ版は、拙者にとって好ましくなかったです。第1楽章のイントロがアルペジオだったので。やっぱり、あそこは、ゴーン、と重く鳴ってほしいのです。リシッチァ×フランシス版は、ちょっと速いですね。 (2)の観点から言うと、リシッチァ×フランシス版はちょっとアカンですね。 (3)の観点から言うと、グリモー×アシュケナージ版は最悪ですね。 (4)の観点から言うと、アシュケナージ×ハイティンク版と、グリモー×アシュケナージ版はちょっとぼや〜とした録音で、アカンです。ラフマニノフ×ストコフスキー版は、SP盤起こしなので音は悪いです。 プラスの見方から言うと、アシュケナージ×ハイティンク版は音の広がりがあって、第2楽章とかは牧歌的で良いです(ただし、幻想的ではない)。 グリモー×アシュケナージ版は、グリモーの顔以外駄目ですね。 ラフマニノフ×ストコフスキー版は、テンポの切り替えの潔さが大好きです。あの音の悪さにさえ慣れれば、かなり良い演奏だと思うのです。 リシッチァ×フランシス版は音がクリアで、ピアノの音が明確です。芯が強い、良い音だと思うので、結構好きです。第2楽章以外は。 ツィマーマン×小澤版は、名盤ですね。おすすめです。マイナスする所がないです。 でも、一番好きなのは、ジルベルシュテイン×アバド版です。 一番安心して聴けます。amazonでの評価は、良くも悪くもない、と言った所なのでしょうが、演奏者の個性のなさが、曲を明確にしてくれるというのかな…。まず、気になる所がないし、音が良いし、ピアノも明確だし…。オケのスケールも大きいし。 それに、第2楽章が幻想的で、ジャケットを見ながら聴いていると、地に足がつかない浮遊した感じが、拙者は好きなのです。 ジルベルシュテインって、他に代表作はないみたいですが、拙者は好きです。 皆様は、どの盤がお好きですか?
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by jazzamurai
| 2014-07-06 12:49
| 無定見 クラシック三昧
![]() 皆様、あけまして、おめでとうございます。今年も宜しくお願いします。 さて、大晦日、フルトヴェングラー指揮バイロイト祝祭管弦楽団・合唱団による、ベートーヴェン交響曲第9番、通称「バイロイトの第9」を聴きながら、ふと、検索をしていると、この「バイロイトの第9」に別ヴァージョンが存在しており、そっちの演奏の方では、第四楽章の最後が破綻せず終わってる、という、クラシック界を揺るがすCDが出されていることを知りました。これは入手せねばと思ったのですが、既に入手が不可能な状態になっています。 残念な話なのですが、その関係でふと、同じ第9でも、ブルックナーの第9の、幻の第4楽章について、何か新しい話題がないかとググっていると、びっくりしたことに、なんと、サイモン・ラトル+ベルリンフィルが「サマレ、フィリップス、コールス、マッツーカ版(SPCM版)」の最新版で、録音したCDがあるということを知りました。拙者にとって、昨年最後の重大な出来事でした。 すぐAMAZONにポチッとしまして、本日届きました。恐ろしく速いですね。 結論から言いますと、とても良いです。ヴィルトナーの盤、ボッシュの盤と比べて、かなりの説得力があります。さすがのベルリンフィルです。 クラシックのCD聴いて、こんなに興奮したのは久しぶりです。ああもうこれなら、今後、第4楽章付の演奏は色物ではありません。指揮者・オケの考え方次第でしょうが、これは、立派な四つの楽章からなる交響曲です。実は素晴らしい第4楽章だ、とは今でも言いません。ですが、拙者はもともと、ブルックナー先生の交響曲について、第4楽章が上手くない、という印象を持っています。第7の第4楽章なんて、とって付けたみたいで、あんまり良くないんですから。そういう印象を持っている拙者にとって、このCDに収められた第4楽章は流れがスムーズで起承転結がついており、とてもしっくりくるものでした。 しっくりきた原因には、ブックレット19ページ分に書かれた解説資料もあります。確かに第4楽章のボーゲン(二つ折り四面の五線譜)の一部は、死の直後、先生の部屋を訪れた禿鷹たちによって奪われ散逸し、未だ出てきません。しかし、先生の作曲方法は、(1)「音楽的なフレーズの周期を示す数字を各小節に付しながら、スコアの1ページを原則として4小節単位にあらかじめ区切っている」、(2)ボーゲンの通し番号がまず最初にうってあるので、この断片が全体のどの部分なのかが明確である。→そのため、予め想定されていた小節数を割り出すことが可能、ということで、後は、略式総譜やスケッチの類いから、前後の脈絡を検証すれば、埋められるとのことです。 つまり、骨組みはできていて、重要なアイデアは書かれている状態なので、構造は明らかだと。サイモン・リトルは言います。「はめられたステンド・グラスは設計者の意図と違うかもしれないが、大聖堂を手に入れることができた」と。下のラトルのインタヴューを見て下さい。非常に分かりやすく解説してくれてします。売るためなのかもしれませんが、偏見を払拭するため、第4楽章を演奏することの正当性を淡々と説明しています。 これからは、ブル9の演奏は新時代に突入したと言えるのではないでしょうか。第3楽章の終わりを白鳥の歌として、神の国に上って行ったブルックナー先生を見送って終わった時代は終わりました。神の国に上って行った(行こうとする)先生が神の国でどのような最後を遂げられるのか、その姿を描くこと、全4楽章を演奏することがスタンダードになるやもしれません。また、このCDはVerは補筆完成版とのことですが、こんだけの演奏と資料が全世界に広く分かりやすく提示された訳ですから、失われた楽譜がまた出てくるかもしれません。まだまだ、ブルックナー先生が描こうとした第9の第4楽章について、新しい発見や、解釈がなされるかもしれません。本当に嬉しいことです。 ■ サイモン・ラトル『ブルックナー:交響曲第9番(第4楽章付)』特別映像(演奏付) ■2011年11月22日、来日公演の際の記者会見にて、サイモン・ラトルが『ブルックナー:交響曲第9番(第4楽章¬付)』の録音について語った部分 英語のできる方はこちらもどうぞ。 コールス執筆によるSPCM2008の序文に替わるテキスト ブルックナー:交響曲第9番(第4楽章付)補筆完成版 ただし、このジャケットはいかがなもんでしょう。もっと荘厳な感じのものにして欲しかったな〜。 ▲
by jazzamurai
| 2013-01-03 01:24
| 無定見 クラシック三昧
14日(金)も代休もらって、のほほんとしてました。
午後から何を思ったのか突然、TOHOシネマズ二条に、単独で「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」を見に行きました。 ![]() 面白かったです。というか、ちょっと感動・・・・? 何処が、と言われると、ネタバレになってしまうのですが、もう公開から大分経つから良いかな・・・・ 1.まず前半の盛り上がり場所、三木清良のコンクールの場面、清良を演ずる水川あさみちゃんの弾き姿が凄く良かった。よっぽど運指の練習したんだと思うなあ、テレビの時はホントに拙い感じで弾いてた演技だったのに、映画では実際に弾いているとしか思えなかった。凄い迫力あったなあ。あの迫力は嘘もんじゃないなあ。大きな飛躍デス。 2.やっぱり上野樹里ちゃん扮するのだめが、シュトレーゼマン(竹中直人)の指揮でショパンの協奏曲第1番を演奏する、本編の山場。樹里ちゃんの弾き姿が素晴らしい。こちらも相当練習したんだろうなあ、と思った。ラ・フォル・ジュネ金沢(sandgasa師匠のblog参照のこと)でも、生で聴いたのですが、この曲は良い!!こんな良い曲を最近まで知らなかった自分が恥ずかしいですわ。この曲が、物語の中で大きな存在感を示しています。つまり、ベトベンの第7番や、ブラームスの第1番のように、ここで弾かれた曲はこれでなくてはならない、これ以外の曲であってはならない、という存在感です。 のだめはソン・ルイと千秋真一に、いかにものだめっぽい曲=ラヴェルのピアノの協奏曲を、自分のイメージ以上に演じられて落ち込みますよね。そして、いかにも天才女流ピアニスト=ソン・ルイが弾きそうな曲=ショパンの協奏曲第1番を、全く自分っぽく弾いて大きな賛否両論を受ける。このイメージのクロスが大好きです。二ノ宮知子はよく書いたと思います。 ソン・ルイ役の山田優ちゃんの弾き姿は、やっぱり拙い感じでしたね。メイキングを見ていると、結構弾けてるのかな、とも見えるのですが、ちょっと役者として迫力不足。胸の谷間は良かったですけど。でも、ソン・ルイって、やっぱり山田優だよね。 樹里ちゃんは前にも増してリアルでした。この子の根性は蒼井優と同じ位凄いと思うわ。この二人に、綾瀬はるか、の3人は、拙者の大のお気に入りです。 そういえば蒼井優ちゃんはヤドヴィの吹き替えで出てましたね。映画の不満はまさにヤドヴィの役回りで、そこがちゃんと録れてなかった。もう一度、ピアノに向かっていく過程が、ですね。あと、エンディングはやっぱり、漫画と同じお城でのピアノコンサートにして欲しかったなあ。 まあ、あの長い長~いキスシーンも、古典的ですが、結構良かったですけどね。 前半の余計なシーンをカットして、主人公たちの心の動きをもっと丁寧に録って欲しかったと思いますが、でも、最初の2006年10月16日開始のテレビドラマからずっと、彼等、活きの良い若い役者さんたちの演技を見てきた拙者にとって、今回のFINはなかなか、感動的なものでした。クラシックの良い曲もいっぱい教えてもらって、二ノ宮知子と玉木くん、樹里ちゃんには感謝しています。
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by jazzamurai
| 2010-05-15 00:39
| 無定見 クラシック三昧
![]() 仲道 郁代 (p) カジミエシュ・コルト指揮 ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団 ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調Op.11 アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調Op.22[オーケストラ伴奏版] 「浪漫的」で「静謐」・・・・「なかば憂鬱な気持ち」と「美しい月明かりの恋」、「楽しい無数の追憶」とシュトレーゼマンが解説し、のだめがロンドン響と競演した、人気の協奏曲。 まあ、最終回に近づくというのに、この出来事はなんだ、という感じの一大事でしたね。 って、言っても分からないよね。のだめカンタービレ(22) (KC KISS) 冒頭から管弦楽だけで4分を過ぎるまで、ピアノは出てこない。出てきた時の初音のガツン、がのだめっぽいですよ、仲道さん。そして、第一主題を過ぎどんどん技巧的に難しくなっていくピアノ。確かにロマンティック、かつ激情的・・・・。それから第二主題のカンタービレの美しいこと美しいこと・・・・。うっとりしますが、急にローギアに突っ込んで急発進・・・・、とんでもない曲です、第一楽章は。 第二楽章は、確かに「美しい月明かりの恋」・・・・。美しいですな~。オケが慎ましやかで、ピアノに寄り添い、少しだけ湿った、涼しい空気を降ろしてくる。素晴らしい・・・・。 第三楽章は、ロンド。どんどん超絶技巧になっていく。ラスト圧巻。 なんですかね、この曲は。今までショパンに、音楽の世界に、こんな素晴らしい曲があったなんて知らなかった。オケ譜も良いじゃないですか、ショパンさん。拙者は二流とは思いませんよ。貴方には脱帽です。 それと、他のピアニスト聴いてないから無責任な意見だけど、仲道さんのピアノってロマンティックかつ快活かつ激情的で、とても良いと思うんですよね。音も芯が入ってエネルギーがあるし。指がちゃんと鍵盤を捉えてる感じがする。何回も聴いてますが、全く不安なく聴けます。録音はちょっとオケが不明瞭な感じもしますが、それだけピアノが出てきますので、これはこれで良いのではないかと・・・・。 あー、しかし、良い曲だ。他の演奏でお勧めのものがありましたら、是非是非お教え下さい。 追伸:ディヌ・リパッティ(p)、アッカーマン指揮 チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団 1950年録音がこちらで聴けます。これも素晴らしい・・・・。 ▲
by jazzamurai
| 2010-03-31 22:48
| 無定見 クラシック三昧
![]() アントン・ブルックナー 交響曲第9番 ニ短調 (原典版) 第1楽章 23:59 第2楽章 10:25 第3楽章 23:39 先日、マーカス・ボッシュ+アーヘン交響楽団のブル9について書きました。 ボッシュ指揮 第1楽章 19:56 第2楽章 10:45 第3楽章 18:49 + 第4楽章でした。 その後、ふと、ジュリーニ+ウィーン・フィルのブル9を聴いてみたのですが・・・・、拙者ら一般人にとって時間とはやはり相対的なものなのですね。とてつもなく鈍重に感じられ、最後まで聞き通すことが出来ませんでした。 ジュリーニ指揮 第1楽章 28:02 第2楽章 10:39 第3楽章 29:30 前にも書きましたが、歩みが遅いに加えて、つながりがちょっとシームレス、音も分厚いので、なんかもう、回転が間違ったレコードを延々聴いているような感じでした。amazonで同曲を検索すると、必ず上位に顔を出す盤であり、支持する方も多いと思いますので、もうこれは、どうしようもない、現時点でのjazzamuraiの感覚だ、ということで、お許し頂くか、無視して頂きたいと思います。 それで、ふと、じゃあ、この両者の間くらいの演奏時間じゃどうなんだと思い、持っていながら、今まであまり聴いたことのない、ヴァント先生の78年の演奏を引っ張り出して聴いたところ・・・・、なんだかもう、第1楽章の冒頭からすぐ、拙者の頭の中の霧をすっかりと取り払うかのごとく、鮮明で、はっきりくっきり、「音楽における宇宙的な秩序」が展開され・・・・、なんだか、とっても気分良く聴けました。春の爽やかな風に吹かれるが如しです。 最初に聴いた時は、「ヴァント先生も、少しお若い時は性急な演奏をなさったのだな」という位にしか思わなかったのですが、こんなに良い演奏だったとは・・・・。時間も、適した速度と思います。全く違和感を感じません。 第7番までついて2枚組み2,520円。なんだか、得した気分です。 88年からのライブ版選集もめちゃ良いと思いますが、70年代後半からの一連の三大B+シューベルトのスタジオ録音全集は、見通しのよさという点では、とても価値のある録音だと思うんですよね。余計な味付けのないところが素っ気無くも聴こえますが、指揮者という介在者が、作曲家とリスナーの間で極力余計なことを言わないようにしている、仕事の堅実さがとっても良い。 舩木篤也氏の解説でもこの盤の印象は「全オーケストラ声部の鮮明かつ潔い鳴りっぷり」と書かれています。また、「スコアに対するこの指揮者の"硬派"な態度をダイレクトに、最も鮮やかに体験したいとなれば、この全集を措いて他にない」とも。正に拙者の印象もそのように感じます。 ブラームスの第1番についても、この前から、この時期のスタジオ録音版をよく聴いています。ミュンシュ+パリ管はそりゃめちゃめちゃ良いですけど、ヴァント先生や、ベーム先生のすっきりとした演奏も、なかなか良いなあ、と思えるようになってきました。 やっぱクラシックは良いですね~。 ブルックナー:交響曲第7番&第9番
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by jazzamurai
| 2010-03-22 11:34
| 無定見 クラシック三昧
![]() 2. Scherzo. Bewegt; lebhaft - Trio; Schnell. - Scherzo da capo 10:46 3. Adagio. Langsam; feierlich 18:46 4. Finale. [Misterioso; nicht schnell] 20:19 (by Nicola Samale, Giuseppe Mazzuca, John A. Phillips, and Benjamin-Gunnar Cohrs) 2007年のライブ録音。ボッシュは1969年生まれ。最近は精力的にブルックナーを録音しているみたい。 このCDは前から聴いてみたかったんだけど、SACDしかなくて躊躇していたのですが、ハイブリッドが出ていたので、買ってみました。 このCDのポイントは、未完の第四楽章を収録していること。それも、全四楽章をCD1枚に収めていること。 一般的に、完成している第三楽章までの演奏でも、たいてい、1時間以上かけるのがざらの曲なのに、全四楽章を1時間10分でやり終えている、ということは、非常に高速で進む、ということだ。 第四楽章は、サマレ=マッツーカ=フィリップス=コールス研究のコールス完成版(2004年改訂版) です。こんな男のロマンを感じる演奏を聴かないでいられるかってーの。 聴いた感想ですが、これは普通、第三楽章で終わる交響曲として認知されているブル9を、全体で第四楽章まである交響曲として解釈し、再構築した、前代未聞の演奏だと思います(他にあったらメンゴ)。 だからこそ、CD1枚に収める必要があった。 拙者が知っているwith Finalは、殆ど第四楽章はオマケだと思う。だから、CDは2枚組みになり、第四楽章は2枚目に単独で収められる。今までの指揮者は、CD1枚目で、第一~三楽章までを、終わらせて、よっこいしょ、って感じで第四楽章に取り組んでいたと思う。 でも、ボッシュは果敢にも、最初から第四楽章最後のコーダまでを見通して、走っていく。 それがとても素晴らしい。とても良いと思う。 だが、それが拙者には成功していないと思われるのが残念だ。 第一に、残響が長すぎて、各楽器が分離していない。拙者、ブルックナーについては、しっかり細部まで聴けるバランスで聴きたいのです。そうでないと、天体の運行を感じることが出来ないのです。ブルックナー休止の瞬間には、全く無音でいて欲しいのです。それなのに、残響がきついわりに、重量感が無いんです。これは録音の失敗というか、拙者には合わない。 第二に、これは本当に言いたくないのだけれど、やっぱりブルックナーは第四楽章を書くのが下手なのではないか、という拙者の心配が払拭できない、ということ。ブル7、ブル8とか聴くと何時も思うのですが、最終楽章、なんだか、どう終わらせたいのか、よく分からないんですよね。加えて、この未完のブル9の第四楽章は、神の世界を描こうとした大曲でしょ。それが、やっぱり、SMPC最新版と言えど、描けていないと思います。それは、SMPCだから、他人だからではなく、もともとブルックナー様が神の国を描けていなかったんだ、と思えてしまうんですよね。そのブルックナー自身の限界(そう言ってしまうのは、ちょっと怖い。嫌だ)が、第四楽章までまとまって聴いた時に、突きつけられてしまう感じがしました。 SACD Playerで聴いたらもっとマシに聴こえるのかな。そうすれば、もっと印象も変わるのだろうか。 試みは本当に評価するし、こういう試みのCDは今後も買うと思うけれど、この盤のブル9は、ちょっと長めの、普通の四楽章の交響曲を演奏した、という感じになってしまっているのが、悔しい。 まず、そこから始める必要がある、ということですかね。そういう覚悟を背負って、録音したのだとしたら、このボッシュというオッチャン、なかなか気合の入った人だと思います。 Bruckner: Sinfonie No. 9 [Hybrid SACD] ▲
by jazzamurai
| 2010-01-27 01:24
| 無定見 クラシック三昧
![]() 本日は、午後から半休をもらい、仮眠して体調を整えた上で、北山の京都コンサートホールで、井上道義氏が振る、ブルックナーの交響曲第9番を聴いてまいりました。 初めての生ブル9、ホンマに今日が楽しみでした。 コンサート第1部は、モーツァルトの交響曲第36番ハ長調「リンツ」。なんでモーツァルトとブルックナーの組み合わせなんだと疑問に思っていましたが、なるほど、そうか、ブルックナーと言えばリンツ、ですもんね。 初めて聴きましたけど、良い曲ですね~。愛らしいメロディと上品な香り。モーツァルトさんの頭の中は一体どうなっていたのでしょうか。こんな素晴らしい曲を次から次へ書いていたなんて、信じられない。だって、ザルツブルクからの帰りに立ち寄ったリンツで、当地の伯爵の希望で急遽、3日~4日で作曲した、っていうんですよ。こんな良い曲を。嘘でしょ~。井上氏の指揮姿も軽やかで流れるよう。かっこいいなあ、良い曲だなあ、と惚れ惚れしましたが、なんか演奏はくぐもって、華やかさが無い。うーん、何だかなあ。 20分の休憩の後、ブル9。版はノヴァークでしたが、9番はあまり関係ないですよね。 最初っから、最後まで、ゆっくりとした速度で、演奏されました。「ブルックナーの指揮はジジイが良く似合う。ジジイになったとは思わないが、そろそろブルックナーを振っても良いかなと思い出した」とプレトークで仰っていましたので、たぶん速く演奏するんだと思っていた拙者は、結構、面食らいましたね。特に、あんな遅い第2楽章は初めてです。 しかし、弛緩する所はなく、適度な緊張を保ったまま、最後まで、素晴らしいコントロールをしてくれたと思います。何度、感動して背中が総毛だったか。ホンマに良かったです。何人いたんかなあ、オケも舞台からはみ出そうなほどいて、爆発する時の音量は凄かったですね。特に金管はやっぱり迫力があった。生で聴いて良かったなあ。左右の広がりとか、やっぱり家ではあんな迫力では聴けません。フルートと木管が上手かった。 最後、無音の小節があるはずで、フライング・ブラボーする奴がいたら嫌だなあ、と思っていたのですが、演奏の余韻をじっくり楽しんでから、ゆっくり拍手が起きました。とても良かったです。もうちょっと前の席に座ってたら、拙者も立ってブラボーと叫んでいたかもしれません。 と、褒めるのはここまでにして。演奏ですが、ホルン?が再三不安定になって、ちょっと余計な所で緊張したなあ。「次のパートってまたソロあるぞ」とか思うと聴いてるこっちが冷や冷やしちゃってね。困ったです。 後は、拙者の周囲の客層がイマイチ。後ろで寝てるオッサンがいるんだもん。折角の第3楽章、天界に昇ろうとする瞬間にイビキで~(涙)。 遠くだったので、見間違いかも知れませんが、SPを1人連れて門川市長が和服姿で聴きに来ていたように見えました。演奏に先立つプレトークで、井上氏は、「京都市はちゃんと京響に補助してくれてますか。皆さん、もっと京響に仕事を下さい。そして、京響のメンバーにちゃんした給料を払ってやってください。私はオーケストラ・アンサンブル金沢にめちゃくちゃ仕事させています。もっと京響に仕事をさせてやって下さい。そして、ついて来れない奴は首にして下さい」と仰いました。実は、拙者が以前から京響に対して思っていたことそのままだったので、非常にびっくりしました。このオケって、本当にこのままで良いのでしょうか。拙者としては、2週間に1回は演奏して欲しい。そして1回の席代をもそっと細分化して欲しい。しょぼい席もあるわけだから、1回1,000円位の席だってあっても良いじゃない。1階後方は、2,000~3,000円位にならんか。パンフレット、チラシもあんな高級なのはいらん。この印刷費を給料に回せないのか。 とか、色々なことを思うと共に、井上さんという指揮者が好きになりました。 次の生ブルは何処かな。色々な所で聴いてみたいな、と思っております。 ▲
by jazzamurai
| 2009-10-31 00:11
| 無定見 クラシック三昧
god-zi-llaさんに教えていただいた「LONDON国内初期盤」。クラシック初心者の拙者としては、全般的な入門編として、これ程ありがたいものはないと思っております。
盤は重量盤だし、音は良いし、安いし。 それに、ジャケットも良いんですよね~。ちょっと面白いというか・・・・。 ![]() チャイコフスキー/幻想序曲「ロメオとジュリエット」 リヒャルト・シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」 1962年発売。SLC1080 チァイコというお方はホンマに哀愁たっぷりのメロをお書きになる。 ![]() リムスキー・コルサコフ/スペイン奇想曲 グラナードス/アンダルシア-スペイン舞曲 シャブリエ/狂詩曲「スペイン」 モシュコフスキー/スペイン舞曲、第1集 1962年発売。SLC1104 全く知らない作曲家ばかり・・・・。面白かったです。 ![]() 交響曲第1番 小管弦楽組曲「子供の遊戯」 組曲「美しきペルトの娘」 1962年発売。SLC1157 「カルメン」とか「アルルの女」を書いた方だとか。・・・・知らんかったどす。17歳の作品である交響曲第1番、なかなか典雅な感じです。 ![]() レオンタイン・プライス(ソプラノ)、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン楽友協会合唱団、ウィーン・グロスシュタット少年合唱団。1962年発売。SLC1189 クリスマスに聴く音楽が無いなあ、って、思っていたのですが、良い物があって良かったです。ジャケットがカワイイ。 ということで、全部、拙者が生まれる3年も前の発売なのですが、音が活き活きとしていて、ホンマに良いです。見つけたら買いたいなと思っています。カラヤンの「惑星」とか欲しいですね。 だから、ご覧の皆様、京都ではあまり買っちゃダメですよ!! ▲
by jazzamurai
| 2009-05-17 22:39
| 無定見 クラシック三昧
![]() 2月1日、京都コンサートホールであった、ジュニアオケのコンサートに行って来ました。 ちなみに、去年のレポートはこちらです。 指揮は京都市交響楽団の常任指揮者、広上淳一氏。 曲目は、 シャブリエ/狂詩曲「スペイン」 グノー/歌劇「ファウスト」よりバレエ音楽 ベートーヴェン/交響曲第7番 イ長調 作品92。 アンコールは、ハンガリー狂詩曲、だったかな? 昨年初めて行ったのですが、一般1,000円という安さで、良い演奏が生で聴けるのが嬉しくて、今年も行って来ました。・・・・第25回京都こどもてづくりたこあげ大会からの強行軍だったので、ちょっと疲れましたが。 まあ、ホンマ、みんな上手いですわ。下は11歳から上は23歳までの精鋭です。何が良いって、活きが良いのが良い。前から4列目位の中央で聴いていましたが、音が弾けてるもんねえ。 それにクラシック初心者にとって、生オケが1,000円で聴けるのが良い。毎月やってくれんかなあ。 シャブリエとか、グノーとか、初めて聴きましたけど、面白い曲でした。若干17歳のコンマスにびっくりしましたが、この子がまた、めちゃ上手いし音がデカイんですわ。彼女ばっかり聞こえるし、オケ全体を引っ張っている感じがしましたね。聴き場所にもよるのでしょうが。 んで、ベト7。やっぱり生で聴いた感想は、主旋律以外の所で、如何に動いているか。ベートーヴェン先生の、その仕事ッぷりに感心。オケの明るい歌いっぷりに感心。ここでも、コンマス譲った17歳の彼女と、その右隣にいた方の音が良く聞こえて、説得力にいたく感心しました。第4楽章ラスト、金管が吠える所で身震いするほど感動しました。選曲が良いのかなあ、やっぱりこのオケでブラームスの第4番とか、ブルックナーの諸作とか、シューベルトとか、そういうのは似合わないのかな。 ベトベンさんの第4とかは良さそう。ブルックナーさんの「ロマンティック」とかは無理? ということで、オケには不満は無いのですが、指揮者の広上淳一さんには大不満です。前すぎるのが良くないと言われればそれまでですが、「ハァッ!」とか「フンッ!」とか「チャッチャカチャッチャカ」とか、指示出しの声が全編に渡って聞こえてうるさいうるさい。オケが分かりやすいように指揮したはんのは、見えないところで丁寧に影テンポ出しているところをみても理解できるのですが、1,000円とは言えど金を払っているので、リハーサルみたいな声による指示出しは止めて欲しかったなあ。レコードとか、テープを聴いた時に、データのゴーストがイントロに先んじて聞こえてしまって白ける時があるでしょ(え゛、そんなこと考えたこと無い?)。あれと同じで、めちゃ白けるんですよね。あと、指揮棒落とすとか、右サイド弦の譜面代転かしそうになるとか、バタバタしていて落ち着かん。それと、テンポ変えすぎるのも気にくわない。今、ヴァント先生の1987年10月録音のCDを聴いていますが、拙者はこういうテンポ弄らない方が好きです。ベトベンさんに関しては。 色々思うところはありましたが、きっと来年も行くと思います。理由は、気楽だから。演奏している側は必死だと思います。でも、その若い熱意と創作意欲をたった1,000円で聴けるのですから、こんなコスト・パフォーマンスの高いアミューズメントは無いと思うんです。幕間にワイン呑んだりしてね。ちょっとスノッブな感じも楽しめますし。 また、知り合いのお医者さんが仰っていたのですが、カナダで勤務していた時、市の交響楽団の演奏会に毎週のように行っていたらしいんです。座席の場所を選ばない限り、気楽に毎週行けるオケがあることは羨ましいです。でも、京都市の状況はそうではない。年間会員にでもなれば良いのでしょうが、拙者はあのオケに対して、それ程のサポーターになろうと思うほど、魅力を感じないんですよね~。 ということで、ジュニアオケを聴く度に色々考えてしまうのでした。 しかし、若いって良いなあ~。
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by jazzamurai
| 2009-02-05 00:49
| 無定見 クラシック三昧
![]() Carlos Kleiber (conductor) Wiener Philharmoniker Symphony No. 4 in E minor, Op. 98 A1.Allegro non troppo (E minor) 2.Andante moderato (E minor/E major) B1.Allegro giocoso (C major) 2.Allegro energico e passionato (E minor) カーロス・クライバー49歳の演奏。Amazonのレヴューでは絶賛されてますよねえ。演奏が速いとか、「紅葉のワインディングロードをスポーツカーで自由気ままに走り抜ける」とか・・・・。 まあ、色々な意見があっても良いと思うので、拙者のやうな意見も許されると思う、という控えめな感じで切り出しますが、そういう評価と全く逆の印象を持っています。 A面は良いと思うんですよ。第1楽章なんか凄く情熱的で。第2楽章も翳りがちで思い詰めた雰囲気をよく歌ってると思うんです。 でも、何か拙者の考えるカーロス像と異なっているんです。何だか仰々しいというか。カーロスだと思わなければ、とても良いのですが。 んで、拙者にとって問題なのは第3楽章です。他の指揮者の演奏を多く聞いた訳では無いので、他の方の意見もお聞きしたいのですが、第3楽章のもったいつけたテンポの変化がどうも馴染めない。カーロスらしくない。 そのため、もともとあまり馴染めない第4楽章の最後も渦をまいて天に昇っていくような感じを味わえないんですよね・・・・。結局、通して聴いた印象は、1~4まで、頭から終わりまでコッテリした感じに聞こえてしまって、結局すとんと落ちないのです。 皆様は、どう思われます? ブラームス:交響曲第4番
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by jazzamurai
| 2009-01-21 16:11
| 無定見 クラシック三昧
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