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![]() Columbia 30th Street Studios, NYC, June 5 (A3,B1,2,3), September 10 (A1,2)1956 Miles Davis (tp) John Coltrane (ts) Red Garland (p) Paul Chambers (b) Philly Joe Jones (d) A1.'Round About Midnight 2.Ah-Leu-Cha 3.All Of You B1.Bye Bye Blackbird 2.Tadd's Delight 3.Dear Old Stockholm マイルス、コルトレーン29歳の録音。 えっ、録音はマラソンセッションより前なの?知らなかった。 実は、レコード2種類と、CD1枚持ってます。CDは2006年のDSDマスタリング紙ジャケ。拙者が紙ジャケにはまっていた時分に買った。 レコードは昔から持っていた、1984年日本版デジタル・マスタリング、原価2800円と、2年位前に買った、カナダ盤溝あり臙脂ラベル。マトリクスはXLP39109-1A/XLP39110-1A。 なんで、アメリカオリジナルの6eyesじゃなくて、カナダ盤、んて話ですが、CL1000番台までは、オリジナルはラベルが臙脂だって聴いたことあるのね。それで、前からちゃんとした盤が欲しかったから、臙脂のラベルを買ったというわけですが、よく見たらカナダ盤だったというオチ。 あらら・・・・。 まー、いいです。カナダ盤も良い音だから。うんうん、良い良い。 んで、カナダ盤を買った時に1984年版日本版を売っちゃうつもりだったのですが、何故か未だに持っている。というのも、聴き比べて楽しんでいるのです。 理由は、この演奏が好きだから。 聴くたびにどんどん好きになる。特にA1、霧のような幕を降ろすコルトレーンのテナーの前を、マイルスの哀愁ミュートが鳴く。それだけでもうカッコいいのに、キメの後のコルトレーンの迸る若々しいソロの素晴らしさといったらない。それを聴くだけで満足する。 若い頃は、この演奏に刺激を感じず、単調に思っていたけど・・・・、若いコルトレーンは本当に良い。というか、1955年のコルトレーンは、確かに器用では無いけれど、吹き切れていないもどかしさに、却って内なる情熱を感じるような気がする。 同じ年の青年なのに、マイルスの落ち着きとコルトレーンの若さの対比が、このクインテットの魅力ですよね。 後、ピラピラしたガーランドのピアノと、どすこい感じのフィリー・ジョーのドラムの対比も面白い。 マイルスはホント、トータルなコーディネートが素晴らしいと思う。 しかし、マイルスとコルトレーンのコンビはホンマに良いですね。何だか、コルトレーンのいないマイルスなんて・・・・、という感じさえもしてくる。新主流派クインテットも大好きなんですけどね~。 やっぱり6eyesも欲しいなあ・・・・。 えっと、老婆心ながら、マイルスのレコードを中古でお買いになる場合は、上に青い帯が付いた、1800円の廉価盤は避けた方が良いです。拙者も結構持っていますが、殆ど音が悪いです。 Round About Midnight (Spec)
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by jazzamurai
| 2010-10-23 00:47
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Miles Davis (tp) John Coltrane (ts) Hank Mobley (ts) Wynton Kelly (p) Paul Chambers (b) Jimmy Cobb (d) A1.Someday My Prince Will Come 2.Old Folks 3.Pfrancing B1.Drang-Dog 2.Teo 3.I Thought About You マイルス35歳の録音。コルトレーンも35歳。 ついに念願の6eyesのStereoを購入。またもや清水の舞台から飛び降りるような感じでしたわ。 ジャケットはご覧の通り、ちょっとポロです。でもレコードはフキフキした結果、目だったノイズも無く、非常に良好です。廉価日本盤も音が良かったけど、やっばりオリジナルステレオは良いですね~。この盤はモノラル好きな日本のジャズファンの中でも、ステレオの方が音が良い盤と認知されているようです。 メンバーは新主流派の若者に替わる前の経過的クインテットに、コルトレーンがゲスト参加。最後の競演盤だそうです。全編通じて、マイルスはゆったり吹いている。それと、ケリーのピアノが良い。全体に漂う、ちょっと暖かい雰囲気は彼が作っているようにも思えるくらい。 A1は、ワルツタイムの説明不要の名曲、名演ですね。イントロの入り方が良い。あれはチェンバースが考えたんやろか。ほんのり穏やかなフレーズのマイルスのミュートによるソロ。続いてモブレーのソロは、ちょっと古臭いけど、なかなかソフトタッチで良いのでは。ケリーのソロはお洒落で良いです。さて、マイルスがテーマを吹くので、終わりかと思いきや、満を持してコルトレーンの登場。曲に合わない、吹きまくり。それがまた、曲を潰すのではなくて、違った活気を与えるんよね。そして、マイルスが独りでテーマを吹き、ケリーの軽いソロを経て終っていく。芝居がかった良い演出だと思う。 A2は、なんともアーバンな感じのバラード。こういうのやらせると、やっぱりマイルスは凄いなあ。音色が良いんよね。テーマを吹くだけで、即興しなくても、全て言い切った感があってね。続くモブレーの湿った感じのソロ、ケリーの軽やかなソロも良いです。 A3は、ミディアムテンポの簡単なテーマ。短いケリーの後に登場するマイルスの余裕を感じるソロ。再びケリー登場の後、モブレーの押さえたソロ。ちょっと緊張気味じゃないの。コルトレーンの出番はなし。 B1も、ミュートによるバラード。ジミー・コブのブラシが良い音している。 B2は、スパニッシュな感じのワルツタイムでモード。コルトレーンのソロが凄い。吹きまくり。流石、インパルス移籍直前の男前な演奏やわ。 B3も、素晴らしいバラード。問題はモブレーで、やっぱりリリカルなマイルスのソロの後では、ちょっと下品なのかなあ・・・・。モブレーの良いところが出ていない気がする。 確かによく聴くのはA面だけど、B面も良いですわ。 ジャケットの女性は当時のマイルスの奥さん、のはず。ぬおお~上半身ヌード、と思うなかれ。モノラル盤ジャケットでは、上方の←stereo→が裏側に巻き込まれ、写真全体が上に移動した結果、彼女はちゃっかり胸元に青いドレスを着ています。そっちのジャケもカワイイです。 サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム(紙ジャケット仕様)
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by jazzamurai
| 2010-10-18 18:16
| 無節操 ジャズ三昧
![]() John Coltrane (ts) McCoy Tyner (p) Jimmy Garrison (b) Elvin Jones (d) A1.Pt. 1: Acknowledgement 2.Pt. 2: Resolution B1.Pt. 3: Pursuance 2.Pt. 4: Psalm 暑いですね~。皆様、体調は如何ですか。拙者、寒いのが大嫌いなので、夏は大丈夫です。なんせうち、クーラー一機も無いもん。というか、使えないの。 いや引越し当初は2機とも使えたんですよ。でも、昔の人が残していったもので、どうも、フロンが抜けてしまったようなのよね。管理不行き届きとはいえ、大変環境に悪いことをしてしまいました。 しかし、寝苦しくて困るということは、年に3回あるかどうか。今年は、まだ無い。高野川沿いの我が家の夜は、まだ涼しいでござるよ。 ということで、本盤ですが、きっと、今後、何回も取り上げることになるだろうから、最初は簡単に行きます。 ちゃんとしたImpulse盤が欲しくて、手頃なのを探していたのですが、ステレオのオレンジ盤艶なしラベルを2,200円で得ました。ただし、ビニ焼け部分あり+ブート音入り。ジャケットも汚れてる。よく考えりゃ、裏面撮りゃ良かった。一緒の写真なんだから。 何回か、書いていることですが、高校二年生の時、初めて買ったコルトレーンがこれだった。ビクターの2,000円シリーズだったかな。買った帰りに当時大好きだった女の子と帰り道が一緒になって、大人ぶって話していたような感じだけを覚えている。これを安くで手放してしまって、ちょっと後悔しています。 正直、拙者の中でコルトレーンは、「至上の愛」前と以降でバッツリ分かれていて、前には殆ど興味がなかった。聴いてても、お勉強している感じ。・・・・殆どのコルトレーン・ファンと全く逆の聴き方ね。 しかし、本盤も、最初、全く良さが分からなかったし、コルトレーン好きとして、ファーストチョイスの盤ではなかった。なんか、まずコンセプトがあって、スタジオでおとなしく録った感じがしていたのね。 でも、年取って、耳が肥えてきたせいか、この落ち着いた中に秘めた、魂の熱さを、ゾクゾクするほど感じるようになってきたわけね。 特にそれが、このImpulseのVAN GELDER刻印盤を聴くと、とても身近に感じるわけです。 特に、今まで拙者の耳に全く聴こえていなかったジミー・ギャリソンのベース。とてもぶっとく、無骨に響いてきます。エルヴィンのスネアの跳ねた音も。今まで聴いてた邦盤やCDとは全く違うものです、これは。このレコードのエルヴィンはよく聴くとホンマに凄い。こんなにフレーズに絡み、否応なく鼓舞されてしまうドラムを聴いて、熱くならない方がおかしいっつーの。特にA2、B1。そのうち、B1の、コルトレーンのソロになってからの、破綻すれすれのドライブ。まるで高速カーチェイス。これが邦盤を聴いていた時は、凄く神経質な印象を持っていたの。けど、実は、もっと血沸き肉踊るスリルだったのね。 A2のテーマの所で、1、2、3、4パン、って感じのピアノとドラムのキメが大好きなのですが、その躍動感も全然違った印象を受けます。A1の、みんなで「A Love Supreme」と歌っている箇所も、なんか、恥ずかしげにぼそぼそと歌っている印象だったのが、誠実さをとても感じたりしてね。 耳が肥えて、聴こえていなかった部分に思いを至らせることが出来るようになったのかもしれませんが、でも、やっぱりImpulseのVAN GELDER刻印盤の情報量は、邦盤の廉価盤とは全然違うと思います。 今まで何回聴いてきたか分からないコルトレーンを改めて聴いて感動し直せる幸せよ。 でも、やっぱり聴かないにせよ、邦盤は手元に置いておくんだったなあ・・・・。 ▲
by jazzamurai
| 2010-07-29 00:33
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Henry Threadgill (as,bs,Flute) Fred Hopkins (Bass) Pheeroan Aklaff (Percussion) A1.Sir Simpleton (11:02) 2.Difda Dance (12:53) B1.Roll On (4:56) 2.Tragedy On A Thursday Afternoon (8:32) 3.No.1 (9:09) ヘンリー・スレッギル39歳、フレッド・ホプキンス35歳、フェローン・アクラフ28歳による、モントルー・ジャズ・フェスのライブ。 拙者は基本的に、Soul NoteやBlack Saint等のイタリアレーベルに残された、ロフト・ジャズの演奏が、あまり好きではありません。過激さにおいて、一歩、後退した印象を持っているからです。 しかし・・・・、ジュリー・ロンドンが好きになった今、過激さだけを基準にしてもね。 ということで、Soul NoteやBlack Saint系の盤も、出来る限り、もう一度聴いていこうと思っている昨今ですが、本盤は、大学生だった当時から、先入観無しに大好きだった一枚。 ジャズ喫茶に勤めていた時、一日一回は聴いていた。 ただし、A面だけ。 ホプキンスが力強くリフを刻み、フェローンがオフ・ビートから開放された自由なビートを刻み、スレッギルが歯切れ良く、スムーズに吹きまくる。演奏は全然、熱くは無いのよ。非常にクールにコントロールされている。 A1、曲名は「Sir」だが、音階は非常に日本的。不敵なベースリフに乗って、フェローンの左足が刻まれる。金属系パーカッションが鳴り響き、スレッギルのアルトがすべり込む時のスリリングなこと! A2、これも単純かつ力強いベースリフに乗って、スピーディーに展開される、集団演奏。誰が演奏の中心で、とかではなく、三者均等のパフォーマンスが、ポスト・フリーの軽やかな地平を描き出す。 まあ、ホンマに。この2曲の演奏での、フェローン・アクラフのドラムは、ポスト・トニー・ウィリアムス、と、思ったけどね。 と、A面は単純で良いのだけど、B面はなんだか、こねくり回したようで、あんまり好きじゃない。 んで、他の盤を一通り聴いてみたのだけど、同じ感動に回り逢ったことがない。 山下洋輔ニュー・ヨーク・トリオに、フェローンが加わったと知った時、良い演奏が聴けるだろうと思ったが、あのトリオの演奏は、うーん。言及できません。つまんなかったです。 久しぶりにDisc Unionで安くで入手して、改めて聴いてみて、20数年前と同じ印象でした。 腐しましたが、A面のスリリングさは掛け値なしで良いです。安くで見つけたら、買ってみてください。 ▲
by jazzamurai
| 2010-07-10 00:24
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Phineas Newborn Jr. (p) Oscar Pettiford (b) Kenny Clarke (d) Calvin Newborn (g) (d) A1.Barbados 2.All The Things You Are 3.The More I See You 4.Celia B1.Dahoud 2.Newport Blues 3.I'm Beginning To See The Light 4.Afternoon In Paris フィニアス、24歳の大傑作、大名盤。 バド・パウエルの再来、と言われた若き日の、快活で茶目っ気タップリの明るい音を、見事に収めている。 拙者は深く、彼にわびたいと思っている。ずっと長い間、ぴらぴらと軽いピアノ弾きやがって、ぐらいにしか、思っていなかった、拙者は浅はかだった。ちょっと調べれば、彼が十分な説得力を持つ演奏者であるにもかかわらず、作品が非常に少ないことは、すぐ分かるはずだったのに。 彼は、1960年代半ばには精神疾患を発症、アルコール中毒に陥り、1980年前後に一時的に復活したものの、貧しいまま、がんで世を去った。全然知らなかった。 まだまだ、勉強が足りませんね。 そんな悲惨な話は知らなくても、全く影響なく、「この盤は良い!!」と心から楽しめるこのレコード。リズム隊はぺティフォード、クラーク。完璧!! ピアノをバンとまん前において、リズム隊はバックアップに徹底。ケニー・クラークのブラシが優しく且つ切れ味鋭い。兄貴のギターは入ってるって、気付かないから、パス。 「A1」、パーカーの名曲。コロコロと歌うフレーズ、これが次第に難易度を増して行き、高速でユニゾンする時、凄すぎて笑うしかない。信じられない、スリリングな楽しみ。 「A2」、こういうの聴いてると、ショパンとか、リストみたいな、超絶技巧のクラシック作曲家って、生きてリアルに演奏していた頃は、こんな感じだったんじゃないかな、みたいな感動がします。 「A3」、切ない名曲です。これもやっぱり、ショパンとか想像しちゃうんやけどなあ。 「A4」、バドの名曲。対抗心むき出しの超速弾き。でも良いじゃん。ケニーのおっちゃんの4小節交換もグッド。 「B1」、ちょっとラヴェルみたいなイントロ。短い中に素晴らしい内容を詰め込んだ快演。 「B2」、フィニアスがブルースをやるとこうなる。ソロで弾いてます。速弾きも感心するけど、リズムにブレが無いのが良いです。 「B3」、よーまー、こんだけヴァリエーション豊かなソロがとれるもんだと感心する。 「B4」、ジョン・ルイスの小粋な名曲。まあ、テーマから思いっきりジャンプして、まあ派手に飛び回るもんだ。この暴れっぷりは凄いなあ。 録音はRVG。音は最高。アナログはオリジナルを安く探すのが絶対お得です。フィニアスの素晴らしさと、アトランティックのモノラルオリジナル黒ラベルの音の良さを教えてくれたジャズ喫茶「む~ら」のマスターに感謝します。 ヒア・イズ・フィニアス(完全生産限定盤) HERE IS PHINEAS ▲
by jazzamurai
| 2010-06-30 23:47
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Bill Dixon (tp) Ken McIntyre (as,oboe) George Barrow (ts) Howard Johnson (tuba,bs) David Izenzon (b) Hal Dodson (b) Howard McRae (dr) A1.Winter Song 1964 (Dixon) 2.The 12th December (Dixon) ![]() Archie Shepp (ts) John Tchicai (as) Ted Curson (tp,B3) Don Cherry (tp) Ronnie Boykins (b) Sunny Murray (dr) B1.Where Poppies Bloom (Where Poppies Blow) (Shepp) 2.Like a Blessed Baby Lamb (Shepp) 3.Consequences (Cherry) ということで、ビル・ディクソンの続きだけど、何で64年なんていう激動の時期に、こんな作曲がちがちの曲を演奏しているのか、意味が分からない。3か月後に、アルバート・アイラーは「スピリチュアル・ユニティ」を録音するんですよ、ディクソンさん。 「A1」、ツイン・ベースのベースラインも作曲したものでしょ。その上で古典的なソロ回しを展開。いやいや、ディクソンさん、フレーズを上下にふっても、全然管が鳴ってないし。ケンちゃんのオーボエ、全然鳴ってないし。ハワード・ジョンソンのバリトンが少し聴けるくらい。 「A2」、目的が何なのか、さっぱり分からない。 カルル&コモリの「ジャズ・フリー」人名図鑑によれば、「一種の媒介者、新しい才能の発掘者となる」とあるので、新進の演奏家のリーダーとして、レコード会社の折衝なんかに当たってたのかしら。しかし、ミュージシャンとしては、演奏面、作曲面ともに、全く魅力を感じないんやけどなあ・・・・。すみません。 アンサンブルもゆれゆれ・・・・。 B面のNYC5ですが、「B1」、サニー・マレイがめちゃくちゃなパルスビートと例の唸り声をあげて雰囲気を作ってるのに、ベースが4つを刻み続ける。何がしたいんだ、という感じ。しかし、管の3人は流石、というか、はちきれそうな勢いで吹いてます。ベースがなにやってんの、の感じだから、完全な自由さを得ていないですね。 「B2」、えらいアーシーな。ちょっと「イエスタディズ」に似たバラードから始って、シェップがねちっこく吹きます。吹けてますね。これは、4ビートでもカッコイイでしょう。かなりホンカーな雰囲気を漂わせてますが。 しかし、このドン・チェリーの音のハリをディクソンさんと比べると・・・・、そりゃチェリーでしょ。 「B3」はモロにフリーだけど、やっぱりベースが歌ってないので、サニー・マレイのゆったりした良い所が出ていない。 出したところがサヴォイだからかなあ。なんか、リミッターかかってるような、妙なレコードなんですよね。まあ、オーネット以前と以後が全く変わってしまったように、「スピリチュアル・ユニティ」以前と以後も全く世界は変わってしまったと思うので、過渡的な作品なんでしょうね。 7-Tette / Archie Shepp & Ny Contemporary 5 ▲
by jazzamurai
| 2010-06-27 22:22
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Bill Dixon (tp) Archie Shepp (ts) Don Moore (b) Paul Cohen (dr) Reggie Workman (b) A2 only Howard McRae (dr) A2 only ビル・ディクソンが6月16日、バーモント州の自宅で死去。84歳。1925年、マサチューセッツ州生まれ。56~62年に国連職員。64年、ニューヨークで「ジャズの10月革命」をプロデュース。68年バーモント州の大学で教職に就き、73年に黒人音楽科を設立。とのこと。 ・・・・とは書いてみたものの、正直、この人の盤って、これとあと、「Bill Dixon 7-tette/Archie Shepp and the New York Contemporary 5 (Savoy)」しか持ってないんよね。 この盤はソニーの邦盤です。まあ、音はもこもこですわ。オリジナルはサヴォイらしいです。ピアノ・レスの二管ですが、非常に聴きやすい、というか、オーソドックス。オーネットの影響下にあると思うのですが、ベースとドラムの演奏が古典的なので、枠の中に入っちゃうんですよね。 ディクソンのプレイは、うーん、何回聴いても特徴がつかめないんですよね。でも、作曲が良くて、単純で良い曲を書きます。 コルトレーンに影響されていない、初期のシェップを聴けるという、価値のある盤なのですが、音の悪さや、ディクソンの演奏に耳を奪われない、という点から、こんな機会でもなかったら、やっぱり聴くことはなかったかもしれない、と思います。 いや、内容が悪い訳ではないんですよ。歴史的に意味のある盤だとも思いますが・・・・。 音が良かったら、もっと聴くかもしれません。 でも、これを機会に、レコード棚の「S」の場所から「D」の場所に移すことにします。おっ、DavisとDolphyの間だ・・・・。 ARCHIE SHEPP / BILL DIXON QUARTET ▲
by jazzamurai
| 2010-06-22 00:12
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Oliver Nelson (ts, as, cl) Eric Dolphy (as, bcl, fl) Richard Wyands (p) George Duvivier (b) Roy Haynes (d) A1.Images 2.Six And Four 3.Mama Lou B1.Ralph's New Blues 2.Straight Ahead 3.111-44 これも「輝かしいドルフィの61年」の一枚。拙者のは紺ベタのモノラルです。一週間前がオリヴァー・ネルソンの「 The Blues And The Abstract Truth」セッション、16日後がブッカー・リトル「Out Front」セッション。どちらも大名盤、その間に挟まれた若干目立たない盤だが、やっぱりこれは良い盤だろう。 ネルソンの作る曲って、なんか全部ちょっとファニー、で、ブルースフィーリング。リフが基本で、泥臭い感じがする。 A1、ゆったりとミステリアス。ネルソンのアルトはアーシー。ドルフィのバスクラも色っぽいけど、やっぱり上下を激しく行ったり来たり。よーそんなフレーズを思いつくな、と感心する。 A2、リフから作られたブルース。ネルソンのアルトはゆったりと黒い。ドルフィのアルトは、ブルースだろうがなんだろうが、やっぱりドルフィ。この突拍子の無い違和感が素晴らしい。 A3、最初はフルートでゆっくりと。途中からちょいとファンキーな、かつ入り組んだテーマを軽快に演奏。ネルソンのアルトも良いけど、やっぱりドルフィのぶっ飛んだアルトのソロが最高。 B1、簡単なリフがテーマ。ミディアムテンポの中をドルフィのバスクラが高速でかっ飛ばす。ネルソンのテナーは豪快にホンカーな雰囲気ですけど。まったくちがうよね、この二人のプレイは。 B2、この盤最大の聴き物のタイトルナンバー。込み入った高速フレーズのテーマをユニゾンで吹く二管を聴くだけでウキウキする。最初はネルソンのアルト。結構、軽やかでテナーとは違った印象。続いてドルフィの切れ味の鋭いこと。なおかつまー、短い時間内にぎゅうぎゅうに押し込んで、きりっと終わるところがまたカッコいいんよ。ピアノソロの後のフォーバースがめちゃカッコいい。短いドラムソロも。 B3、ミディアムテンポの曲で、ドルフィはバスクラ。これは比較的にリラックスして吹いてるかな。 ドルフィって、彼自身も常にホットですが、共演者に火を付ける天才なんだと思う。ドルフィのいる場所には必ず独特の良い感じの緊張感が漂い、演奏は熱くなっていく。その雰囲気自体がドルフィ参加盤全てに共通する良いことだと思う。 あと、この盤はピアノ、ベース、ドラムが良いです。ヘインズが良いのは何時ものことだけど、この全然知らない、リチャード・ワイアンズのピアノが良い。 ジャケのデザインが、オリジナルのくせに再発っぽい雰囲気を漂わせているのが、名盤と呼ばれない理由なんですかね。でも、かなり良いと思います。 Straight Ahead
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by jazzamurai
| 2010-05-31 21:58
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Recorded 1966 Roswell Rudd (tb) Giuseppi Logan (fl, bcl) Lewis Worrell, Charles Haden (b) Beaver Harris (ds) Robin Kenyatta (as) A1.Everywhere (11:35) 2.Yankee No-How (12:04) B1.Respects (11:40) 2.Satan's Dance (12:01) ラズウェル・ラッド31歳、 ビーバー・ハリス30歳、ロビン・ケニヤッタ24歳、ヘイデン29歳、ルイス・ウォーレル年齢不明、ジュゼッピ・ローガン31歳。そう、この盤にはローガンが入っている。てっきり、ジャズの歴史の中から消え去って、狂い死にしたのだと勝手に思っていたが、Wikipediaで調べると、彼はどっこい生きていた。良かった! 彼の参加した盤の中でも希少なこの盤を、拙者、殆ど見かけたことが無い。拙者のは緑ラベルです。9126番だから、オレンジラベルのオリジナルがあると思うのだが、そんなものが存在するとは、つい最近まで考えたことがなかったわ。 主にビーバー・ハリスによってもたらされる、完璧かつ強烈な混沌。その中を誰がソロを取るでもなく、集団即興演奏を繰り広げるこの盤は、一聴、聴き辛いことこの上無いが、それでも聴けてしまうのは、全員が真摯で、虚飾がないから。 それにしても、控えめに演奏するローガンの異常さは、ちょっと怖いものがあります。なんだろう、ジャン・リュック・ゴダールの『ワン・プラス・ワン』に出てくるブライアン・ジョーンズみたいな怖さ、かな。 A1はインド風のイントロから静かに展開。ヘイデンのベースが全体の雰囲気を作る。ロビン・ケニヤッタのむやみに咆哮しない誠実なプレイが良いです。対照的なラッドの豪放なプレイ、落ち着いてはいるものの、異常な雰囲気をかもし出す、ローガンのフルートとバスクラ。 A2は、ラッド作のファンキーなテーマだが、全く関係無しに混沌に突入。全く、この頃のビーバー・ハリスは、ミルフォード・グレイヴスと並ぶ強烈なフリージャズ・ドラマーだった。アイラーの「イン・グリニウィッチ・ビレッジ」での演奏もそうとう強烈だけど、この録音での重い音の塊の連打は凄い迫力やわ。集団即興演奏で突っ走る。管は三者三様。ロビン・ケニヤッタの明確なプレイと、ローガンのまとまりの無いバスクラの対比が面白い。 暗い不敵なテーマのB1はゆったりめのフリー。これもソロのはっきりしない集団即興演奏で、三管の対比が面白い。バスクラだったり、フルートだったりのローガンがとにかく変。ヘイデンのベースをよく聴くと、やっぱりこういう全くのフリーは苦手そうに聴こえる。悪くないけど。ここでもロビン・ケニヤッタが吹けてる。 ローガンのオリジナル、B2はテンション高すぎ。地獄の業火みたいな強烈な混沌を従えて、ゆっくり歌うように吹くロビン・ケニヤッタのソロがめちゃめちゃ良い。ラッドのソロは、まともじゃない。メロディを吹かないんだもの。それこそサタンの呻き声。真打、ローガンのバスクラは変。低音でくねくねととぐろを巻く。でも、暗い情念とかじゃないのよね。ホントにこの時、おかしかったんだろうな、と思う。絶対に変だもん、この演奏。 こんなんがimpulseから初めてリリースされた時は、みんなびっくらこいたんだろうな~。年配のジャズファンのフリーに対する毛嫌いはこういう盤を聴いた時から始っているのだろうかね。 最後になりますが、拙者はラッドが好きです。New York Art Quartetのプレイとか大好きやもんね。 驚いたことにCDが出てた・・・・。エヴリホエア ▲
by jazzamurai
| 2010-04-21 01:07
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Ron Carter (b, cello) Eric Dolphy (as, bcl, fl) Mal Waldron (p) George Duvivier (b) Charlie Persip (d) A1.Rally 2.Bass Duet 3.Softly, As In A Morning Sunrise B1.Where? 2.Yes, Indeed 3.Saucer Eyes ドルフィの1961年は本当に輝かしい年だ。このセッションの二週間前がコルトレーンの「The Africa/Brass Sessions」、一週間後がマル・ウォルドロンの「The Quest Sessions」ですよ。その全てが一生傾聴する価値のある、素晴らしい音。そして、全く、1961年という年は、ドルフィだけでなく、ジャズが本当に面白かった時期なんだと思う。多くのジャズメンが、音楽を主体的に変えよう、変わっていく流れに乗っていこう、とする、ぎらぎらとした貪欲さ、発想の転換、真摯な努力、くそ真面目な取り組み、若く漲るパワー、そして、一方で笑っちゃいたくなる無鉄砲さに満ち溢れている。 しかし、このレコード。ジャケ写から既に笑えるし、ロン・カーターのセロがやっぱり調子っぱずれで時々笑える。しや、当人はいたって真面目だと思うんだけどね。 そのことは置いといても、やっぱりドルフィのプレイは良い。 バスクラとベースの弓弾き対決のA1。初っ端のロンさん、めちゃファニー。バスクラはよく録れている感じがして、聴き応えがあります。素晴らしいVan Gelder。ピアノもノリノリ。そりゃそうだよな。だって約1か月後には、Five Spotに出るんだもん。この二人は。 A2はドルフィ出番なし。ベースのソロ合戦だけど、結構、味わい深い。小粋な感じ。 A3はベースの弓引きで例のテーマが奏でられる。変。変です。Bメロをアルトで吹くドルフィが普通にキレイに聴こえる。続けてソロに入るドルフィ。とても良いソロです。これだけストレートにこの曲を吹けるなら、「Live at Village Vanguard」のA2でも吹かせてくれたらよかったのに、トレーン&ボブ・シールさま。ロンさんのソロはちょいと耳障りかな。ドラムとの四小節交換はアルトだけ。ここも切れ味鋭くやってます。 ランディ・ウェストン作のB1は良い曲。この曲のセロは良いですよ、ロンさん。ちょっとおフランスな感じもするくらい。ドルフィ出番なし。 のんびりとした良い曲のB2。指引きのセロのソロで、一定の音を執拗に繰り返すロンさん。変。変です。 ドルフィのフルートがカワイイ。 ふたたびランディ・ウェストン作のB3も良い曲。ちょいおしゃれ。ここでもドルフィのフルートが良いです。小洒落た感じでね。デュヴィヴィエ、パーシップのリズム隊って良いですね。特にデュヴィヴィエが良いです。めちゃ安定。音程不安定な誰かさんとはちょっと違う・・・・。 それにしてもPrestigeのVan Gelderさんは良い仕事してますね。つい最近までそんなこと意識したこともなかったけど、凄いなあ、と思います。 まあ、拙者は紫ラベ、青ラベ、オレンジラベで良いです。黄色+黒とか、手書きRVG、とかまでは望みません。 枚数も聴きたいしね・・・・。 ▲
by jazzamurai
| 2010-04-20 00:16
| 無節操 ジャズ三昧
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