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![]() Eric Dolphy — flute, bass clarinet, as Ron Carter — bass, cello George Duvivier — bass Roy Haynes — drums A1.Out There (Dolphy, Mingus) – 6:55 2.Serene (Dolphy) – 7:01 3.The Baron (Dolphy) – 2:57 B1.Eclipse (Mingus) – 2:45 2.17 West (Dolphy) – 4:50 3.Sketch of Melba (Randy Weston) – 4:40 4.Feathers (Hale Smith) – 5:00 いやあ・・・・、金欠です。 「貧すれば鈍する」と言いますが、この言葉は真実ですよ。有りすぎてもいけないが、無くても困るのが金。「住んでも恩恵がなく、税金ばかり高く、住むのは唯の趣味」と言われる京都市民にとって、やはり金は大事。それも、趣味を続けるにおいては。 って、要するにLP買い過ぎでお小遣いが無いわけです。そこで、手持ちの盤のうち、ちょっといらんかな~、っていう盤を数枚ヤフオクに出しました。 その中に、本盤を混ぜようとしたのですが、トラブルチェックのため聴いてみたら、あまりに内容が良いので出品を止めました。 「良いに決まってるやろ!なんで売んねん!あほ」と仰いますな。冒頭に掲げているジャケ写は確かに「Out There」prestige再発のものですが、これはネット上から借りてきました。 実は拙者が持っている盤はRudy Van Gelderさんがカッティングを誤って、「Outward Bound」だと思って「Out There」をカットし、番号を掘ったもので、ジャケットもラベルも「Outward Bound」prestige再発のものという超~奇盤なんです(紫のジャケで、アルトをくわえるドルフィの右側の横顔が写っているもの)。 god-zi-lla師匠は「わはは。「Out There」ジャケの「Outward Bound」を探しましょう」と仰って下さいましたが、そんな奇盤が他に存在するとも思えず、また、トライデントマークが丸の中に入っていたことから、疑似ステレオだとばっかり思っていたわけです。 しか~し、聴いてみると、ドルフィが左から、ロン・カーターが右から聞こえてきます。ドラム、ベースは中央です。デュビビエさんの野太いベースもしっかり鳴っています。ひょっとして、この盤は元からマルチトラックで録音されていたのでしょうか? とても音が良いです。フレッシュだし、びっくり。 実は「Out There」って、好きじゃなかったんですよ。ドルフィにはピアノがあった方が拙者は好きなのです。それに、調子っ外れのロン・カーターのチェロがやっぱり好きになれないし。 B面の4曲も印象が散漫だと思っていました。 でも、やっぱり良いですね。A1のロン・カーターのソロが終わった後に出て来るドルフィの長尺のソロ。どんどん熱気を帯びてくる、あの感じ。聴いている拙者も興奮してきます。 今日聴いて初めて良いと思ったのは、ランディ・ウエストン作のB3。フルートの音がふくよかでとても良い。60年でも、こんなに管を鳴らしていたのだ、と改めて知りました。 A4のアルトによるバラードも良いです。・・・・共演がモンクかマル・ウォルドロンならもっと良いに違いないでしょうが。 デュビビエ、ロイ・ヘインズのコンビは強力で、今聞くと、コード楽器の不在は、全く気になりません。相棒が何故ロン・カーターか、という問題はよく分かりませんが(引き立て役としては良い)、やっぱりこの盤は良いですね。 とにかく危ない危ない。「鈍する」ところでした。出品は急遽取り止めです。さあ、しっかりシマシマしとこう。そして、RVGあー勘違いの「Out There」ジャケ+ラベルの「Outward Bound」があると信じて探し続けることにしよう。オリジナルのNEWJAZZ盤は高すぎるので、手を出す気はないです。Wizardのイラストもそんなに好きじゃないし・・・・。フン!っだ。 ▲
by jazzamurai
| 2011-09-26 23:10
| 無節操 ジャズ三昧
最近、また中古レコードが買えるようになりました。
というか、結構買ってるかもしれない・・・・。 それで、以前からレコードについて困っている、3つの事について、悩みを告白するとともに、現状の到達点について報告します。 1.針飛び これは本当に困る・・・・。 これまでに、ヤフオクで数枚、disc unionで1枚ほど当たってる。 修理のためのもっともよい方法は何でしょうか・・・・。 あるジャズバーの店主のお話:爪楊枝で逆向けに擦る。 → disc unionで買ったAnita O'dayの「All The Sad Young Men」のA1のギターソロの前から検盤時に分からなかった横傷があり、ギターソロ丸々が数段階で針飛び。ダメ元で爪楊枝で逆向けに数箇所擦ると最後まで通過するようになったものの、ザッというノイズが残りました。この方法でよかったのか、と聴く度に悩んでしまいます(要するにトラウマが残った)。 あるジャズ専門中古レコード屋店主のお話:ルーペで覗きながら、SP用の竹針で溝に沿って逆にトレースする。 → 非常に興味深い方法。竹針を買ってみようと思います。専用の竹張りカッターも必需品らしい。 ネットで拾った方法:針飛びした箇所で止め、手動でゆっくり逆回転させる。 → これで1枚直しました。ただし、問題箇所以外の逆回転させた溝への悪影響が気になる(悪影響は聞き取れないが、あるのかないのか、分からない)。酷い傷は、直せない。また、酷い傷の場合は、針の故障にもつながる気がする。 今一番、興味がある方法: 「Riding The Scree」というサイトに以下のような記述があります。 -------------------- 私は顕微鏡と針を使って針飛びを修理している。プチパチうるさい盤は溝を見るとなにか詰まっていることが多いので、大事な盤はこれも針で掘り起こす。根気のいる作業だが ピンポイントで要因を排除できるので、他にダメージが及ばないのがいいところだ。針飛び修理は最初の頃何度も失敗したが、最近ではほとんど治せるようになった。それに修理したところは音では判別できないくらいに回復する場合もある。でも溝がエグれてなくなってるようなのはこのやり方では治せません 。 使っているのは実体顕微鏡というやつで、仕事でプリント基板を見るのに使っていた。ある日、これでレコードの溝が見えるんじゃないかと覗いてみたら、見てびっくり。驚異の世界でした。手に取るようによく見える。おまけにレンズが高い位置にあるので手が入る。これはひょっとして、針飛びが治せるんじゃないかと始めたのがきっかけだ。 最初はいろんな縫い針を使ってみた。しかしどれも太くて、細い溝には合わない。それに針先は尖ってるように見えても実は丸くなっていたりして、これを砥石で研いで使っていたが、最近はクロバーきぬ10号を愛用している。これは絹用の縫い針で、先端が見事に尖っていて、レコードの溝にぴったりだ。これで以前よりも楽に修正できるようになった。傷で針飛びする修理のコツは傷が入った方向と力具合を推測して、逆のプロセスで針を当てる。スタイラスが走ろうとする向きとアームの慣性を想像しながら針飛びしない限界を想定して溝と壁を修正する。 と書けば簡単だけど、うまく治せるようになるまで大変だった。(笑)何事も数をこなせばそれなりに上手くなるものだ。 これのいいところは針飛びする盤を安く買えることだ。一箇所だけ針飛びするけどあとはきれい というのは案外多い。何らかの原因で傷をつけて針飛びするようになってしまうと、その後は聴かなくなるからだと思う。そういう盤は大歓迎(笑) -------------------- なかなか興味深い方法なのですが、この実体顕微鏡を買って、何処に置くか、という問題があります。高々数枚のレコードのために、これを買って、そして練習をする程、買うのかどうか・・・・。 結局、現在の結論:針飛びしそうなレコードは買わない。 2.反り 盤が反ってるのは最悪です。以前、椎名林檎の「勝訴ストリップ」をAmazonでオーダーした時のこと。新品なのに反っている・・・・。クレームで返品したら、また反っていた。返品後、改めてオーダーしたら、また反っていた。クレームで返品したら、またまた反っていた。呆れてしまって、その4セット目は返品せずに持っていますが(再生できる程度なので)、東芝EMIとAmazonのレコードの品質管理はどないなっとんねん、と思った。 その他、再生は出来るけれど、やや反っている盤が数枚合ったので、2年位前にORB社のDisc Fratterの初号機を中古で買いました。 これ、比較的薄い盤は直ります。厚い盤は直りにくいです。ちなみに、椎名林檎の「勝訴ストリップ」は直りませんでした(T-T)。ですが、数枚の日本盤はキレイに直りました。 さて、1年ほど前、昔馴染みのレコード屋さんに久しぶりに行ったのですが、Charlie Parkerのラジオ録音のESP原盤と、Chick Corea のソロ・ピアノの独ECM原盤があったので、1枚1,000円ずつで買ったのですが、店にプレーヤーがなくて、反りチェックだけは出来なかったのね。帰ってTTに載せてみたら、二つとも反ってた・・・・。 特にChick Corea のECM盤の反りがきつくて・・・・。ピアノソロはダメだね。音がにょわん、てなるの、分かるもん。昔馴染みなので、クレームつけにくいなあ、と思い。 そこで、このChick Corea のECM盤をDisc Fratterくんに挟んでみたのですが、2時間では直らない。そこで、一日中、はさんでおいたのです。すると、直った!! 3日程、冷却して、楽しみにして聞いてみました。すると、にょわん、が酷くなってる・・・・。 よく見ると、縦のゆがみが、横のゆがみになっています。びっくりしました。こうなると、絶対に直せません。生まれて初めて、レコードをゴミ袋に入れました・・・・。 結局、現在の結論:反っているレコードは買わない。持っているレコードは反らさない。特に独ECM原盤とOJC盤は反りやすいので、要注意です。 3.内周の再生 Wikipediaでは以下のように書かれています。 -------------------- 外周と内周の歪みの差 レコードはテープやCDと異なり盤の外周に対し内周で歪みが増えるという特有の欠点がある。正しく調整されたリニアトラッキング・プレイヤーを用いれば問題は無いが、ピックアップ部が弧を描いて動作する通常のトーンアームではインサイドフォースやオーバーハングずれの影響を解消する事は容易ではない。 外周と内周の帯域差 レコードは角速度(回転数)が一定であり、内側に行くほど線速度が遅くなっていく。そのため、内側に録音された音ほど高周波特性が悪く(帯域が狭く)なっていくという特徴がある。 -------------------- これが、最近、気になるのです。皆様は、どのように解消していらっしゃいますか? やはり、ロングアームの機種にTTを変えるのが、対処方法なのでしょうか? ・・・・色々と悩みは尽きません。 面白いと言えば、面白いのですが。 ▲
by jazzamurai
| 2011-08-21 01:04
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Steve Lacy (Soprano Saxophone, Bird Calls, Pocket Synthesizer) Andrea Centazzo (Percussion, Drums Set, Vocals) A1.The Owl 2.Torments 3.Tracks (part one) B1.Tracks (part two) 2.Dome 3.The New Moon Re-issue CD has added one new tracks; Ducks レイシー41歳、せんたつおさん00歳の録音。せんたつおさんは現在、パーカッショニストよりも、ミニマル系現代音楽作曲家としての認知度が高いみたいですね。 2000版のCDを前から持ってたんですけど、LPを買い直してみました。比べると、小さい音で聴いているせいもあると思いますが、CDは音がきれいですが、LPは臨場感があります。 「Clangs」をexcite翻訳にかけると「じゃんじゃんという音」と訳された。確かにせんたつおさんのシンバルや金属製パーカッションがじゃんじゃんと鳴っておりますが、全体として音数は少なめ。対話重視の即興演奏で暴走はしない。沈黙の間もあって、どちらかと言うと聴きにくいフリージャズだと思いますが、まず録音が良いし、レイシーの作品が一曲一曲しっかりしたコンセプトを持っている(きっと、せんたつおさんとやるからこの曲、と決めてある)ので、きつくはないです。レイシーの微妙なソプラノ・サックスのコントロールや、繊細かつ大胆なせんたつおさんのパーカッションが存分に聴けるため、レイシーファンには必携の一枚と言えましょう。 LPを聴いてからCDに追加された「Duck」を聴くと、何故、LP発売時に外したのか、分からない。アンコール曲だったのか、今ひとつ緊張感に欠ける演奏だと思うけど、収録時間的には入ると思う。片面20分を超える収録を嫌がったのかな。 Clangs ▲
by jazzamurai
| 2011-06-14 16:22
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Richard Williams (tp) Eric Dolphy (as, bcl, fl) Oliver Nelson (as, ts) Richard Wyands (p) George Duvivier (b) Roy Haynes (d) A1.Screamin' The Blues 2.March On, March On 3.The Drive B1.The Meetin' 2.Three Seconds 3.Alto-Itis てっきり輝かしい61年の録音だと思ってたら、60年5月じゃん。そっかオリジナルは8243で、「straight ahead (New Jazz NJLP 8255)」より前か。時期的には「Outward Bound (New Jazz NJLP 8236)」セッション、ミンガスの「Pre-Bird (Mercury MG 20627)」セッションの後で、ケン・マッキンタイアーの「Looking Ahead (New Jazz NJLP 8247)」セッションの前です。 盤は、NEW JAZZオリジナルじゃなくて、紺ラベルです。盤はきれいだけれど、ジャケット全面に後からコーティングシールが貼られていて、なんか変。ここんとこ、探していたから、とりあえず押さえておきました。 タイトル通り、ブルースっぽい曲ばっかり。A2以外はネルソンのオリジナル。 明るい、元気の出るセッションです。ネルソンによる3菅のアレンジも粋でございます。ドルフィも、なんだかちょっと気楽に吹いている感じがします。リチャード・ウィリアムスって人も、音が明るくて良いですね~。リチャード・ワイアンスは上手いし、ジョージ・デュヴィヴィエは堅実だし、ロイ・ヘインズはやんちゃだし、なんだかレギュラーコンボみたいで良いです。 しかし、どんくさい印象を持っていたネルソンのサックスが、だんだん好きになってきてしまいましたね。最近、仕事帰りにふらっと立ち寄るジャズ・バーのマスターが、その人はあんまり前衛的なのは聴かない人なんですが、ドルフィーは聴かないけれど、ネルソンは聴く、というので、そこのマッキントッシュ+タンノイで、「straight ahead」を聴かしてもらったんですが、ネルソンの音の良さが結構心地よかったです。 さて、全曲言及は止めて、今日はB3だけ。曲名通り、alto saxophone バトルですね。最初はドルフィ。長尺のソロが聴けます。まだ、恐ろしい切れ味で緊張感高く圧倒的に繰り広げる、という感じではないですが、明るい、充実した演奏です。続いて出るネルソンの落ち着いたアルトが対照的でまた良い。tpはソロ、テーマ吹奏もなし。やっぱりピアノ・ソロが小粋な良い味出しています。 ようやく、こういうのが聴ける感じになってきました。しかし、子どもの頃は、このネルソンの和んだ感じの曲が、感覚的に合わなかったのですが、年を取ると聴けるようになるんですね~。 Screamin the Blues: Rudy Van Gelder Remasters
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by jazzamurai
| 2011-06-04 16:06
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Tonstudio Bauer ,Ludwissburg Carla Bley — piano, glockenspiel Don Cherry — pocket trumpet Sharon Freeman — French horn Mick Goodrick — guitar Charlie Haden — bass Jack Jeffers — tuba Michael Mantler — trumpet Paul Motian — percussion, drums Jim Pepper — flute, soprano saxophone, tenor saxophone Dewey Redman — tenor saxophone Steve Slagle — clarinet, flute, alto saxophone, soprano saxophone Gary Valente — trombone A1.Els Segadors (The Reapers) (traditional) – 4:14 2.The Ballad of the Fallen (folk song) – 4:19 If You Want to Write Me (Si Me Quieres Escribir) (traditional) – 3:55 Grândola Vila Morena (Afonso) – 2:11 Introduction to People (Bley) – 3:55 The People United Will Never Be Defeated (El Pueblo Unido Jamás Será Vencido) (Ediciones–Ortega) – 1:40 3.Silence (Haden) – 5:49 B1.Too Late (Bley) – 8:24 2.La Pasionaria (Haden) – 10:26 3.La Santa Espina (Guimerá) – 6:58 東北地方太平洋沖地震で亡くなられた全ての人々を哀悼いたします。 亡くなられた方々のご家族、ご友人に哀悼の意を表します。 被災し、避難して、不安の中に身を寄せ合って過ごしていらっしゃる全ての人には、何と言って良いのか、未だに分かりません。 私は、3月11日以降、声を出せずにいます。 思いを言葉にすることが出来ないのです。 自分に発する思いがあるのかどうかも分かりません。今だって、酒の力を借りて書いているのです。 自分には悲しみ、怒る以外の何もできません。自分の精神状態でさえ、コントロールできないのですから。 ビートたけし氏は週刊ポスト2011年4月1日号でこう言ったと聞きました。 この震災を「2万人が死んだ一つの事件」と考えると、 被害者のことをまったく理解できないんだよ。 じゃあ、8万人以上が死んだ中国の四川大地震と比べたらマシだったのか、 そんな風に数字でしか考えられなくなっちまう。 それは死者への冒涜だよ。 人の命は、2万分の1でも8万分の1でもない。 そうじゃなくて、そこには「1人が死んだ事件が2万件あった」ってことなんだよ。 私は、この言葉に共感します。 最初の地震で倒壊した家屋により亡くなった人 卒業式に落ちてきた天井により亡くなった若者 津波に巻き込まれ、溺死した人 ランドセルを残したまま消えたこどもたち 「父ちゃんを置いていけない」と言って、病棟の4階に残って流されてしまった老夫婦 倒壊家屋から脱出できず生きながら焼死した人 寒さの中で凍死した人 病院に運ばれる途中で亡くなった人 薬がなく体調を悪くして亡くなった人 そんな大雑把な言葉では語りつくせない、無念な死 数え切れない、無念な死 その死のお話がおそらくは2万件以上、なのです。 その死を全て身に寄せて考えなければ、何も始まらない。 そんな風に考えている。 ・・・・でも、それは不可能です。 私は震災の翌週、中学校同窓会に行きました。 中学校の頃、大好きだった、やっぱり永遠の憧れの人とも会いました。なんだか、妙にはじけてしまって飲み過ぎたようです。 次の日は大阪ドームでオリックス対広島のオープン戦を見て、覇気のないカープの選手に腹を立てました。 でも、それは本当のことなのでしょうか。 通勤電車で一人になったり、家に帰り一人で酒を飲むとき、それらの日常の生活は、遠くに追いやられてしまう。私は、とことん無力な自分を抱え、きつい口調で独り言をするしか、なくなってしまう。ついには、なんだか自暴自棄な気持ちに至ることしかできなくなってしまいます。 お前には全く意味がないと。 Twitterは、非常に有用な情報提供源でした。その有用性を感じます。 ただ、私はライムラインに流れる様々な意見、言葉、情報、ガセネタを見ながら、自分が徐々に引き裂かれていくことも感じました。 何故、こんな非常時に、膝を抱えることしか出来ないのか。とことん、自分が嫌になります。 子どものちょっとした間違いを正すのに、説明でなく、怒鳴り声を用いてしまうのか。最悪です。 そして、こんなぐちゃぐちゃの気分の時も、遺体は被災地に晒され、人々は亡くなり、カダフィは反政府軍の頭上に爆撃し、抑止を名目にフランス軍は一般市民を巻き添えにし、イスラエルはパレスチナを攻撃しています。 音楽が全く聴けなくなりました。 ただ、酒も飲まず、どうしようもない荒れた気持ちを抱えた夜に、このレコードをかけました。 「Els Segadors」は作物を刈り入れる人たちを歌ったスペイン市民戦争に由来する曲。 「Si Me Quieres Escribir」もスペイン市民戦争に由来する曲でスペイン共和国人民軍の戦闘歌だった。 「Grândola Vila Morena」はポルトガル放送局から流され、1974年にポルトガルのファシスト政権に対して反乱を起こすよう呼びかける、若い徴兵軍士官たちへの合図となった。 「El Pueblo Unido Jamás Será Vencido」はCIAがクーデターとピノチェト独裁政権を支援して以来、チリの抵抗運動歌になっている。 「La Santa Espina」はカタロニア地方の古い歌で、共和国軍戦士によってスペイン市民戦争時にリバイバルした。 そんな曲たちが、どれほど心に染みたか。 1階で宿題をやりながら聞いていた息子が「良い曲やな~」と言った明るい声に、どれほど救われたか。 誠実な演奏に、カーラの音数の少ない可愛いピアノに、ヘイデンの太いベースに、ラッドのバリバリと豪快なトロンボーンに、どれほど癒されたか。 そして、「A3」。マントラーによって導かれ、カーラによって、きっかりとアレンジされ、繰り返す度に厚くなるアンサンブル。その絶頂で迸る、ドン・チェリーのトランペット。 ありがとう、ドン・チェリー。あなたの生命感溢れる輝いた音、奔放なフレーズによって、私は行き場のない感情を涙として救うことができた。 限界はある。だが、自分のできる数少ないことをやるしかないのだ。 この戦いは、きっと長丁場になるのだから。
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by jazzamurai
| 2011-03-28 01:00
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Dave Holland (b) Sam Rivers, Anthony Braxton (reeds, fl) Barry Altschul (perc) A1.Four Winds 2.Q & A 3.Conference of the Birds B1.Interception 2.Now Here (Nowhere) 3.See-saw ということで、ブラクストンを加えたバリバリのフリージャズ・カルテット「サークル」は1971年に解散。チックは「リターン・トゥ・フォーエヴァー」結成、ということになるのだが、後の三人はその後もよくつるんでいる。チックの替わりに重鎮サム・リヴァースを加えたカルテットで、ECM初期の名盤中の名盤、本作を1972年11月に録音した、というわけだ。ちなみに、「リターン・トゥ・フォーエヴァー」の1枚目の録音は1972年2月、カタログナンバーはECM1022で、それほど離れていない。オマケに録音は両者ともニュー・ヨーク。なんだか、意識して喧嘩売った、と想像するのも悪くない。 まー、正直なところ、拙者は両方の盤が好きです。 本盤は長年、CDしか持っていなかったのですが、去年の暮れ、大阪でドイツECMのオリジナルをゲット。ECMのドイツ・オリジナルはとても良い音なんですけど、反り易いのが問題ありですね・・・・。 さて、ジャケ裏のホランドのメモを読むと、「ロンドンで小さな庭のあるアパーにすんでいた時期のことだ。夏の朝4、5時、正に一日の始まり、鳥たちが一羽ずつ集まり、お互いにさえずり合い、自由を謳歌していた。それと同じ精神を、他のミュージシャンと共有して、それを人々に伝えたいというのが私の願いだ」とある。そうかそうか、青い海をかもめが一羽、かっこ良く飛ぶのではなくてね。 この盤は全曲ホランドの作った曲で占められているが、上記のメモを基にした曲はA3に入っている。2菅のフルートが軽やかにさえずる5拍子のその曲は、いかにも上記のメモどおりの、爽やかでかわいい景色を想起させてくれる。アルチュルのマリンバも加わり、軽やかに歌う。良い感じ。 だが、そういう印象の曲は、この曲だけ。あとは、超ガチンコ、フリージャズ。 A1、単純だが印象的なテーマの曲が4ビートに乗せて勢い良く始るが、徐々にリズムは自由になっていく。この変化のスリリングさは、ホランド+アルチュルの二人しか出せないと思う。リヴァースとプラクストンのソロが交代する際に一度テーマが奏でられるところが、スタイリッシュでカッコいいのだけれど、プラクストンのソロの後半でリヴァースのおっちゃんが乱入。ぐちゃぐちゃにした上に、上手くエンディングに帰れないところがご愛嬌だけど、凄くカッコ良い。 A2、サークルでも演奏した代表曲。最初のドラムソロが良い。この頃のアルチュルはホンマに良い。この演奏は、サークル時代の成果を結実させた名演。フロント二人は次々楽器を持ち返え、景色は変わっていくのだけれど、最初から最期まで、緊張感を保っている。 B1、実は一番の山場。各々のソロがある。中でもホランドのソロが良い。ブラクストンはキレキレ。まー、この人は小難しいくせに、やたら激情的なところがあって、振幅が激しいわ。 B2、コミュニケーションを重視した、ちょっとシリアスな曲。 B3、4ビートに乗せて軽やかに演奏。菅の動きに合わせてリズム隊はリズムを崩したりするのだけれど、何故かビート感は失われない。アルチュルは左足のオフ・ビートをあまり重視していないのかなあ。トップシンバルが打ち出すビートのコントロールが素晴らしいと思うなあ。 全編にわたってホランドのベースの音色が非常に良く録れているし、4者対等の演奏のまとまりと緊張感が素晴らしい名演中の名演。ECMのカタログに残されたフリージャズの演奏の中でも、群を抜く名盤だと思います。 Conference of the Birds ▲
by jazzamurai
| 2011-02-28 18:33
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Chick Corea (P) Dave Holland (B) Barry Altshul (Per) A1.Nefertitti 2.Ballad For Tillie 3.A.R.C. B1.Vadana 2.Thanatos 3.Games 同トリオの傑作、「ソング・オヴ・シンギング」から8か月後、ドイツECMの録音。タイトルは、Affinity、Reality、Communityの略らしい。 前作からの違和感は無い。録音状態、各楽器のバランスも似ている。演奏は、このトリオが過ごした8か月の充実を示しており、それは、前作のB3に収められた「ネフェルティティ」を再録し、本作のA1にあえて置いた、ことからも伺われる。 名義もチック個人から、3人の同等のクレジットになっている。 ただ、チックのピアノには、変化が感じられる。前作より、大人しく、というか、リリカル?になっている気がするのだ。 ごちゃっと、汚くは弾かない、というのは、この人がフリー・ジャズを演奏する時の特徴だと思う。一音一音が、しっかりと鍵盤を押さえて、明確な粒立ちで鳴らされており、弾きまくっていても、無駄な音が無い、引き締まった感じがする。 その美しさが、前作より強調されている気がする。 拙者は、それを「リターン・トゥ・フォーエヴァー」への布石などと言う気は無い。しかし、やっぱりこの人の中では、元からああいう音楽への憧憬はあったのだと思う。 まあ、そんな堅苦しい物言いは止めるとして、フリージャズの名盤として、この盤の水準の高さは相当なものがあると思う。このきりきりと張り詰めた緊張感、三者の対等性、テーマから即興への以降、そして、一人一人抜けることによるベースとドラムのデュオ、ドラム・ソロ、そしてまた三者の対話へと演奏の視点を移していくやり方の自然なやり方など、変な言い方だが、非常にシステマティックな、完成された音楽だと思う。 同時に、ここには黒人音楽の影は全く無い、と思う。黒人解放運動と結びついたフリージャズの面影も無い。ここに、バリバリに黒人であることを意識していた、超インテリのアンソニー・ブラクストンが加わった時、このトリオの一体感に亀裂が入る。プラクストンも曖昧な演奏をすることが無い人だけれど、時折見せるとんでもない激情的な演奏、汚いロングブローは、チックが理想としていた音楽の理知的な美しさとは、やはり相容れなかったのだろう。だが、ホランドとアルチュルは、自分のテリトリーを黒人との競演の中に広げていく。 チックは、複数ある一面の一つを封印し、ホピュラーな音楽の道をひた走ることとなる。 このトリオの残した2枚のレコードは、60年代後半に吹き荒れたフリージャズの一つの到達点の記録として、歴史に残る名演であり、永遠に聴くことのできる高いクオリティーを有する名盤だと思う。 Arc ▲
by jazzamurai
| 2011-02-21 16:07
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Albert Ayler (voice,ss,ts) Niels Brosted (p) Niels-Henning Orsted Pedersen (b) Ronnie Gardiner (d) A1.Introduction By Albert Ayler 2.Bye Bye Blackbird 3.Billie's Bounce 4.Summertime B1.On Green Dolphin Street 2.C.T. 最近、非常に遅ればせながら、復刻LPに着目しております。 理由はやっぱり、音が良くて安いから。 この音が良い、というのは、オリジナル、セカンドと比べて遜色が無い、ということまでは言いません。たぶん、ちょっと別物、なんだろうけど、過去の量産日本盤に比べて、霞がかった感がましで、ダイレクトな音がするということ。 また、安い、といっても、オリジナル、セカンド盤あたりから比べると安い、というだけで、 過去の量産日本盤に比べれば、2~3倍はします。 でも、ジャケ写の復刻具合などは、非常に丁寧で、発色も良いものが多いです。 ユニバーサルが手がけた復刻LPのシリーズは良かったですね。拙者、Coltraneの「Ballads」と「Love Suprene」、Keith Jarrettの「Death and The Flower」だけ買ったんですけど、めちゃ良かったですよ。今になって、「Duke Ellington &」、「& Johnny Hartman」とか、Rollinsの「Saxophone Colossus」とか、買っときゃ良かったって、思ってますもん。 あと、本盤と同じくThink!Recordsが復刻した、Walter Bishop Jr.の「Speak Low」とかね。音が凄く良いという評判じゃないですか。まあ、安い中古買って聴いてるんですが、「Speak Low」については「う~ん、褒められすぎ。この程度で良いや」って気にもなりましたけどね。 前置きが長くなりましたが、「My Name is ・・・・」の復刻、おめでとうございます。高校生の頃に、Freedom盤の中古や、Trio盤の1,500円盤の中古等、数枚を所持した後、1985年のKing盤を大事に聴いてきましたが、今回の復刻は嬉しかったですね。なんだか、ジャケの復刻ぶりもマニアックだし。 この盤は、大好きですね。まあ、あの世に持って行けるなら持って行きたいし、老人ホームに入る時、持参物の制限がされた場合でも、持って行く数十枚の中に入るやろな~、と思います。 特にA4、サマータイム。これは、フリージャズが嫌いな人に聴かせても、殆どの人が「凄い!」と言って聴き惚れる名演中の名演、ですよね。この迸る激情を超える演奏は、きっと金輪際、もう無いでしょう。Coltraneの「My Favorite Things」のB1に入っているサマータイムも良いけど、アイラーの、このどうしようもない、やるせない、行きつ戻りつの慟哭を超える演奏は、もう絶対、できない。これを聴いていると、この人が絶対にフェイクでは無いことが実によく分かる。細部まで絶妙にコントロールされている。フレーズを覚えてしまうほど聴いているけど、この復刻盤を聴くとまた新たなニュアンスの発見があって、喜ばしい。 あと、ピアノのブロンステッドさん、そうですか貴方、ユーロ・プログレ界では有名やったんですね~。それも、この復刻版のライナーノート知りましたわ。実は、間章がけなすもんだから、大声では言えなかったのですが、サマータイム中間の半コーラスのピアノソロ、結構好きです。 拙者にとって、アルバート・アイラーは、レイシーと同じ位のアイドル。写真がなかった頃は、伝説の魔道師のように思ってきましたが、とうに彼の亡くなった年齢を越え、彼の若かりし頃の写真を見て、実直そうな、真面目そうな人柄を垣間見るにつれ、何でも大上段に捉えたがる60年代カルチャーの功罪についても、考えざるを得なくなりますね・・・・。つまり、アイラーは拙者のそばにいる。拙者こそが彼の身近に寄り添って、聴くようにしなければ、と思う次第です。 復刻版は限定です。お早めに。後から買おうと思っても、悪質なオークション・バイヤーに無駄金払うことになりますよってに。discunionから送ってもらうと500円かかります。AmazonはLPの保管が雑で、拙者は反った新品の盤を数度送られたことがあります。ご注意下さい。 マイ・ネーム・イズ・アルバート・アイラー My Name is Albert Ayler[analog]
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by jazzamurai
| 2011-02-12 14:38
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Clifford Brown (tp) Sonny Rollins (ts) Richie Powell (p) George Morrow (b) Max Roach (d) A1.What Is This Thing Called Love? (7:26) 2.Love Is A Many-Splendored Thing (4:09) 3.I'll Remember April (9:01) B1.Powell's Prances (3:25) 2.Time (5:58) 3.The Scene Is Clean (6:12) 4.Gertrude's Bounce (4:42) ブラウニー25歳の冬。ロリンズは誕生月が2月弱早いだけ。ローチ32歳。みんな若い! えー、最近、拙者、一念発起しまして、持っていたブラウニー&ローチの日本盤中古を殆ど売っぱらいました。理由は音が悪かったからです。それで、オリジナルかそれに近いのを買うぞ!と意気込んでみたのですが、このクインテットのオリジナル、セカンドは半端じゃない位に高い・・・・。参ったよ、こんなに高いなんて。買えやしない。まあ、無理せず、何時ものように虚を突いた落札ができるように、少しずつ頑張ってみますわ。 この盤は、ラベルにドラマーさんいますけど、見た通りジャケはボロボロ。エマーシーの古い盤にありがちなコーティングの接着面の変質で白っぽくなってるし。盤もあまり艶が無いです(T-T)。 でも、結構良い音してると思います。モノ針ならもっと良いのかな? しかし、不勉強はホントにイカンね。最晩年の録音じゃないですか。どこを切っても最高にカッコいいレコードだとは認識していましたが、この時期の録音のベストテイク集みたいな盤だったんですね。 だからこそ、悲しいんだよね。 ナム・ナソンの「Jazz It Up!(マンガまるごとジャズ100年史)」を読むと、1955年、マイルスはニュークインテット編成にあたって最初はロリンズに声をかけたが、ロリンズは「クリフォードとやりたい」と言ってこの誘いを断り、ブラウニー&ローチのクインテットに加入したとされている。結局、マイルスにロリンズの代役として選ばれたのがコルトレーンだったとされている。 そのロリンズが活き活きと吹いている。端正な印象を持っていたブラウニーも結構やんちゃに吹きまくる。 「A1」は拙者の大好きな曲だが、圧倒的なソロを聞かせるブラウニーが、ソロの後半で、フレーズの出だしが気に食わないのか、何回もやり直す所が大好き。あまりにも良いフレーズばかり吹くから、拙者、一時期、ブラウニーはソロをあらかじめ作曲しているんじゃないかと思っていたことがあったが、そうじゃないことが(当然ながら)よく分かる。 ハードバップの中でも飛び切り良質な楽しさが、この盤にぎゅっと詰まってる。そして、録音されたブラウニーの演奏は、どれも最高。この人のイマジネーションの豊かさと、ひねた感じのないストレートな美しさは、他の誰にも真似できない。ホント清々しいよ。「B2」のようなショートバラードも情に流されず、すっきり吹き切っているところが美しい。「B4」の暖かい雰囲気の中で、やたら上手いくせに全く嫌味の無いフレーズを澱みなく吹くブラウニーはイカシテルなあ。 きっかりしたホーンアレンジも好印象。ローチの演奏は相変わらず硬いし、ソロもワンパターンだけど、それがローチだし、きりっとしてやっぱりカッコいい。 言わずもがなの、名盤中の名盤ですねえ~。 アット・ベイズン・ストリート+8 ▲
by jazzamurai
| 2010-11-16 00:54
| 無節操 ジャズ三昧
![]() Dewey Redman (ts, musette, maracas) Keith Jarrett (p, Pakistani fl, per) Charlie Haden (b) Paul Motian (d, per) Guilherme Franco (per) A1.Rotation 2.Everything That Lives Laments B1.Flame 2.Mysteries キース30歳、ヘイデン38歳、モチアン、デューイ44歳。おっと、この頃のアメリカン・カルテットには、ブラジリアン・パーカッショニストのギレルミ・フランコ29歳もいる。 にしても、結構年上の癖の強い、それでいて極上のメンバーと組んでいたこのカルテットの人気は非常に低いようだが、拙者は大好きである。 それも、最近、特に好きになってきた。フュージョン大流行のこの時期、きっと無視されていただろう、このカルテットの、硬い音、喧騒、そして時折に見せる美しさ、暖かさを。 その気持ちは、やっと手に入れたこの盤で強くなった。 ホントに人気が無いんだと思う。フォトショップで整形したけど、これカット盤でジャケットボロボロ。900円でオークションに長年店晒しされていた。キレイなのが欲しかったから、見ない振りしてたのに、落とす人がいないから、仕方なく落としてみました。盤もカビカビでしたが、拭いたらピカピカ。良かったっす。スレも音に出ず。 この盤より前に入手していた「シェイズ」もカット盤。こんな盤しか、インパルス・オリジナル盤を見たことが無いんだもの。このカルテットのインパルス盤は「生と死の幻想」以外、殆ど聴かれたことや、評価されたことは無いのだと思う。 でも、このインパルスの緑ラベルは非常に音が良いです。特にチャーリー・ヘイデンのベースが良い音で録られてる。若干くぐもった感じのデューイ・レッドマンのサックスも、良い。 アメリカン・カルテットが嫌いな人はデューイが嫌いなんだ、という話も聴くけど、技巧に走らない、誠実なフレーズは暖かい。 この盤に流れる、メランコリックな雰囲気。特に「A2」。題名や、冒頭のヘイデンのベースからして、なんともつらい感じが漂い、キースのソロで癒され、デューイのソロでまたも昇華を目指す。だが、この曲の場合は沈鬱なテーマに帰ってしまう。 タイトル曲の「B2」。リズムはフリーだが、喧騒感は無い。無駄な音も無い。淡々とした、演奏が良い。キース作のテーマを吹かせれば世界一と言いたくなるデューイの説得力。派手さは無いが、全体をコントロールする力に長けたモチアン。そして、ソロを取れば圧倒的な世界を作り出すチャーリー・ヘイデン。フレーズ重視のデューイのソロが始るや否や、入り込んでしまわざるを得ない、なんとも言えない世界が広がりまする。 その世界を、キースの左手のドローンが包み込んでいる・・・・。 なかなか、凄い盤やと思うなあ、これ。「生と死の幻想」と同じ位の、濃密さがあるんとちゃう? この雰囲気は、なかなか抱かれることのない、独特の世界だと思うなあ。表題とおりの、音世界だ。 保存状態の良い盤があったら、もう一枚欲しいなあ・・・・。 あのキース・ジャレットの作品にしてamazonに在庫なし。ご興味のある方は、オークションや中古レコード屋さんで発掘されたし。 ▲
by jazzamurai
| 2010-11-13 20:20
| 無節操 ジャズ三昧
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