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![]() 1960年11月7日~9日、ウィーン、ムジークフェラインザール ペーター・チャイコフスキー交響曲第6番 ロ短調 作品74「悲愴」 エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 1.第1楽章 ロ短調 4/4 (17:41) 2.第2楽章 ニ長調 5/4 (08:07) 3.第3楽章 ト長調 4/4 (08:22) 4.第4楽章 ロ短調 3/4 (09:47) 12月6日(日)、京都市芸術大学音楽学部第130回定期演奏会に、和太郎さんと行って参りました。只券をもらえたので・・・・。 目当ては聴いたことのないブラームスの「大学祝典序曲」と「運命の歌」だったのですが、最後のチャイ6、「悲愴」に感動しました。 実はかなり前からムラヴィンの振ったCDを持っていたのですが、名曲とは知りながら曲の構造や、曲の持つストーリーを知らずに流し聴きしていたので、印象が無かったのです。演奏会に行く前日にCDの解説で構成をチェックして出かけたのですが、本当に悲愴感漂う終わり方にびっくりして、「何で若い人の演奏会にこんな難しい曲を選んだのか」とびっくりしました。 演奏は良かったですね。真面目な感じ良かった。真っ正面でベッドバンクしながら弦をこすっていた短髪のチェロが些か気になりましたが(嫌だった、という訳ではなく、目が行ってしまって困った、ということですが)。 しかしですな、最後が静かに終わっていく曲ですから、親御さんや友達連中の素人さん達にはエンディングが分かりづらかったらしく、まだ指揮者が手を下ろしてないのに、フライングブラボーをする輩がいて、最後はちょっと台無しでした・・・・。ちったーデリカシー働かせーよ。 ・・・・そうして、生演奏を聴くと、曲に入ってしまう訳です。 この曲は凄いですねえ。だだ暗い・・・・。何が暗いって、「パセティック」という名前が暗い。そして、明るい旋律が明るすぎるから、暗い所が余計に暗黒になるのです。 初演は1893年10月28日、自分の指揮によって。そして、その9日後、チャイコさんは不可解な死を遂げている訳です。 第1楽章、ファゴットの不穏なメロディに乗せられて、暗い情熱が首をもたげる。背後のベースがまた暗い波を寄せる。そして悲しい旋律のやりとりの後、徐々に盛り上がって、3分半過ぎ、ズドーンと激情が叩き付けられる。かと思うと、4分半過ぎにゃ例の有名な旋律がいきなり浮かび上がり、「青春の光りと影が・・・・」等と、「銀河鉄道999」のエンディングみたいな気分になって、「メーテル~」とか言ってしまいそうにになります。そういう甘酸っぱい気持ちを5分間に渡って十分高まらせておきながらですよ、また苦恨の嵐みたいなドシャドシャに一転。ブラームスの第4番の第1楽章みたいな、拙者の大好きな嵐です。目がクラクラします・・・・。12分半からの大音量での畳みかけは特に拙者の感情に訴えかけます。そして、最後は思わせぶりにまた例の甘酸っぱいフレーズが・・・・。もうごめんなさいって感じです。 第2楽章はプログレ好きには応えられない5/4拍子。ただとても脳天気に明るい。これは昔見た明るい幻想の世界なのでしょうか。作者は実際にその場所にいたのでしょうか。その可憐な、明るい世界も、2分20秒過ぎから始まる後悔を含んだ内証的なフレーズに取って代わられる。暗い現実を直視してしまったような悲しい雰囲気に。それが4分50秒辺りでするりとまた元の明るい世界に戻る。その時の奇妙な感覚。これは凄い。意識して聴くとホントびっくりします。一体どちらが現実で、どちらが幻想なのか、その境はあやふやでありながら、明暗はくっきりしているところが恐ろしい。 第3楽章と第4楽章が入れ替わっていたら、この曲の評価はどうなっていたでしょうか。第3楽章はリズミックで勝利の凱歌、の雰囲気。表向き元気いっぱいに明るく大声で喜びを歌っている。でも、よく聴けば、奥には薄暗い不安が漂っている。だから、これもやはり夢なのだ。 第4楽章が始まった瞬間、「何故、この曲に続きがあるのだろう」と思ってしまう。おかしいと。大きな勝利の歌を歌って終わったのではないかと。途轍もない孤独感、寂寞感に叩き落とされる。だが、覚醒は此処にあって、悲愴が目の前にあることを突きつけられる。こんな曲は、相当の絶望感を感じた人じゃなきゃ書けないのではないだろうか・・・・。2分20秒過ぎから始まる暗いワルツも、悪い冗談か、孤独な幻想でしかないし、じきに過酷な闇に突き落とされてしまう。そして、4分50秒過ぎ、主部に戻り、そして、慟哭が始まる・・・・。ただ、泣くしかない。ホーンが静かに諦念を促す。通奏低音(?)が流れる中、やり切れぬ最後の悲しみが奏せられ、静かに終わっていきます。ですが、この終わり方は、ブル9の最後のような昇華はしないんです。まあホンマ、悲愴感漂う、ボロボロになった終焉です。 ああ怖。ようこんな曲を書くと思いました。しかし、このだだ暗い印象がチャイコさんの本意だったかどうかは分かりません。何せ、ムラヴィンさんのこの録音はソ連統治下のもので、途轍もなく硬質で、緊張感がキツイ録音だと言われているようです。他の人のも聴いてみたいですね。例えば、からやんさんとか。あの人ならどう振るのでしょうか? まあしかし、良い曲です。かなり気に入ったと申せましょう。あ、そうそう、このCDは3枚組ですが、第4番、5番はまだ何にも印象に残っていません。これからの楽しみです。まあ、クラシック素人としては、ぼちぼちですね・・・・。あまり感動的なお気に入り曲が一気に増えても、財布の中身がおっつかないですし・・・・。 チャイコフスキー:交響曲第4番、第5番、第6番「悲愴」
by jazzamurai
| 2008-12-12 01:16
| 無定見 クラシック三昧
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