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![]() Recorded March 18–30, 1980 at Britannia Row Studios, Islington, London Personnel Ian Curtis - vocals Bernard Sumner - guitar, synthesizers Peter Hook - bass Stephen Morris - drums Martin Hannett - producer, engineer 1.Atrocity Exhibition – 6:06 2.Isolation – 2:53 3.Passover – 4:46 4.Colony – 3:55 5.A Means to an End – 4:07 6.Heart and Soul – 5:51 7.Twenty Four Hours – 4:26 8.The Eternal – 6:07 9.Decades – 6:10 実は、久しぶりに恐る恐る聴いたのだが、それは希有だった。クラシックを聴くようになって以来、ジャズがまた好きになった。同時に、コンビニや飯屋で鳴るロックやポップスが恐ろしく単調な機械に聞こえて、全く受け付けなくなってしまった。8ビートの3つめと7つめに確実にスネアが鳴る音楽が、嫌で嫌で仕方なくなったのだ。 一方、拙者は音楽の女神の偶然の差配により、Rotel RA-1070、RCD-1072というとても湿った音のするアンプとCDPに出会い、そして、全くスカーンと抜けることの無いSP、Harbethに会った。それは実にイギリスの音がする。キング・クリムゾンやピンク・フロイドが湿った音で鳴る。ビートルズも。それは実に拙者の大好きな音だ。大好きな音だと気付かされた。 さて、このCDもその大好きな音で鳴っている。奥に広がり、前に出ない。 パンクから生まれ、ニューウェーブの橋渡しをし、カリスマ的自死者をボーカルに据えていた、伝説的なこのバンドは、とても下手だった。殆どの曲はリフ一発、ドラムパターンも繰り返し一発、その上にへろへろのギターと、暗い歌詞を歌う不安定な太い声が乗るだけのバンド、それがジョイ・ディヴィジョンだ。 仕方ない。学も金も無い労働者だった4人の若者が、セックス・ピストルズに魅せられ、見よう見まねで楽器を弾き、アイデア一発で曲を作り、2年か3年で作り出した音なのだから。カリスマ性を求めて初めて聴いた人の中には、そのあまりの下手さ加減に呆れる人も少なくないだろう。奇妙な振り付けで踊る、てんかん持ちの奇人をカリスマと呼ぶのを躊躇うだろう。当然だ。拙者とて、彼、イアン・カーティスを崇め奉っている訳ではない。 しかし、拙者は最近、改めてこれを繰り返し聴いている。ひょっとすると、拙者の精神状態が不安定なのかもしれない。そういう時に聴く音だ。だが、大嫌いなハズのリフ一発の単純な曲が、同じ音の繰り返しが、下手さと暗い熱情によって揺らされ、マーティン・ハネットの操作によるエコーで広げられ、その上で、ギターとボーカルがとても不安定に踊る時、拙者の想いは深く沈んでいく。それは、ブルックナーの第9番を聴く時と比することのできる程の、異なった場所だ。 最初の恐る恐るの気持ちは、何時しか無くなり、行き所のない想いが、暗い熱情を持ってイアンとともに踊り出す。その時、拙者は、初めてこれを聴いた大学の親友の狭い部屋と、その時のやり切れない不安な想い、正義感、嫉妬、希望、その他の青春の混沌の幾ばくかが、未だ拙者の中に在ることを知る。 やはりこの盤は、拙者にとって、一生付き合っていく盤だ。23歳で死んだイアンが、例え孫の年になろうとも、彼が抱え、呟いた想いは、拙者を突き、内に向かわせるだろう。 最後に、ひとこと言いたい。この盤にカリスマ性を求めてはいけない。死への憧れから聴いてもいけない。パンクという音楽があった意味=音楽家という特権階級からの脱出、全く出自を持たないものを構築し、そして破壊することを連続すること、全てのファシズムに反抗し続けるということ、その純粋さについて考えるのだ。そのための具体的方法と結実(いささか受け入れがたい悲劇が最後に待ってはいたが、それにしても)がこの盤にはあるし、それは何時までも古びない。 拙者は今日、全て語ろうとは思わない。きっと、何時かまた再び語ることになるだろう。 クローサー【コレクターズ・エディション】
by jazzamurai
| 2008-05-16 00:13
| 無頓着 男性歌手三昧
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