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Recorded October 9 and 10, 1974
Keith Jarrett (P, Ss, Wood Fl, Per) Dewey Redman (Ts, Per) Charlie haden (B) Paul Motian (Ds, Per) Guilherme Franco(Per) 1.Death And The Flower (22:52) 2.Prayer (10:12) 3.Great Bird (8:45) キース・ジャレット29歳の傑作、名演、名盤。これまで、何度聴いたか分からない。ソロで奏でられるフレーズは全て記憶している。 邦題「生と死の幻想」で知られているが、迷惑な誤訳ではないだろうか。「死と花」の方がしっくりくる。見開きジャケットの中に、キースの詩が記載されている。 「私たちは生(誕生)と死の間を生きている/あるいはそのように自分自身を納得させている/本当は自らの生の絶え間ない瞬間に、生まれつつあると同時に、死につつもあるのだ/私たちはもっと花のように努めるべきである/彼らにとっては毎日が生の体験であり、死の体験であるから/それだけに私たちは花のように生きるための覚悟を持たなければならないだろう」 うーむ。極めてハイデッガー的な考え方である。だって、ジャケットに書かれたバラは切り花だもの。一瞬に咲いて切り取られ、枯れていく切り花だもの。それは幻想ではない。 そんな余計なことは考えなくても十分に堪能できる作品である。LP片面を占める「1」。キースによる横笛の音から始まり(キースは、まるでアート・アンサンブル・オブ・シカゴのメンバーのように多楽器主義者だ)、パーカッションが絡んで、祝祭か、葬送の祭りのような小規模な喧噪が生まれる。そこでチャーリー・ヘイデンの重厚なベースのリフが流れだし、空気は緊張する。その上で次に踊る踊り子はチャーリー自身だ。オーバーダブで、チャーリーは躍動感あるソロをとる。その後に出てくるのは、案内役の妖精のように可憐なキースのピアノ。 そして、デューイが、フリージャズ出身のくせに、その優しい丸っこい音が、とてもきれいなテーマを、生の喜びを噛み締めるよう、その寂しさと昇華を噛み締めるように吹く。 続いてデューイのソロ。これが素晴らしい。キースは、ピアノ・トリオで演奏していた時、ボイスが必要になってデューイを呼んだという。ファンの中には、デューイが邪魔だという人がいるが、とんでもない。彼がテナーでキースの声を代弁するから、キースはうなり声を上げずに済むのだ。 そして、ポールがスネアをスタン、と落とした所から、デューイは「生」の淡々とした喜びを吹く。ポールのドラムは、好き嫌いがあるだろう。拙者は、上手いとは思わない。でも、ビル・エヴァンズの傑作に参加している彼のポイントを外さないドラムは素敵だ。8ビート気味にタツタンとスネアを落とす。それが、快活な躍動感を生む。 引き続くキースのソロ、チャーリーのソロも素晴らしい。キースのソロの時のチャーリーのフォロー、チャーリーのソロの時のキースのバッキング、どちらも素晴らしい。この2人は、恐らく、スタンダーズよりも、クリエイティブな意味で合っている。 そして、テーマの後奏。デューイが淡々とテーマを吹く間、キースは即興する。そのツッコミが空間を広げる。 その後の爆発的歓喜。生が一瞬の祝祭であることの歓喜。ポールのドラムのなんと単純で明るいビート。デューイは慎ましやかに、キースはエロティックに、喜びを歌う。 そして、それは次第にフェイドアウトではなく、1人ずつ抜けていく。誰かしら、知らぬ間に旅立つように。しかし、それは悲しみではない。覚悟の飛翔だ。 「2」はキースとチャーリーのデュオ。題名通り、「祈り」にも似たテーマ。その後は、どちらがソロ、という形ではない、コレクティブ・インプロピゼーションになる。2人とも、テーマの持つ意味から離れず、しかし依存せず、お互いを思いやり、しかし甘やかさず、立場を入れ替わりながら即興する。その10分12秒は、厳密に作曲された素晴らしい音楽と同等、あるいはそれを超える体験をもたらすことのできる、即興演奏という方法の生んだ奇跡の一瞬の一つに数えて良い。本当に素晴らしい。チャーリー・ヘイデンは本当に良いです。 「3」ではキースはソプラノ・サックスとピアノを演奏する。拙者の嫌いなオーバーダブだが、気にならない。マイルス・デイビスの「ネフェルティティ」のように、マイナー調のテーマのヴァリエーションを淡々と繰り返しているようにも聞こえる。しかし、曲名の表す「偉大な鳥」の飛翔は分からない。拙者は、アメリカ先住民族の祝祭、祈りを表現しているようにも聞こえる(それは、本質ではないかもしれないが)。どっしりと支え、サウンドの殆どの雰囲気を規定しているチャーリーのベースが素晴らしい。 「スタンダーズう?」正直、ちゃんと聴いてないから分からない。でも、キース・ジャレットの、拙者にとっての最高傑作は本作であり、他の作品はみんな駄作だ(今のところ)。 生と死の幻想 生と死の幻想 生と死の幻想 [12 inch Analog]
by jazzamurai
| 2008-01-18 02:32
| 無節操 ジャズ三昧
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