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1973年7月7日、アートシアター新宿文化劇場
「インスピレーション&パワー14フリージャズ大祭1」より 富樫雅彦 per 佐藤允彦 p 1.Kairos-1 2.Kairos-2 「追悼」シリーズが長いな・・・・(以下、amazon.co.jpに寄せたレビュー) ---------- 中学生の頃、1500円シリーズで「双晶」を買った。が、その時は「なんだか音が細くて、迫力の無い演奏だな」という感じがして、すぐ売ってしまった。 最近、また富樫さんを聴くようになり、色々と購入するのだが、「カイロス」の噂を聞くと、どうも「双晶」は40分近い2つの完全即興演奏の中から一部を取り出して3曲とした編集版だったことが分かった。同時に、「カイロス」の元音源がカセットテープだということも。 期待と不安を綯交ぜに聴いたのだが、最初に出てきた言葉は「音が良い」だった。いやホントに良いんです。バランスも最高。本人達が承諾していなかった盗み撮りらしいが、良い場所にマイク置いたんでしょうね。 演奏はというと、聴き始めたら途中で切る事はできない程の恐ろしい緊張感である。富樫さんが事故後、初めてのライブ(ですよね)であるにも関わらず、佐藤さんは全く容赦無しに切り込むんだ、これが。予定調和は一切無い。安易な盛り上がりも無し。だが聴かせる。恐ろしい緊張感の中で、2人の厳しい自己制御のされた音の「関わり合い」を、息を殺して見守るばかりである。 本当に素晴らしい演奏である。あの日の演奏は全編通して聴いてこそ、強い説得力を実感できる。 ---------- と書いたのだが、ネットで調べていると、拙者のレビューが引用され、「富樫さんの再起ライブはニュージャズ・ホールで行われたもので、これは復帰初ライブとは違います」と説明されている文書がありました。拙者が書いたamazon.co.jpのレビューは結構色々な人が読んでいるんだな、とびっくりしました(ちょっと不思議な嬉しさ)。 にしても、当日Trioが録音していたはずの、「双晶」全体のオリジナルマスターテープが廃棄されており、盗み撮りクロームカセットテープから起こさざるをえなかった、というのはびっくり。メジャーのテープ管理って、一体どないなっとんの? ちなみに「カイロス」とは佐藤允彦の命名で、ドイツ語で「決定的瞬間」を意味するそうです。 情緒的に盛り上がったり、情に訴える所が全くないので、聴きにくいかもしれません。しかし、決定的な瞬間瞬間、刺すか刺されるか、という間合いの対峙に向きあって、聞き終わった時にはふうーとため息をつき、「凄いわ~」と思うのが、拙者は結構好きです(変な言い方?)。 カイロス (紙ジャケット仕様)
by jazzamurai
| 2007-09-18 22:51
| 無節操 ジャズ三昧
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