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1979年9月20、21日録音、埼玉。
武田和命 (Tenor Sax) 山下洋輔 (Piano) 国仲勝男 (Bass) 森山威男 (Drums) A1.SOUL TRANE 2.THEME FOR ERNIE 3.AISHA 4.IT'S EASY TO REMEMBER B1.ONCE I TALKED 2.OUR DAYS 3.LITTLE DREAM 4.GENTLE NOVEMBER これも棺桶に突っ込んで欲しい1枚。良さが分かったのはつい最近だけどね。 武田和命は1939年に東京で生まれ、1989年8月18日喉頭がんで亡くなった。49歳。 この録音は、一時期シーンから姿を消していた後、坂田明の後任として、 山下洋輔トリオに参加する直前に録られたものらしい。 A面はスタンダード、B面はオリジナル(素晴らしい)。 さて、拙者は長い間、武田和命が嫌いだった。 NHK-FMのセッション81でジャズを聴いていた拙者は、 1981年2月7日の山下洋輔トリオをエアチェックして以来、武田和命のことを、 山下洋輔トリオのリードとして、坂田明と比べ、フレーズに切れが無いと思ったから。 後で参加する林栄一(as)は凄かったので、余計、鈍くさい印象を持ってしまった。 だが、それは拙者の耳が肥えていないだけだった。 30歳代に入って、やっとソニー・ロリンズが聴ける耳になってから、そのエアチェックテープで フリー・ジャズを吹いている武田和命を改めて聴いたら、目からクソ鱗がバラバラと落ちた。 隙が無いんです。ハチャメチャなのに無駄が無い。ソロ全体の構築力があって。 そのエアチェックテープの3曲目に入っているマル・ウォルドロンの「ソウル・アイズ」。 そこでテナーを吹く武田和命がホンマに素晴らしい。 今でも時々聴きますが、こんなに格好良いバラードは無いですよ。カデンツァも珠玉。 ジャズとは良い音楽だが、残酷な音楽でもある。 だって、こんなに良い演奏でも、エアチェックじゃ盤にならないもの(誰かして)。 このレコードには、その曲は入っていないが、盤全体に透徹する武田和命のダンディズムは ホンマに見事。山下洋輔のバッキングも良い仕事している(流石ブルーノート研究家)。 森山威男のブラシも、こんなに良いとはね。 武田コルトレーンとも言われた激しいソロもありませんが、この人の短い人生を嘆きながら、 ではなく、一日の終わりに少し息をつくために、武田節に身を任せて酒を飲めば良いんです。 甘ったるいムード・ミュージックとは一線を架す、高いテンションを纏う、男のバラード集です。 ジョン・コルトレーンの「バラード」の様に楽しむべき盤と言えましょう。 武田和命 : ジェントル・ノヴェンバー ←これの在庫有るのって、ホンマかなあ。 拙者、もう一枚買おうかな。
by jazzamurai
| 2007-02-06 00:28
| 無節操 ジャズ三昧
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