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1975年8、9月録音。ALM Records。
土取利行 (dr、他) 坂本龍一 (piano、他) 1. 綾 (Aya) 20:05 2. 器の中 (Utsuwa no naka) 6:10 3. a/φ (musique differencielle 1°) 13:50 4. ∫/ Z (musique differencielle 2°) 6:10 1975年、土取利行は2枚のレコードをコジマ録音に残している。 4月にreed奏者の高木元輝と録音した「ORIGINATION」と本作である。 この数ヶ月の間に彼のドラムは大きく変化している。 NYでのMilford Gravesとの邂逅により、彼のスネア・ドラムから響き線が取り払われ、 全てのドラムは片側だけにヤギ皮が張られたピッチを重視したものとなり、 フリージャズに捕らわれない「根源的な音楽」を目指すものに変化した。 一方、坂本龍一は当時、阿部薫氏等、日本のフリージャズシーンに集まり 「東夷」や「学習団」で即興演奏を演っていたが、高橋悠治氏等との関わりからも分かる様に、 プリペアードピアノやシンセサイザーの使用等、どちらかと言えば現代音楽的なアプローチで、 既存概念の破壊を目指す演奏をしていたのではないか。 そんな真逆とも言えるスタイルの二人のDuoが何故録音されたのか。 坂本は2005年再発のCDの解説の中で、「竹田賢一さんがお膳立てした」と言っており、 プロデュースも彼だったから、主役は竹田賢一との見方をとっている。 (1)ドラムセットとプリペアードピアノが延々とDuo。 10分程経過後プリペアードのソロ2分程、次にドラムのソロ5分程、最後に合奏。 リリカルなピアノはほんの一瞬たりとも出てこない。 ピアノの上に置かれた金属片がガシャガシャ、パリパリと鳴り続ける。 (2)シンセとパーカッション。 (3)シンセ、プリペアードとパーカッション。 (4)坂本のソロで、ボイスパフォーマンスの多重録音が奇妙。 さて、この音楽達を何と一括して表現して良いのか。 絶対にスピリチュアル・ジャズではない。良く聴くかと言われると違う。 しかし、世界に飛び出す直前の、感性を全く異にする二人の若者が、ほんの一瞬激しく交錯し、 お互いのエゴを叩き付けた強烈な印象の作品であることは確かである。 なお、CDは土取利行、竹田賢一が新たに手記を寄せ、坂本龍一は改めてインタビューに 答えており、そこに価値が有る。 ディスアポイントメント - ハテルマ
by jazzamurai
| 2007-02-02 08:03
| 無節操 ジャズ三昧
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