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1967年5月。1.Prince of Darkness (W. Shorter) 2.Pee Wee (T. Williams) 3.Masqualero (W. Shorter) 4.The Sorcerer (H. Hancock) 5.Limbo (W. Shorter) 6.Vonetta (W. Shorter) 7.Nothing Like You (F. Landesman-B. Dorough) (1962) Miles Davis - Trumpet Wayne Shorter - Tenor saxophone Herbie Hancock - Piano Ron Carter - Double bass Tony Williams - Drums この第二期Great Quintet (1964~1968)の作品中、「Sorcerer」と次作「Nefertiti」はメンバーのオリジナルで固められているが、Milesの作品はない。ソロも先発は全てShorter。 本作2曲目の「Pee Wee」では、Milesの吹く場面も無い。 にもかかわらず、これはMilesの音楽であり、それ以外の何ものでもない。 ツアーでも、自分のソロが終わるとさっさと舞台袖に下がって煙草を吸っていたらしいが、バンドが自分の音楽を理解し、奏でていさえすれば、自分は演奏しなくても良い、ということのようである。 拙者は、若い時、この態度が気に入らず、このLPを手放した。ファッショだと思ったからだ。 しかし、色々読んでみると、第一期Great Quintetの時、MilesはColtraneが延々と吹くがままにしていた時も制限しなかったし、drumsのPhilly Joe Jonesにも言いたいことを言わせていたようだ。 そして、ここでも、他のメンバーが抑圧されている、とも思えない。 MilesとShorterが8小節(?)交換をする「The Sorcerer」でも、メンバーは実に破天荒に、荒々しくやっている。特に当時22歳のTony Williamsの暴れっぷりは凄い。 共演者を困らせようとして掻き回しているようにしか聞こえない。しかし格好いい。 ただ、一方で、Tony Williams以外のメンバーには、無駄な音は極力排除しようとする意志も見受けられる。実にクールだ。 Herbieなんぞ、バッキングもしないし、ソロの時は左手のコードが殆ど聞こえない位だ。 そのため、キメで鳴らされるコードが実に印象的だ。 Free Jazzの嵐が吹き荒れていた当時、黒い汗の臭いもせず、Freeでも無く、スタンダード集でも無ければ馴染みのバラードも無い、これらのスタジオ録音は、見向きもされなかった様だが、今、聴けば、これから羽ばたこうかとする若いJazzmenを集めて、その時にしか録れない一瞬をよく録った、という感じがする。 MilesのDiscographyにおいて、first choiceでは無かろうが、傑作だ。 なお、「7」はより古い録音でオチャラケ。 ソーサラー(紙ジャケット仕様)
by jazzamurai
| 2007-01-17 19:58
| 無節操 ジャズ三昧
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