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![]() 皆様、あけまして、おめでとうございます。今年も宜しくお願いします。 さて、大晦日、フルトヴェングラー指揮バイロイト祝祭管弦楽団・合唱団による、ベートーヴェン交響曲第9番、通称「バイロイトの第9」を聴きながら、ふと、検索をしていると、この「バイロイトの第9」に別ヴァージョンが存在しており、そっちの演奏の方では、第四楽章の最後が破綻せず終わってる、という、クラシック界を揺るがすCDが出されていることを知りました。これは入手せねばと思ったのですが、既に入手が不可能な状態になっています。 残念な話なのですが、その関係でふと、同じ第9でも、ブルックナーの第9の、幻の第4楽章について、何か新しい話題がないかとググっていると、びっくりしたことに、なんと、サイモン・ラトル+ベルリンフィルが「サマレ、フィリップス、コールス、マッツーカ版(SPCM版)」の最新版で、録音したCDがあるということを知りました。拙者にとって、昨年最後の重大な出来事でした。 すぐAMAZONにポチッとしまして、本日届きました。恐ろしく速いですね。 結論から言いますと、とても良いです。ヴィルトナーの盤、ボッシュの盤と比べて、かなりの説得力があります。さすがのベルリンフィルです。 クラシックのCD聴いて、こんなに興奮したのは久しぶりです。ああもうこれなら、今後、第4楽章付の演奏は色物ではありません。指揮者・オケの考え方次第でしょうが、これは、立派な四つの楽章からなる交響曲です。実は素晴らしい第4楽章だ、とは今でも言いません。ですが、拙者はもともと、ブルックナー先生の交響曲について、第4楽章が上手くない、という印象を持っています。第7の第4楽章なんて、とって付けたみたいで、あんまり良くないんですから。そういう印象を持っている拙者にとって、このCDに収められた第4楽章は流れがスムーズで起承転結がついており、とてもしっくりくるものでした。 しっくりきた原因には、ブックレット19ページ分に書かれた解説資料もあります。確かに第4楽章のボーゲン(二つ折り四面の五線譜)の一部は、死の直後、先生の部屋を訪れた禿鷹たちによって奪われ散逸し、未だ出てきません。しかし、先生の作曲方法は、(1)「音楽的なフレーズの周期を示す数字を各小節に付しながら、スコアの1ページを原則として4小節単位にあらかじめ区切っている」、(2)ボーゲンの通し番号がまず最初にうってあるので、この断片が全体のどの部分なのかが明確である。→そのため、予め想定されていた小節数を割り出すことが可能、ということで、後は、略式総譜やスケッチの類いから、前後の脈絡を検証すれば、埋められるとのことです。 つまり、骨組みはできていて、重要なアイデアは書かれている状態なので、構造は明らかだと。サイモン・リトルは言います。「はめられたステンド・グラスは設計者の意図と違うかもしれないが、大聖堂を手に入れることができた」と。下のラトルのインタヴューを見て下さい。非常に分かりやすく解説してくれてします。売るためなのかもしれませんが、偏見を払拭するため、第4楽章を演奏することの正当性を淡々と説明しています。 これからは、ブル9の演奏は新時代に突入したと言えるのではないでしょうか。第3楽章の終わりを白鳥の歌として、神の国に上って行ったブルックナー先生を見送って終わった時代は終わりました。神の国に上って行った(行こうとする)先生が神の国でどのような最後を遂げられるのか、その姿を描くこと、全4楽章を演奏することがスタンダードになるやもしれません。また、このCDはVerは補筆完成版とのことですが、こんだけの演奏と資料が全世界に広く分かりやすく提示された訳ですから、失われた楽譜がまた出てくるかもしれません。まだまだ、ブルックナー先生が描こうとした第9の第4楽章について、新しい発見や、解釈がなされるかもしれません。本当に嬉しいことです。 ■ サイモン・ラトル『ブルックナー:交響曲第9番(第4楽章付)』特別映像(演奏付) ■2011年11月22日、来日公演の際の記者会見にて、サイモン・ラトルが『ブルックナー:交響曲第9番(第4楽章¬付)』の録音について語った部分 英語のできる方はこちらもどうぞ。 コールス執筆によるSPCM2008の序文に替わるテキスト ブルックナー:交響曲第9番(第4楽章付)補筆完成版 ただし、このジャケットはいかがなもんでしょう。もっと荘厳な感じのものにして欲しかったな〜。
by jazzamurai
| 2013-01-03 01:24
| 無定見 クラシック三昧
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