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Released 1981,Recorded 1981
Charles Bullen: voice, guitar, clarinet, drums, tapes Charles Hayward: voice, drums, keyboards, guitar, bass, tapes Gareth Williams: voice, bass, keyboards, tapes, mask Martin Frederick: studio and live mix Peter Bullen: live mix, tape operation, projection Phil Clarke: organisation A1.Sleep – 2:13 2.Paper Hats – 5:57 3.Triumph (勝利) – 2:55 4.S.P.Q.R. – 3:26 5.Cenotaph (戦没者記念碑) – 4:35 B1.Shrink Wrap – 1:40 2.Radio Prague – 2:21 3.Makeshift Swahili – 4:04 4.Independence – 3:39 5.A New Kind of Water – 4:57 6.被爆症 (Suffer Bomb Disease) – 4:03 1981年、ラフ・トレード。彼らの二枚目のアルバムにして最後の盤。この盤と「宮殿」のジャケットは、双璧に気持ち悪い。 邦題「偽り」は直訳だが、端的にこの盤の目的を表している。様々な偽りの中に生きている我々を表現している。 曲の構造が既成のロックからかけ離れている上に、サウンドは音響的に多層的に加工され、効果音が加えられ、ダヴ・ミックスもされている。混沌とした音の中から、時折恐ろしい程の切れ味で弾かれるギターと、ヘイワードの強烈なスネアの迫力に鷲掴みにされる。 歌詞はストレートでなく、比喩、寓話として語られ、おまけにヴォイスは不気味、神懸り的な印象や念仏の様にも聴こえる。これを上手いとか下手だとか言う奴はプログレ、パンク、ニューウェーブは聴かんでもよろしい。 だが、言いたいことは非常にストレート。つまり、核と戦争と帝国主義の不安の只中にあって、幾重もの偽りを施され、当事者意識の欠片も持たず、傲慢にも生かされている我々の不安、苛立ち、能天気、無鉄砲を、表現していると言える。 「A1」、決して眠れない子守唄。だが、我々は偽りの夢を見るために、その子守唄に縋っている。 「A2」、そんなのありか、と、つんのめらざるを得ない奇妙なリフに乗って歌われる不安な言葉。「紙の帽子/爆発の音/この音は何を表している?/この音が意味するものは何?」我々はいまその音を聞いている。そしてリフは様相と空気を変えて流れていく。少しずつ弛緩し、死に向かうように。 「A3」、なんとも皮肉な意思の勝利と否定。 「A4」、歌詞を読まないと、この思いっきりカッコいいサウンドに騙される。パックス・ロマーナ!、パックス・アメリカーナ!「偽り」の下の。 「A5」、80年代の日本のインディーズのTrance Recordsあたりの音は、This Heatのこういう音に相当影響受けていたと思うような曲。兎に角、変則的なドラムがカッコいい。「歴史は繰り返す」「野原は一面赤いポピーの花である」と歌われる赤とは血の赤? 「B1」、繰り返し「嘘、嘘、お前は嘘をつく」と繰り返される。欲望と支配は尽きることなく膨張する。 「B3」、ハードコア風の思い切った歌唱。これもそうとうTrance Recordsっぽい。「俺たちは君たちに酒をやる/君たちは俺たちに土地をくれ/「白人は二枚舌」/でももう手遅れだ/今ごろ文句を言い始めても/手遅れだ」。アップテンポになったところで音の悪いライブバージョンを切り貼りするセンスが良い。 「B4」、妙なレゲエ風リズムに乗って歌われる「独立宣言」。それさえも偽りであると言わんばかりの。 そして、最後の山場、「B5」、新種の水。 どちらも分からない、答えは何だ? 我々は、多くを望めと教えられた いまや、多くを得ている もっと多くをと望んでいる、もっと多くを 我々はaからxまで来た この福祉国家は我らの進歩を意味する 国家の規模が我々を生かしている さらなる平等が望ましい、それが我らの求めるものだ 我らのエネルギーは無限のようだ (エネルギーは)必要なときにはいつもにある 「我々には人的資本(労働力)がある 我々は診療所の研究に資金援助している 癌という、たわいもない曖昧な恐怖に対する治療法 新種の水 新しい呼吸法 なんらかの画期的な治療法は常に 必要なときに現れる 我々には人的資本がある 君は経験から知っている 衣食住における快適さ、暖房の効いた家 君の身体はこれら全てを選ぶだろう もちろん!生来、我々は利己的だ しかしもし、行き渡るに十分な量がなければどうだろうか 防御が必要だ 我々には奇妙な職種の奇妙な人的資本がある 我々はaからzまで到達した この核保有国家は我々の死を意味する ピーターは吹っ飛ばされ、ポールは避難所に隠れる 誰が見ることができようか、地球が燃え落ち、飛び散り、死ぬ時を? 絶対安全、極めて簡単、我々は以前にもそう聞いていた 分別が必要だ 我々には人的資本があると信じよう その規模が我々を生かしている さらなる平等が望ましい、それこそが我々の求めるものだ 君は経験から知っている 君の身体はこの全てを選ぶだろうが Translated by Beehvie 何時も思ってた。この「新種の水」とは、黙示録に出てくる「苦よもぎの水」のことだろうかと。 この歌は過去に収まっている歌ではない。今、我々が聴くべき歌の中でも、もっとも重要な歌だと思う。問題は複層的な「偽り」が今も蔓延し、我々がそれに囚われていることを、しっかり見通すこと。そして、見て、聞いて、自分で考えること。この盤はそれを混沌のうちに教えてくれる。 「B6」、とうふ売りのラッパが聞こえる。日常の中に地獄があることを教えてこの盤は終わる。 Deceit
by jazzamurai
| 2011-05-30 14:31
| 無秩序 プログレ三昧
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